御旨と海 第97話

善悪二つの世界
1981年 2月15日

 先生の活動はただ単に宗教活動だけではありません。このために人々は、先生が実業家であるとか、学者であるとか、映画製作者であると言うのです。先生は人生のあらゆる側面を、同じ愛の原則でもって取り扱います。魚釣りに行く時ですら、それは自分自身が楽しむためではありません。先生は決して自分の根本的な使命から離れることはありません。だからマグロですら先生の方に引き付けられて来るのです。

 いつも先生は二つの世界に、最も自然に生きています。つまり、高い世界と低い世界の間を行ったり来たりしています。朴先生が昨年の夏、南アメリカに行った時、彼は七カ国の大統領に会い、もてなしを受けました。彼がこのように非常な栄光を与えられたのは、彼が先生の補佐官であったからです。しかし、彼が帰って来てモーニング・ガーデンへ先生に報告に来た時、彼は家の中で先生を見つけることができませんでした。結局先生を見つけることができたのは、裏庭の物置で数人のメンバー達と魚釣りのために道具を直していた時でした。先生の人生においては、高いものと低いものの両極端を抱擁して来ました。神様の御旨は、これら二つの極端を調和することであり、神様の力のみがそれをなすことができます。真のムーニーというのは、愛の生命力を人格としたものです。だから我々は、この二つの世界を一つに結び付けることができるのです。



我々の身元
1981年 4月 1日

 先生は、おそらく今年の夏もグロースターで背広の代わりに漁師の服を着て、魚釣りをしていることでしょう。たとえ皆さんが魚臭い漁師の着物を着ていたとしても、善なる側は同じであり、常に上昇して行きます。皆さんは、今いる所よりも下がることはありません。たとえ我々が乞食の立場に自らがいるのを見出だしても、我々はそれ以上下がることはなく上がって行くでしょう。先生は正しい伝統を残すために、ここに住んでいます。将来、若者達が、先生が刑務所で過ごした経験について学ぶ時、それは彼らの心に火を付けるでしょう。先生は刑務所の生活が将来のための強い伝統を残すことになるであろうことを知っていたので、刑務所の生活を耐え忍ぶことを決して厭いませんでした。



我々の理想的な家庭(第二部)
1983年 6月26日

 皆さんがファンダレージングに出かける時「自分はこんな暑い日にこんな所にこうしているが、お父様はどこかで船に乗っているのだ」と考えるかもしれません。しかし先生が海に出かける時は、一日とか一週間、気晴らしで出かけるのではありません。先生はオーシャン・チャーチを人類のために創設しました。将来のためにその伝統を打ち立てなければなりませんでした。そのようなことをすることができる者は他に誰もいません。

 先生はこれまで、オーシャン・チャーチについて幅広く語りました。だからアメリカのメンバー達の中には「もうオーシャン・チャーチについては何も聞きたくない」と考える人がいるかもしれません。しかし、誰がアメリカの海に対して責任を取ることができますか。どんなに難しかろうとも、先生はその責任を取るつもりです。それが先生の決意です。皆さんは海に行くのがどんなに嫌であろうとも、先生はこの国のために海に行き続けるつもりです。そのような基盤を造った後で、このメッセージがアメリカの若者に理解されることを先生は知っています。皆さん達は「先生の言うことは好きだけれども、先生のしていることは好きではない」と言うかもしれません。先生のしていることを好む人と、好まない人に分けることができます。皆さんアメリカの若い男達はどうですか。皆さんはオーシャン・チャーチを好きですか。皆さんは口でだけ忠実なのですか。

 今年の夏のマグロのシーズンの間、我々は五十万㌦のお金を使うでしょう。毎年我々はマグロ釣りのためにお金を費やして来ました。しかしそれでも、我々はそれをしなければなりません。他の誰もそれをしている者はいません。マグロのシーズンは夏だけです。だから一年のその他の時期は非生産的です。だから先生はその他の魚、例えば、カレイ、平目、鯵などや、その他の魚をそれぞれ季節に従って捕ることによって、マグロ良を補うための全般的な計画を持っています。我々は成功する事業のための基準を打ち立てて、一年中様々な異なった魚を用いるようにしなければなりません。

