御旨と海 第67話
共に働くことを学ぶ
皆さんをこの夏一緒に連れて来たのには理由があります。皆さんの中の何人かはオーシャン・チャーチのメンバーで、既にこのような訓練を受けています。またその他の人たちは魚を売っていても、魚を捕まえるのがいかに難しいかを知らずにいます。そういう人たちは漁師に簡単に「出て行って、魚を捕れ。私はそれをお前のために売ってやる。」と言いました。しかしこれは正しくありません。魚を売る人たちは、魚を捕ることがいかに難しいかということをも理解しなければなりません。
皆さんが異なった道を行って、一方はただ魚を捕るだけで、もう一方が魚を売るだけであれば、魚を売る方がいつも要求をすることになります。魚を売る人は「私はあなたが捕まえている魚は好きではありません。あなたはこうすべきだ、ああすべきだ」と言うでしょう。もし彼らが魚を捕まえなければならないとしたら、捕まえている人の事情が分かって、そう簡単に捕まえている人を責めたりはできないでしょう。それと同じように、しばしば捕った後の船の上での取り扱いが悪いがゆえに、魚が悪くなっています。いろいろなことで魚がだめになっています。だから魚を捕る人も、売る人も、お互いから学び、共により緊密に働かなければなりません。
アメリカ人は、日本のメンバーとともに働くことから、たくさんのことを学ぶことができます。日本のメンバーは一つ有利な面があります。先生はここ数年間、彼らを綿密に見てきました。アメリカ人が船を管理するとその船は汚いままになります。ところが日本人の船はいつもきれいです。日本人はきれい好きの人が多いと思いませんか。彼らは何でもきちんと整理整頓しておきます。ここに非常に良い証拠があります。ニューヨークの町に行って、五番街に駐車してある車を見てみなさい。その車はたとえ金持ちが所有する車であっても、非常に汚い。ところが、東京ではどの車も真新しいような状態です。東京の町には汚く見える車は一台もありません。このことは日本人全般の性格を物語っているものです。
これらのことは観察です。ですから皆さんも船をきれいに保って、日本人の水準に負けてはいけません。東洋人について言えるもう一つのことは、彼らのお金の使い方が質素であるということです。日本人を見てください、例えばハッピー・グループの日本人を見てください。彼らは背が小さいし、それほど積極的ではありませんが、一人一人はお金の使い方を知っています。皆さんは好まないかもしれませんが、日本人から学ぶことがたくさんあるのです。だから先生は皆さんを一緒に働かせて、お互いに学ばせようとしているのです。西洋のメンバーにとっての第一歩は、東洋のメンバーを観察することです。
もう一つ質問をします。皆さんは先生が好きですか。なぜ皆さんは先生が好きですか。先生は西洋人ではありませんよ。先生の目は皆さんより細くて小さいです。先生の皮膚は白ではなく、褐色です。先生は韓国人です。もし先生が「よし、ではだれか他の人を先生の立場に付けてやろう。さあ、たとえばゲーハートはどうかな。彼は非常にでっかい男だ。彼は背が七フィートもあるし、顔も手も大きい。足は先生の両方の足よりも大きい。だから彼が大きいから、彼を統一教会の責任者にしてやろう」と言ったとしたら、どうですか。それは良い考えだと思いますか。ゲーハートは先生の代わりの立場に立つべきでしょうか。皆さんはそう思いませんか。ではレーガンについてはどうですか。レーガンが先生の代わりの立場に立つべきだと思いますか。彼らは先生の立場において、決してそれをうまく果たすことはできないでしょう。先生には他の人が取って代わることのできない能力があるのです。それと同じように、日本人は西洋人が取って代わることのできない能力を持っています。アメリカの指導者たちと日本の指導者たちとは違っています。困難に直面して、アメリカの指導者たちは引き下がる道を考えがちです。それに対して、日本の指導者たちは決して引き下がることは考えないでしょう。また宗教生活においても、信仰生活においても、日本人たちは皆さんのお兄さんです。彼らは祝福も早く受けたし、また信仰生活も長く追求しているわけです。だから彼らに対して不平を言ってはいけません。
