真の父母経 第148話

7   アジアで、韓国、日本、台湾の三ヵ国を中心として連結してこようとしたのがお父様の作戦でした。それが今や、世界時代に越えていきます。アジアで防ぐことができなかったため、それが世界にまで及ぶのです。これを、第二戦線であるアメリカが防がなければなりません。アメリカで防げなければ、第三戦線はドイツになります。

一九七七年は、一九一七年に共産国家が出発してから六十年がたつ年です。それで、お父様はアメリカに行き、「一九七七年、七八年になれば、アメリカは共産世界の脅威を防ぐことができなくなるだろう」と話しました。

そのようになる前に、統一教会員たちは三年間でそれを準備しょうというのです。三年間準備して完全に防御戦線を拡大することが、お父様の第三次世界巡回の中心的計画でした。

アジアの日本と韓国と台湾に続き、第二防御線を準備しなければならないので、西洋で自由世界を代表する国家を中心として、アダム国家型、エバ国家型、天使長国家型を備えなければなりません。これらの国が、アメリカとイギリスとドイツです。

ですから、今まで韓国が築いてきた基盤を、そこに植えてあげるのです。連結させるのです。今や、父母様が韓国だけに住まなくてもよい時が来ました。第三次世界巡回路程を終えて韓国の地に帰り、責任を果たせば、韓国の(国家レベルの摂理)時代は過ぎていきます。

8   キリスト教は、霊的救いの宗教です。実体を失ってしまいました。今までは僕復帰の歴史、言い換えれば、天使長復帰の歴史だったのです。今までの霊界の役事がそうです。

イエス様は、亡くなって霊界に行っていますが、愛を受けられる息子の使命を担いました。息子になれば、父の家に行かなければならないのですが、父の家に入ることができずに楽園に入っているので、天使長復帰の使命に責任をもってきたのが、キリスト教の霊的救援摂理です。ですから、これから統一教会が霊肉を中心として、イエス様が追われていったとき以上の基準さえつくっておけば、天使長世界は屈服するようになっています。

イエス様が父の家に入れなかったのは、国家基準で勝利できなかったからです。国家基準を抜け出すことができる基準さえ立てば、天使長世界は地上に絶対服従するようになるのです。そのようになれば、霊的アダムを中心とした本然の世界圏が形成されます。その基準を立てるためのものが、第三次世界巡回路程です。

9   統一教会は、霊肉を中心として、国家基準で、いまだにアベル的な勝利の基盤を築くことができていません。しかし、霊的な基準で国家基準と世界基準を見るとき、思想的な面では私たちが先頭に立ちました。私たちの理論は、誰にも負けません。宗教で言えば、統一教会が内外に公認される時が来ました。ですから、外的にはまだですが、内容ではそのようになったというのです。霊的基準で、国家を越えたアベル基準を復帰したというのです。

霊的基準でアベル復帰を完成したので、霊的基準でカイン復帰の完成に向かって出発できるのです。お父様は第三次世界巡回路程で、霊的カイン世界であるキリスト教文化圏に「悔い改めよ、天国は近づいた」と宣布しました。アメリカはカイン国家の代表国なので、その代表国に宣戦布告をしたのです。

昔、イエス様の時代には、霊肉を中心としたアベルの立場を宣布して、イエス様は命を奪われました。したがって、国家に対して霊的な立場で宣布をしたのですが、命を奪われることなく、反対されずに帰ってくるとき、そして、歓迎を受けたという立場に立つときには、肉的復帰の出発時代に入っていくというのです。原理がそうなっています。そのために行ったのが第三次世界巡回路程です。そのようにして帰ってくれば、韓国は肉的復帰の内的基盤がつくられていくというのです。

10  今回、アメリカで大衆集会を開くようになれば、それはお父様の生前において初めてのことになるでしょう。少なくとも、七ヵ都市でこのような集会を行う計画です。各都市で三日間ずつ行い、二十一日かかるでしょう。これは、公的にみ言を宣布する路程の最初の出発です。皆さんは、この計画に対して責任感をもたなければなりません。反対や迫害があるでしょう。また、歓迎する人もいるでしょう。ですから、ラジオと新聞を利用しなさいというのです。そうして、皆さんが各都市の細部計画と日程を立てれば、お父様がみ言を語るでしょう。また、ドイツとイギリスでも集会を開催します。これは、歴史的な事件です。今回が第三次世界巡回なので、お父様が自ら語らなければなりません。お父様は、この日を待ってきたのです。

11  父母様が韓国を出発する時には、霊的基準で既に韓国を越えていたのです。韓国が統一教会の方向に従ってこざるを得ない霊的基準を、既に設定してきたというのです。それは、現政府やキリスト教が、統一教会の活動と行く道を標榜せざるを得ない段階に入ってきたということです。霊的基準では、キリスト教の権威を越えて、国家基準を越える蕩減条件を成就することができました。一九七二年、七三年、七四年の三年路程の期間に、韓国を離れ、民主世界の中心国家であるアメリカを中心として、全世界に連結させなければなりません。キリスト教民主世界について見てみれば、アダム国家型がアメリカであり、エバ国家型がイギリスであり、天使長国家型がドイツです。ですから、霊的な面でこの三ヵ国を連結させる運動のために行ったのが、一九七二年の三ヵ国を中心とした講演会でした。これは、イエス様の当時に、ユダヤ教を中心としてローマまで連結させなければならなかったように、その相対的国家を中心として連結させる、新しい福音宣布の戦争なのです。

