御旨と海 第72話

漁業の伝統の復興

 一番最初の頃、先生が始めた頃はマグロは一ポンド当たり僅か十セントでした。しかし今や一ポンド当たり四ドル以上となり、さらに一ポンド当たり五ドルとなり、いつの日か、一ポンド当たり十ドルないし二十ドルに到達するでしょう。皆さんはそういう日が来るのを見るでしょう。もし我々がマグロを養殖することができれば、何百人もの漁師がマグロで良い生計を立てることが期待できます。先生はそのようなことが起こるために、文字通り代価を支払って来ました。我々の運動は、基盤をこの水準まで引き上げるために何百万ドルも投資して来ました。実際に我々はそのお金をすべて失ったのです。それはただ、物事をこの点まで引き上げるための単なる犠牲だったのです。

 このような状況の中で搾取していた仲買人達は、この場に来た時には本当に腹を立てました。しかしながら漁師達は別の話を知っており、その多くが我々に関心を持つようになりました。もちろんすべての人達が、何がなされているかということを分かっていたわけではありません。多くの漁師は自分自身の船以外のことはそう見ないものです。しかしある人達は我々を好きになり、毎年来るのを期待しています。

 消費者達はマグロについて知るようになり、大変好きになるでしょう。昨年だけでも価格が一ポンド当たり一ドル二十五セントで始まり、三ドルまで上がりました。バイヤー達はそれに対して腹を立てましたが、皆さんは漁師達がいかに辛い仕事をしているか知っています。彼らは非常に朝早く起きて、そして困難な天候に直面して働くのです。それに対して、仲買人達はそれほど一生懸命働く必要があるでしょうか。ありません。彼らはそのように働いたことは決してないのですが、それでもなお、利益の大部分を持って行ってしまうのです。だから漁師達は、我々のしていることを喜んだのです。そして我々がより高い値で買ったので、他の仲買人達もより高い値で買わなければなりませんでした。彼らは自分達の利益の一部を失いました。不平を言ったのは彼らだけでした。我々は儲けのより多くが、それを釣るために一生懸命働いた人の所に行くように願ったのです。それが我々の動機でした。仲買人達には本来漁師に属するものを奪う権利はないはずです。誰かが来て、そういった状況を正さなければならなかったのです。

 かつて、グロースターは鱈やその他の魚の大きな輸出の町でした。ところが、先生がここへ来た時には状況は非常に悪くなっていました。多くの漁師達は午後になるまで出かけさえもしませんでした。彼らは昼まで起きなかったのです。だから先生は、本来のグロースターの精神を取り戻したいと思ったのです。先生はその状況を変えたいと思ったのです。それで先生は毎朝早く午前四時に出かけるようにしました。そして午前九時までにはマグロを釣って戻って来るようにしたのです。これが契機となって、他の漁師達も朝早く出かけるようになりました。

 彼らが朝四時や五時までには出かけるのを見て、先生は午前二時や三時には出かけ始めました。漁師達の中にそれにも挑戦する者がいたら、マグロの漁場を離れないで一晩中船の中で過ごそうと決心しました。しかし午前二時よりも早く出発する者はいませんでした。すなわち彼らは霊的な意味で諦めたのでした。また彼らは先生よりも大きな船を持っていて、自分達はより高価な装備を持っているのだから、自分達の方が良く釣れると思っていました。しかし我々は、成功をもたらすのは船の大きさではないことを証明しました。成功をもたらすのは人間の精神なのです。我々はそれを証明したのです。

 二、三年魚釣りをした後に、朝の儀式のようなものが起こり始めました。朝早くマグロの引きがあると、皆の目はどの船がアンカーを投げるか、探しに行くようになりました。彼らは赤いアンカー・ボールを探して、どの船が動きだしているのか見るようになりました。ほとんど毎日のごとく、一番最初の船はムーニーの船でした。我々の船の数は他の船の数より少なかったのです。しかしその船の数に比べて、我々は朝一番に最初の魚を捕まえたのです。これが我々自らの努力で打ち立てた伝統なのです。皆さん、これを無視してはいけません。先生は「レバレンド・ムーンが今年は来なかったから、ムーニーの船はいい加減な仕事をしている」と聞きたくありません。先生はそういうことを聞きたくないのです。他の人達は先生が刑務所へ行くがゆえに、我々が落胆しているだろうと思っています。しかし我々は今年、他の年以上に仕事をしないでいられるでしょうか。なぜ今シーズンは今までよりも実績を上げなくても良いのでしょうか。これまで十年間、我々は基準を立てて来ました。さあ、我々はそれ以上の道を行くことができるのです。皆さん、その基準を堅く守れますか。それとも今年は敗北するつもりですか。どうですか。いかにしてその基準を守りますか。皆さんは先生の精神に追い付かなければなりません。何をするにも先生の精神でなしなさい。

 本質はこういうことです。すべての心をそれに投入するということです。神様に語り、またマグロに語りなさい。世界のために神のために、すべての心を尽くして何事も行いなさい。十年間、不正と戦って来ました。我々はこのグロースターと戦って来ました。そして今、我々は勝利を収めつつあります。モーニング・ガーデンも我々に返って来ました。そしてまた漁師達も我々を理解し始めています。市長はグロースターでの初期の頃の、我々に対する不公平な取り扱いに対して詫びました。このようにして我々は勝利を勝ち得たのです。

