御旨と海 第76話
蕩減の価値
このひ弱なアメリカの女達を見なさい。彼女は今や世界を見て、全天宙を抱きかかえることができます。彼女はそれだけの自信を持っているのです。この意味において、アメリカは滅びなければなりません。それは悪い意味においてではなく、良い意味においてです。先生は皆さんについて知っています。統一食口達は十年以上この運動にいたとしても、それでも多くの物を所有してはいません。しかし、皆さんは何百万ドル出しても、お金では決して買うことのできないものを所有するようになっています。皆さんは何でもでき、どこへでも行ける顔つきと性格と自信を持っています。こういうものは、いくらお金を出しても決して買うことのできないものです。
十年以内にこの小さな姉妹は、そのような自信と「ガッツ」を持つようになったので、彼女はどこへ行ってもドアを叩いて、そして自分の心から言わなければならないことを何でも言うことができます。たとえ二億四千万の人々が反対してきたとしても、自分は間違っていないと言うことを知っています。これはたいした人格であり、ある種の偉大さです。それは皆さんの知っている誰かに似ていることです。誰に似ていますか。皆さんは先生がどういう種類の人間であるかを知っています。皆さんは第二のレバレンド・ムーンになりつつあるのです。それは良いことですか、悪いことですか。
なすべきことは非常にたくさんあります。だから先生は、皆さんをもっともっと押し出したいと思っています。皆さんはしばしば「自分はつらい仕事は嫌いだ、自分は中心者が嫌いだ」というようなことを言います。しかし皆さんは、先生のことはどういうわけか好きなのです。しかし、もし先生が皆さんにもっともっと辛い仕事をさせるとしたらどうですか。それでも皆さんは先生を好きですか。今までは伝道に行っても、帰って来る時は頭をうなだれて肩を降ろし、そしてしおれた目をして帰って来ました。人々が皆さんを非常に迫害をするので、皆さんは倒れそうな気持ちがしました。だからそういう皆さんに対して、先生は素敵な言葉で話をしたり、慰めるようなことを話してあげました。しかし、今は時が変わりつつあります。
皆さんが出かけると、多くの人は皆さんを歓迎します。だから、もし皆さんが帰って来た時、先生がまた皆さんを歓迎するとしたら、それは良くありません。皆さんはただそこに立ち止まったままになるでしょう。外からの迫害がなくなり始め、それが途絶える時には、今度は先生が皆さんを迫害する番です。それは本当です。良い指導者というものは、そうするしかありません。先生は皆さんに対して、そのようでなければならないのです。ローマ帝国を見てみなさい。当時ローマ帝国は巨大な帝国で、世界的な影響力を持っていました。しかしどうなったか見てみなさい。彼らは一つのことを忘れました。つまり、彼らの偉大さは世界のためにあるということを忘れたのです。彼らはその偉大さを自分達のものとして保とうと決めました。その時点以降、彼らは衰退し始めたのです。そして最後に彼らは滅びてしまったのです。
もし皆さんがアメリカを見れば、まさに歴史上のローマ帝国と同じ立場にあるということが分かります。神様はこの国に祝福を与えました。この国は普通の国ではありません。ところが不幸なことにアメリカの人々は、それは自分達のためのものだと考えているのです。もしアメリカの人々が、この国の祝福を自分達のためだけに用い続け、世界の他の人々のことを忘れるとすれば、彼らも例外なく滅びるでしょう。第二次大戦以降、もしアメリカに偉大な指導者がいて、人々に対してアメリカの役割は世界のより不幸な国々を助けることであると教えることができたとしたら、今日、世界におけるアメリカの状況は、はるかに異なっていたものとなったことでしょう。一言で言えば、「ヤンキー・ゴー・ホーム」というようなことを言われる国ではなかったでしょう。このスローガンから、アメリカが衰退しつつあることが実感されます。
先生はある国が栄えるか滅びるか、いつそうなるかといった歴史のパターンと秘密を知っています。どうすればこの国が栄えるかということを知っています。ではどのようにして、この国を行くべき方向に行くようにと導くことができるのでしょうか。それは先生が皆さんを導くのと同じような方法です。先生のダンベリーにおける最後の四十三日間に、先生に対する世界の世論は劇的に変化し始めました。しかし、もし先生がそのようなことで皆さんを自己満足させるならば、ローマ帝国と同じ道をたどることになるでしょう。だから今は、この国と世界のために先生が皆さんを追い出さなければならない時なのです。
