御旨と海 第77話
先程言ったように、統一運動における最もすばらしい言葉は「真の父母」と「蕩減」ということです。真の父母は皆さんの世話をし、皆さんが必要とする時は皆さんを受け入れ、皆さんが寒い時には着物を着せ、お腹が空いた時には食べ物を与え、落ち込んでいる時には引き上げてくれる、そういう人です。そうでしょう。しかし、もしそれだけであれば、我々の生活はそれほど興奮するものとはならないでしょう。しかし蕩減ということのゆえに、私達の生活はもっと興奮したものとなり、もっと意味深いものになり、もっと喜びに満ちたものとなるのです。真の父母は本来、蕩減生活をいかに送るかを教える人です。そのような生活こそ、先生が自分自身で送ってきた生活です。蕩減のゆえに、先生は一度に一つのことしかしないということは決してありません。そうではなくて、一度に十も百も千ものことをするのです。
政府がやってきて、彼らが調べられるだけ先生の生活を調査するかもしれません。彼らが調査している間に、先生は自分のしていることをもっともっと増やしています。もし、先生についてすべてを知ることを自分達の仕事であるとしたならば、彼らの仕事は決して終わらないでしょう。なぜなら彼らは決して追いつかないからです。これはどこから来ますか。それは先生が苦労したからです。先生が受けなかった取り扱いというものは何もありません。それゆえに多方面な人間になったのです。
我々、迫害されている人間は、自己満足している人間よりも多く考えなければなりません。生き残るために、もっと多くを考えなければなりません。他の人達が安楽に座っている間も、先生は常に考え、より早く動き、そして常に行動してきました。先生は動きながら計画を立てることを学びました。先生は一度にたくさんのことをすることができます。皆さんは先生が能力のある人間だと思いますか、それとも、それほど能力のない人間だと思いますか。アメリカの女性の皆さんに聞いてみましょう。皆さんは先生のような人を夫にしたいと思いますか。
先生は誰に対しても同じような意図をもって話します。教授達に話す時には、彼らにもっともっと仕事をさせるようにしますが、彼らは構いません。先生が彼らに話す時、強い調子で話したとしても、彼らは先生に対して微笑んでいるだけです。そのようにすることで先生が大好きなのです。それは蕩減の原則のゆえです。例えば、韓国において彼らは先生を一から十まで迫害しました。つまり彼らは、あらゆる可能な方法で迫害をしたのです。しかし今日、先生が韓国で話をする時には、彼らは先生の言うことに耳を傾けます。ただ耳を傾けるのみならず、先生が彼らに命令する時のための準備をしているのです。
日本においても同じです。アメリカもまたこのようになるでしょう。心配しなくてもまもなくこのようなことが起こるでしょう。この原理には例外はありません。もしこのようにして勝ち得た成功というものがあるとすれば、先生はそれを成し遂げた数少ない人間の一人です。先生を迫害したことのある誰もが例外なく、一度受け入れたならば、涙を流して悔い改めの心を表しました。栄光の道はただひとつだけです。そしてそれは最大の忍耐を持って越えていかなければならない苦難の道です。
さて先生の計画は何でしょうか。それは皆さんの一人一人を、全く同じ方法で勝利者にするということです。どうですか。それを望みませんか。皆さん、それを好みませんか。韓国人は、たとえ心の中でそうしたいと思っていても「はい、それは望みません」と言うのです。非常に単純です。先生がアメリカでしたいと思うもう一つのことは、この単純な秘密を明らかにすることでした。皆さんは蕩減ということを知っていたので、どんどんと歩んでくることができました。またこのことゆえに、皆さんは勝利を勝ち得るでしょう。
皆さんは、アメリカで他の誰もが知らないことを知っています。それは何ですか。それは蕩減の価値を知っているということです。皆さんは蕩減を払うという秘密を知っています。いつの日か、他の誰もが通ったことの無い道を走らなければならないことを知っていたので、他の人々が彼ら自身の道を走っている間、下がって研究しました。この先生の近くで生活していた人達も、先生が何をしなければいけないかということを知りませんでした。今でさえも、先生がすることが何であれ、同じような状況です。