 我々はアメリカの三つの海岸で戦って来ました。我々がアラバマで鋼鉄の船を造り始めた時に、三千人の人々がやって来て、それに反対してデモを行いました。その時には、その地域には他に三十一の造船所があったのです。しかし今やどうなりましたか。そこで生き残っているのは我々の所だけです。そして我々は、その地域の経済に引き続き貢献しているのです。皆さん、それが信じられますか。我々がそこで仕事を始めてから五、六年にしかなりません。もし我々がそこでやらなかったとするならば、誰もこの危機を乗り切った者はいなかったことでしょう。

 同じことがアラスカでも言えます。我々がやろうとしているすべてのことに対して、人々がやって来て妨害しようとします。しかし彼らはそうすべき何らの本当の理由もないのです。アメリカの至る所から来る報告をすべて聞く先生がどんなものか想像できますか。我々が何か初めて出発しようとする時に来る報告はどれも大変悪いものでした。

 先生はこのアメリカのために非常に多くのエネルギーを投入しました。我々の運動はたくさんの時間とお金を投入しました。世界中からたくさんのお金を集め、それをアメリカに投入しました。先生はしばしばすべてを諦めて、どこか他の場所に投資しようかと考えていたことがあります。しかし神様が真にアメリカを用いたいと願っておられるがゆえに、我々は我慢して来たのです。先生がこの国でなしたすべてのことは、すべて人々の反対の下で始まりました。我々を理解し、我々を助けようとした者はだれもいませんでした。それでもアメリカを引き上げるための基盤を造って来たのです。皆さんはアメリカ人です。皆さんはこの心をすべて受け継ぐのです。誰もが先生に反対したようには、皆さんに反対する者はいないでしょう。

彼らは皆さんを歓迎するでしょう。今から人々は我々の動機をもっとはっきりと理解し始めるでしょう。我々はあらゆる戦いに勝利するでしょう。我々はそのような基盤を持っています。まず皆さんは、皆さんの国を救わなければなりません。次に海の未来を確保しなければなりません。かつて、このグロースターから漁に出る大型船が、少なくとも四十隻ありました。しかし今は僅かです。この国には海に対する希望がありません。我々はこの国に対して希望をもたらしつつあるのです。

 だから皆さんは何事に対しても不平を言ってはなりません。皆さんはすべてのことを相続しつつあるのです。海には偉大なすばらしい将来があります。先生はそのことを知っています。皆さんもそれを信じています。その将来は誰のためのものですか。誰のためですか。我々のためですか。アメリカのためです。皆さんがここへ来たのは指導者ゆえではなく、神様が皆さんを呼んだのです。皆さんは神の召命ゆえにここにいるのです。ここにいることが、いかに特別なことであるかということを皆さんは知らなければなりません。だからここにいることに対して不平を言ってはなりません。

 先生は既にこの路程を耐えて来ました。先生は既に長い、莫大な時間を投じて来ました。自分のためではありません。先生はそれを自分のためにしたのではありません。皆さんのためにしたのです。先生は皆さん達若者が、毎年ここに来るようになるだろうということを知っています。だからアメリカの若者のためにすべてをなしたのです。皆さんはその若者を代表しているのです。皆さんはこういったことを先生から受け取り、相続しなければなりません。もし皆さんが不平を言ったら、先生が皆さんに与えようと思うものを受け取ることはできないでしょう。先生はこのことを心配しています。

 ワン・ホープ号はマグロを捕まえるのに必要なすべての装備を持って造られています。それは皆さんのために造られたのです。先生はこの船を全部必要とはしません。先生は皆さんのことを念頭において設計したのです。皆さんがここへ来る前に何時間も何時間も働いたのです。皆さんはこの路程を行きますか。皆さんは、先生が今年皆さんにして欲しいと思うことをするつもりがありますか。先生が自分自身の汗と涙でもってここに築いた伝統のことを考えてみなさい。毎日船の上で働いて、先生は皆さんのことを考えていたのです。

 先生はすべてを準備するのに十年を費やしました。今から我々は海に出かけて行って、そこにあるすべてのものを相続しなければなりません。それはそこで皆さんを待っています。もし皆さんがこれを得ることができなければ、将来より大きなものを失うことになります。先生は皆さんのために、基準を作ろうと真剣にやって来ました。どうかこのことを忘れないでください。もし皆さんが基盤を作らなかったなら、誰か他の人がやって来て、皆さんからそれを奪ってしまうでしょう。

 先生はそのためにこれらの地域を開拓したのではありません。先生はグロースターとメキシコ海岸とを開拓し、今はアラスカを開拓しています。多くの人達が既に来ましたが、先生の努力について決して考えませんでした。先生は朝早く起きて一日中働いたのです。多くの若者達はこれほど一生懸命には働かないでしょう。もしアメリカ人が先生からこれを受け取らないならば、これを日本人に与えるつもりです。もし日本人がそれを望まないならば、先生はすべてを相続させるために韓国のメンバーを連れて来るつもりです。もし韓国のメンバーがそうしないならば、祝福の子女達をしてこれを相続させるつもりです。分かりますか。この点についてはっきりしましたか。先生が言わんとすることが分かりますか。

 この瞬間から決意しなさい。そしてこの瞬間からプログラムは出発するのです。毎日が将来に向かっての第一歩なのです。神様の祝福がありますように。

Atsuki Imamura