先生は、皆さんが先生の周りや近くにいたくないと思うほどに追い立てるでしょう。皆さんに対して先生は、ライオンのようになるでしょう。皆さん、それを恐れるのであれば、荷物をまとめて先生の目の届かない所へ行きなさい。他の国のために奉仕しなければならないでしょう。先生は、どうすれば一つの国が栄えるか、また、滅びるかを知っています。これを知っているために、先生はこの国にとって何が良いかが分かっているのです。また、皆さんにとって何が良いかを知っています。他の方法で、どのようにすることができるでしょうか。
万物は回転します。宇宙のすべての法則は、単純にこのようになっているのです。上昇しているものは、また下降しなければなりません。上昇中の人は、しばしばある点まで下がらなければならないことを理解しないことがあります。これが問題であり、危険です。現在の時点において、この国はいずれ先生を歓迎するであろうということを知っています。それゆえに、先生の心はこの国を越えて動いているのです。彼らが先生を歓迎する時には、先生は既に世界の他の所で仕事をしているでしょう。この国が先生を歓迎する時は、先生がこの国を離れる時となるのです。なぜでしょうか。
もし先生がここにいて、彼らの歓迎を楽しみ自己満足するならば、アメリカを助けることはできるかもしれませんが、世界が困難な状態になってしまいます。皆さんは先生を愛して、先生にいつまでも皆さんと共にここにいてほしいと思うかもしれませんが、それは皆さんにとって良いことではありません。皆さんはこの時点で立ち止ってしまうでしょう。だから先生は皆さんにこれだけのことを言うつもりです。「もし皆さんが先生に会いたいのであれば、地球上の一番遠い所へ行きなさい。この地球上の最後の一人が救われるまで、先生と共に最も困難な場所に行きなさい」と。もし皆さんがそれでも先生と共にいたいと思い、先生の行く所はどこにでも行ってそのような仕事をするのであれば、皆さんは決して滅びないでしょう。それがアメリカの人々が繁栄する唯一の道なのです。
多分皆さんは、先生がダンベリーから出て来たら、統一教会をすばらしい環境の所にしてくれるだろうと期待していたかもしれません。しかし、先生は皆さんに対してもっと悪くなりました。皆さん、どう思いますか。それは先生が牢獄にいる間に、強盗とか、そういう悪い人に会ったからですか。先生は彼らの影響を受けて、もっと難しい人間になったのでしょうか。先生が皆さんに言っていることに対してどう思いますか。「自分はお父様がこのような人であるとは決して予想もしなかった」と皆さんは思っていますか。あるいは皆さんは「お父様、どうぞ自分をさらに追い立てて下さい。自分はもっと働きたいと思います」と、自分に言い聞かせていますか。皆さんはここに留まりたいのですか。それとも出ていきたいのですか。
もし皆さんが先生の言葉が好きでないとしても、いずれにしても皆さんを追い立てます。それが嫌な人は自由に出ていったらいいでしょう。それが最も簡単で、最も都合の良い方法です。さて、皆さんはどちらを選びますか。出ていって安易な道を選びますか。それとも留まって困難な道を選びますか。なぜ皆さんは留まりたいと願うのですか。皆さんは気が狂っているに違いありません。しかし、皆さんがなぜ留まりたいと思うかを知っています。皆さんは蕩減という言葉の意味を知っています。皆さんはその蕩減によって、より良い場所に導かれるということを知っているので、困難な道をたどりたいと願っているのです。先生が皆さんにつらいことをさせても、それが皆さんをより良くしてくれるということを知っているので構わないのです。なぜなら、皆さんは、それが三倍も十倍もの蕩減であることを知っています。もし皆さんが先生に追い出されて、そして遠い国へ出かけるとすれば、それが神様の祝福を得る確かな道です。皆さんはそのことを知っているし、先生もそのことを知っています。だから先生は皆さんを追い出すのです。
先生が皆さんを追い出し、最終的に皆さんが戻ってくる時には皆さんを歓迎するでしょう。先生は皆さんのために、たくさんの御馳走を作って、大々的な祝賀会を持つでしょう。そしてその時、先生は皆さんを褒め、皆さんがいかにすばらしいかということを皆に語るでしょう。皆さんの先祖達も皆さんを歓迎し、そしてそれがすべてとなるのです。それが我々の時代となるのです。その時まで、皆さんは蕩減という哲学に従って生きなければなりません。皆さんが今晩なしたことは、「お父様、どうか私を困難な場所へ送ってください。私は実績を持って帰ってくることを約束します」と先生に対して言うことです。