最近のアメリカの歴史においてこれに対する非常に良い例が一つあります。ニカラグアの情勢は、正しい心を持った人々にはあまりにもはっきりしています。アメリカ議会において、コントラに対して千四百万ドルの援助を送ろうという提案がありました。しかし、その少額の援助すらもアメリカ議会が否決した時、何か重大な問題があり、もしそのような状況が放っておかれたならば、アメリカは困難な状況に陥るだろうということが分かっていました。アメリカ議会はその提案を全く否決しましたが、「ワシントン・タイムズ」はそれに対して強く反対の声を上げました。そのために決議がひっくり返されて、コントラは最初の援助額の二倍の額を得ることができるようになりました。その後、何人かの人達がレバレンド・ムーンはアメリカに滞在すべきであり、彼は世界の他の国へ行くべきではないという電話をかけ始めました。そういう内容の電話が実際に来たのです。
皆さんか世界を見る時に、先生が見るのと同じようには必ずしも見てはいませんが、しかし先生と同じように見ることが必要です。だから先生は、皆さんにもっと教育を受けてもらいたいと思っているのです。皆さんは、真の父母と同じ目で世界を見始めなければなりません。皆さんは、蕩減の原則を通して世界を理解しなければなりません「真の父母」という言葉は、「蕩減」という言葉よりも素敵な響きがあります。しかし、皆さんが真の父母を理解したいと思うならば、皆さんは蕩減ということを理解しなければなりません。もし蕩減というものがなかったならば、先生は今日同じ場所にはいないでしょう。先生が誰であるか、誰も知らないでしょう。皆さんが初めの頃蕩減を好きではなかったことを先生は知っています。しかし、真の永続する成功を収めるには、それ以外の道はないのです。先生が初めてアメリカに来た時、キリスト教の牧師達の先生に対する取り扱いは非常に厳しいものでした。しかし、先生の話を聞きにくるようにキリスト教の牧師達を先生が招待すると、統一教会のメンバーよりも多くの牧師達が姿を現しました。その牧師達は何かを信じていますか。彼らは自分が信仰を持っていさえすれば、天国に行けると信じています。それはほとんど迷信です。それでいて、彼らは何ら別の考えもなく、我々を異端と言っているのです。彼らの考えは子供の世界に住んでいる人々の考えのようなものです。それは本当に皮肉なことです。
先生が刑務所から帰ってきた時に、皆が先生に対して拍手をしました。先生自身の家族も先生を歓迎しましたし、教会の食口すべても先生を歓迎しましたし、多くのキリスト教の牧師達も先生を歓迎しました。彼らは皆、先生が正しいことをしたと言いました。それは先生がただちょっと刑務所から足を踏み出しただけであるということを考えると、それは驚くべきことです。これは歴史的なことです。そしてそれは、ある方法で発展していかなければなりません。皆さんはいかにして歴史を止めることができますか。もはや天においては決定しました。だから、地においてもそれはなされるでしょう。西洋世界が最近の歴史を支配してきたとしても、いずれはレバレンド・ムーンのやり方に従わざるを得ないでしょう。神様が一度何かを決定した以上、西洋世界といえども神様に対してどのように反対できるでしょうか。神様は今やレバレンド・ムーンを応援することを決定したのですから、西洋世界はいかにそれを避けることができるでしょうか。そういうことはできません。ですから、いずれ彼らもこの道に来るでしょう。待って見ていなさい。何千人ものアメリカの青年達が争って統一教会に入るようになるでしょう。
今、我々の路程は惨めです。しかし、彼らはいずれ皆さんを探し求めて来るでしょう。そのことを考えてみてください。ムーニーとしての皆さんの将来の路程はすばらしいものです。国中の人々が「ムーニズム」は良いと騒ぐようになるでしょう。国中の雰囲気が変化しつつあります。そして今やムーニーに対して、良い方向の興奮が起ころうとしています。皆さんはこれからますます上げ潮に乗っていくでしょう。人々がやってきて、皆さんについて尋ね、皆さんがこれからずっとどこへ行こうとしているのかを知りたいと思うでしょう。そして彼らは皆さんの行く所に従って行きたいと思うでしょう。その時、先生には一つ心配なことがあります。人々がやって来る時に、彼らは群れをなしてやって来るでしょう。我々は深刻な競争をすることになります。この人達は皆さんより優れたメンバーであるかもしれません。そのようなことが起こる前に、先生は皆さん一人一人に真の路程を通過したということを意味する印を張り付けたいと思うのです。だから、先生は皆さんに、出かけていって、前以上にもっと一生懸命働いてほしいと願うのです。