 皆さんが一度海に出れば、海を愛するようになるでしょう。しかしそうするまでは、海は、見知らぬ存在です。皆さんは先生がマグロ釣りの専門家として生まれたと思いますか。そうではありません。先生はイロハから学ばなければなりませんでした。そして毎日、来る日も来る日も働き続けて伝統を打ち立てました。今や先生は、他のマグロ釣りの漁師達の間で専門家として知られています。先生は計画を立て、そして七年ないし八年のシーズンに忠実に実行し、遂にマグロの釣り方を知るようになりました。そのようなことは単なる趣味としてとか、ただ海を楽しみたいと思っていろような人には到底達成することができません。

 先生は昨日、神学校の七回目の卒業式で話をしました。その後、親や教師達が皆周りにいる時に、先生は魚を釣るための衣服に着替え、再び船に乗りました。ハドソン川は荒れていましたが、それでも先生は出かけました。それを見ていた人達は、先生を風変りだと思ったかもしれません。しかし彼らは我々の目標が何であるかを理解していません。先生の足が、毎日立っていることで腫れ上がっても、その足を叱りつけてそして働き続けるように命令します。このようなことは、楽しいからするのではありません。先生はこの仕事に非常に真剣なのです。

 宗教指導者として、先生はマグロを殺すことを決して楽しみにしていません。マグロが血を出してそして辺りの水を染める時、そのような光景を決して楽しむことはできません。先生は深い祈りの中でそうしたマグロ達に詫びて、そして彼らが分かってくれるように乞求めるのです。先生は彼らに対して「お前達はアメリカの人々のために自らを捧げなければならない。なぜならば、アメリカの人達は神様と天宙にとってもっと重要だからです。先生は全人類のために捧げる供え物として、お前達を必要としています。だからどうかお前達自身を捧げてほしい」と言ってやります。神様と天宙はそのことを知っているので、神様と天宙は我々を助けてくれます。だから我々の海洋事業が栄えつつあるのです。皆さんはこのことをはっきりと理解しなければなりません。

 人類のために海に出て行くことは、正しいことです。こういう観点から見ると、先生の伝統に従いたいと思う正義のアメリカ人は誰ですか。先生はそのようなアメリカ人を十年以上も探して来ました。ことによると、ここで基準を作るために日本から人々を連れて来なければならないでしょう。それからアメリカ人がそれを受け継ぐことができます。しかし、日本人が成功しないなら、韓国人を用いるつもりです。もし彼らが失敗すれば、正しい伝統を打ち立てるために、先生自身の息子、娘達を送るつもりです。そういう理由で今年の夏、祝福の子女達を連れて来ました。このようなことをするのは初めてです。しかし我々は海に対する目標を達成しなければなりません。

 アメリカは海洋資源開発のチャンスを失うでしょう。なぜならば、その方面に対する主導権を取ろうとしないからです。他の多くの国々はアメリカ人から海を奪いつつあります。先生はオーシャン・チャーチの伝統を打ち立てるために、原理に従ってゆきました。そして、先生はアメリカ人にチャンスを与え、海における魚釣りに参加させるように奨励し、それを心待ちにして来ました。しかし、なおも皆さんがそれに応えないなら、他に何ができるでしょう。海を最も愛する人が、海の支配者となるのです。先生は、海を誰よりも多く愛そうとしています。

 皆さんは、こういう先生の考えを退けてはいけません。それは非常に重要なことです。アメリカ南部にある造船会社は、マスター・マリン以外すべて倒産してしまいました。我々の会社もまたしばらくの間欠損を出しましたが、営業を止めませんでした。我々食口が行う事業は、愛に基づいています。もし皆さんの心情を本当に事業に投入するならば、決して失敗しないでしょう。なぜならば、神様と天宙が皆さんを支えてくださるからです。

Atsuki Imamura