先生は何も日本人をひいきにしているわけではありません。アメリカ人もより良い潜在的な能力を持っているかもしれませんが、日本人は既にそれを証明したのです。先生に正直でありなさい。皆さんはどっちを取りますか。日本人が一度何かをすると決心をすれば、彼らは一生かかってもそれをするのです。もし日本人がある会社に就職すれば、彼らは一生その会社のために奉仕します。日本レストランを経営しているアメリカ人はどうですか。彼が二人のコック、一人はアメリカ人でもう一人は日本人を雇ったとします。そして一年後、アメリカ人のコックは他のレストランからより良いサラリーを示されたら、全く何の悔いもなく、「さよなら」と言って、直ちにそのレストランを辞めてしまうでしょう。ところが日本人はそうしません。日本人は十年、二十年同じレストランに勤めるでしょう。こういうわけでアメリカ人のオーナーは一つの教訓を学んで、日本人を雇おうとするのです。日本人は一度心が何かにつながれば、決してそれから離れることはないのです。皆さんもこのようでなければなりません。先生は皆さんに多くの期待を持っています。だから皆さんを、こうして日本人と一緒に働かせるように連れて来たのです。
さあ、いよいよ今年の夏の訓練が始まります。出かけて行って、海から学びなさい。先生は皆さんが真剣になって、そして特に今年は事故を起こさないように頼みます。マグロ釣りにおいては、もし一週間も二週間も何も釣れないと、皆さんは集中力を失い始めます。そしてかごをけり回ったり、あるいはラインをデッキの上にそのままにしておいても構わなくなります。しかし、マグロは何ら警告なくしてやって来ます。皆さんは、決してラインの上に足を乗せたまま立っていてはいけません。これは非常に危険です。常に自分がどこにいるか、そして船の上のどこで動いているか、注意を払わなければなりません。
船の上ではすべてをきちんと整理整頓しておきなさい。そうすれば事故が起こるのを最小限にしてくれます。もしラインの上に足が引っ掛かったらどうしますか。この点を特に注意しなさい。もしそういう事態になったならば、マグロには構わないようにしなさい。皆さんの安全のためです。皆さんの生命が危険にさらされているのです。今年の夏は、先生は皆さんが危険や事故から、身を守ることを強調しておきます。
皆さんは自分たち自身を木のように組織しなければなりません。十隻ごとに一人のリーダーを置き、三隻ごとが一つとなって三位基台のリーダーを置くようにします。これらの三隻の船は三位基台として、特に一緒にいなければなりません。そしてお互いに注意しあって、助け合わなければなりません。このような組織でいけば、一隻の船も事故に巻き込まれることはありません。互いにお互いの面倒をみなさい。そして三位基台は互いに助け合って、お互いに注意し合いなさい。このようにしてすべての船を、この修練期間中、組織するようにしなさい。
皆さんが主に関心を持たなければならないことは、船が故障を起こさないようにすることです。もし皆さんの船が動かなくなれば、出かけることはできなくなります。そういうことを防ぐためにあらゆることをすべきです。だから我々はこのようにするのです。今日が始まりです。あと三日後には、皆さんは陸での訓練を終えて、海に出かけて行って魚を釣り始めることになります。先生がここに引き続きいるかどうかは、この訓練の中心ではありません。そういうことには関心を払う必要はありません。先生は既にマグロ釣りは十分しました。ですから、それについては良く知っています。先生がここで釣りをするかどうかについては心配する必要はありません。皆さんは毎朝決まった時間に出かけて行くのです。これが我々の伝統です。皆さんはそれに従わなければなりません。先生は今、他の種類の魚、例えばストライプバスとか、平目とかを釣ることを研究しています。後にはハリバットを釣るために、アラスカへ行く予定です。ここで良い記録を出した人は、先生と一緒に行くことができるかもしれません。今シーズンの皆さんの関心は、本当の漁師になることです。船の中で眠り、船の中で食べるようにしなさい。この夏の期間は非常に貴重なものです。これは皆さんにとって、皆さんの一生にとって価値のある訓練です。だから先生は、ただ皆さんがすべての心情と努力を投入してもらいたいと思っているのです。皆さんに神の祝福がありますように。