御旨と海 第73話

真の父母と蕩減
1985年 8月 バークレイ


 一年以上、先生に会ったことがない人、手を挙げなさい。皆さんはどこにいたのですか。サンフランシスコですか。皆さん、不思議な人々ですね。(いいえ)いずれにせよ、皆さんに会えてとても嬉しく思います。皆さんはとても若く、皆さんの顔は、まさに花に例えることができるでしょう。春にさく花です。皆さんはすばらしい顔をしています。そして皆さんの前にいるのは一人の老人です。多分、皆さんは先生を必要としないでしょう。(いいえ)そうです、皆さんは先生を必要としません。(いいえ)

 よろしい、では何について話しましょうか。皆さんは生命力のある若者達です。皆さんが先生に話してほしいということがあれば、どんなことでも話をすることができます。実際、先生はそれについていつまでも何カ月でも、話すことができます。先生は楽しいことについても、惨めなことについても、話すことができます。先生は皆が興奮するようなことでも、また犠牲の道で一生懸命働くことについても話すことができます。楽しいことについても悲しいことについても話すことができます。では皆さんは、先生に何について話してほしいと思いますか。(真の愛です)今日は真の愛について話すべきかどうか分かりません。恐らく皆さんの方が、先生に対してそれについて話すべきでしょう。ダンベリーについてはどうでしょうか。それは何か知っていますか。それは何を意味するか知っていますか。それは刑務所です。どのような種類の刑務所ですか。それはアメリカの刑務所です。韓国の刑務所ではありません。なぜ先生はそこへ行かなければならなかったのでしょうか。それはアメリカが、先生を理解しなかったからだと皆さんは言うでしょう。なぜアメリカは先生を理解しなかったのですか。それはアメリカが理解しなかったからではなく、理解しなかったのは皆さんです。メンバーのすべてが理解しなかったのです。先生は一九七八年までに、このアメリカで三万人の人達が教会につながるように計画しました。もし我々がその目標に到達していたら、もっと異なる結果を得ていたでしょう。それだけの数のメンバーがいれば、このアメリカに確固とした基盤を造っていたことでしょう。それがなかったためにアメリカの国民と政府は、我々を低く見たのです。それは誰の過ちでしょうか。アメリカ政府の過ちですか。それともそれは我々の過ちですか。誰の責任であろうと政府は迫害を進めたのです。しかし、皆さんはアメリカ政府に属しているのではないですか。だからもし皆さんが、政府が悪かったと言えば、皆さん全部もまた悪かったということを意味するのです。先生が十三カ月間刑務所にいたという事実は、アメリカの歴史から決して消え去ることはできません。今後、何万年もの間その事実を消し去ることはできません。その裁判の記録はトラック一杯になりますが、アメリカ人が、先生が誰であるかをはっきりと悟る時には、いかにしてこのケースについて説明できるでしょうか。

 皆さん自身の心の中でどう感じますか。皆さんは先生が決して刑務所へ行くべきではなかったと感じますか、それとも、先生はそうすることに値したと思いますか。先生は皆さんの顔からどう感じているかを当てることができます。ではどうしてこのようなことが起こったのでしょうか。一つはこういうことです。政府が先生を恐れていたからです。その理由は何もなかったのですが、彼らは恐れていました。なぜ彼らは先生を恐れなければならなかったのでしょうか。先生は怪物のような角を持っていますか。先生はこの世の怪物のような人物を象徴しているのでしょうか。皆さん、先生を見てみなさい。何も特別変わった所はないでしょう。唯一の違いといえば、皆さんが寒い時に長い袖のシャツを着るけれども、先生は短い袖のシャツを着るだけです。先生はサンフランシスコの、この涼しい夕方を気にしません。しかし先生はそれで変わっているわけではありません。

 先生の年の人々は、六十を越えれば引退のことを考え始めます。しかし先生にとっては仕事はまだ始まったばかりです。先生はいつでも必要ならば出かけていって、戦う用意ができています。皆さんもまた出ていって、それを行う準備ができていますか。統一教会には他の誰も持っていない、信じられないような二つの言葉があります。それは「真の父母」と「蕩減」という言葉です。これら二つの言葉はすばらしいものです。しかしすべての人達が真の父母が好きなわけではありません。そしてまた、もう一つの言葉である蕩減というのも、またあまり好まれません。それは本当です。特にアメリカにおいてはそうです。そうでしょう。皆さんはそのもう一つの言葉が好きですか。(いいえ)それは結構です。誰もその言葉、蕩減を好きな者はいません。先生自身もその言葉は好きではありません。誰も蕩減は好きではありませんが、我々は自分の面前にその言葉を持って、それに向かって歩まなければなりません。なぜ、そうでしょうか。祝福を受けている人達、手を挙げなさい。おー、たくさんいますね。もしそんなにたくさんいるのであれば、もう褒めるようなことは言うべきでないでしょう。もっと厳しい叱るようなことを言うべきでしょう。それは皆さんが聞く必要のあることだからです。

 また先生は、なぜここにいる祝福の女性達の前に立っているのでしょうか。なぜ男性達がこの場所にはいないのでしょうか。先生が最初にここに座った時には、考えてもいなかったことです。先生がアメリカの女性達を好きでないことは、秘密ではありません。それはアメリカの女性達が先生を好きではないからです。そうでしょう。(いいえ)「いいえ」とはどういうことですか。皆さんは、先生が女性に対して民主的ではないし、公平ではないと言って非難します。皆さんはいつも男性を優先すると言って、先生を讒訴します。こういうことで、先生に対して心の中では煮えたぎっているのです。そして今ここに、皆さんの前に先生が座っています。皆さんが知っているように、先生は男性の立場に立っています。だから、先生と一諸になってこのすべての女達を包み込みましょう。しかしそれを力やお金によってなすことができるでしょうか。そうすることはできません。

 話を続けましょう。皆さんが知っているように、私の人生は戦いの人生でした。先生は自分の周りにいる人達から、最も多くの非難と讒訴を受けてきました。歴史上、最も悪し様に言われてきた人間であるかもしれません。先生はあらゆることに対して非難され、これに耐えてきました。皆さん、それを想像できないでしょう。先生のこと、レバレンド・ムーンのことで何も悪いことを言わなかった韓国人は一人もいません。そのような種類の人は一人もいません。しかし先生が彼らに対して何ら悪いことをしたことはありませんでした。先生は他の人の物を奪ったり、呪ったりしたことはありません。しかしながら、先生はいつも呪われ、悪く言われてきました。日本人もまた同じです。先生のこと、レバレンド・ムーンのことについて、何か悪いことを言わなかった日本人は一人もいません。特に日本の共産主義者については、特にこれが言えます。彼らは先生の名前をプラカードに書いて、そして二十年以上も先生に対して反対のデモを行ってきました。彼らはいつも先生に対して何の根拠もなく、事実でないひどいことを言い続けました。

Atsuki Imamura