12  アメリカの七ヵ都市をはじめ、イギリスとドイツで講演会を開催しました。なぜアメリカで七ヵ都市を選んだのでしょうか。アメリカは世界的主導国なので、世界に影響を与え得るこれらの地域を選ぶことによって、イギリスやドイツにとって一つの基準になるため、そのような作戦をせざるを得ませんでした。これは、どこまでも霊的な運動です。ですから、肉的基準を連結しようとすれば、このようなことを通して、韓国と連結しなければなりません。一九七二年に入り、そのような基盤を中心として私が新たに出発し、日本食口とドイツ食口、そしてイギリス食口たちを動員したのです。アメリカを中心として、アメリカ食口はもちろんのこと、イギリス食口、ドイツ食口、日本食口など、主導的な国家の食口たちが動員されました。お父様が築いたその霊的な一次基盤の上に、一九七二年から七四年まで、全世界の統一教会員たちを連れてきて、この基盤と一致させる運動をしてきたのです。霊的にするのであって、肉的にするのではありません。お父様だけが霊的基盤を築けばよいのではなく、食口たちが相対的に霊的基盤で一つにならなければなりません。

世界宣教の基盤造成

真の父母様は、一九七二年十一月二十一日に韓国を出発し、日本を経由して、二十三日にアメリカに到着された。第四次世界巡回というタイトルで韓国を出発したが、実際には、アメリカに滞在して宣教活動を集中的に展開し、八ヵ月後の一九七三年七月二十二日に帰国された。このときのアメリカ訪問の目的は、世界宣教の基盤造成と世界統一十字軍(国際伝道機動隊)の再教育であった。第三次世界巡回当時に編成された世界統一十字軍の実績を検討し、国家を超越して世界的な舞台で活動ができるように、拡大、改編したのである。また、真のお父様は、一九七二年十一月二十三日から二十六日まで、ニューヨークで開かれた第一回「科学の統一に関する国際会議」において、「世界の道徳啓蒙に対する統一科学の任務」というタイトルで基調演説をされた。

13  お父様は、国家なら国家を中心として、統一の一族であれば統一の一族を中心として、成し得る限界まではすべてやりました。今からは、皆さんがお父様のために生き、み旨のために生きることにおいて、より大きな範囲で責任をもち、全世界的に活動しなければならない時になっていきます。

言い換えれば、今までは皆さんがお父様についていきながら活動してきましたが、これからは、それではいけないのです。反対に、皆さんが(自ら)訪ねていって活動できる立場に立ってこそ、お父様が定着することができます。

今、お父様個人を見れば、いまだに定着できていないのです。環境的にもそうです。父母様の家庭が定着してこそ、祝福を受けた家庭が順番に定着していくのです。祝福を受けた家庭が、すべて定着しなければなりません。そのような基盤が広がり、このような一つの国家さえ成立すれば、世界復帰は短期間のうちに成就されるというのです。

14  皆さん自身が、お父様の使命を引き継ぎ、責任を果たせるかが問題です。お父様が国のために闘い、国のために迫害を受けたのであれば、皆さんは国のために迫害を受けるより、世界のために迫害を受ける覚悟をしてこそ、国が保護を受けられる圏内に立つようになるのです。言い換えると、お父様が個人的に侵犯を受ける問題が生じるようになれば、それを皆さんが世界的に責任をもって防げるか、守れるか、ということが問題になります。

父母様の第三次世界巡回路程と同じように、皆さんも世界に対して巡回路程のような新しい道を、三回以上行かなければなりません。個人的にも行かなければならず、家庭的にも行かなければなりません。父母様の家庭が直面する受難の道や、外的に直面する何かがあるとすれば、そのすべてに責任をもち、サタンから守ろうという決意をもった家庭がなければならないのです。

15  今の世界の国々を見るとき、アメリカも共産党に襲われやすい状況であり、日本も、韓国も、ドイツもそのようになっています。すべて、サタン圏に追われる立場にいるのです。その闘いの標的、目的を失い、いかなる方向に進んでいるのかを、自由主義国家圏では誰も知りません。そのような時が来れば、その時が終末です。

その反面、統一教会は、個人復帰、家庭復帰、氏族復帰、民族復帰、国家復帰、このように復帰の基盤を広げて、条件的には既に世界の横的基盤までつくりました。父母様は、三次の世界巡回路程を中心として、韓国で二十年以上闘って収めたその実績を、そのまま横的に世界に連結させる運動をして帰ってきたのです。

16  私たちは、外的な世界時代に向かって前進しなければなりません。ですから、「死線を越え、命を懸けて行きなさい」と言えば、無条件に行かなければなりません。このようにして、韓国だけでなく、世界的な機動戦線をつくらなければなりません。一つは共産圏であり、一つは民主圏ですが、世界を中心として、このような内外の戦線を守護すべき責任があるので、一九七二年は「統一戦線守護」という目標が出てきたのです。

このようなことを私がアメリカでしょうとするのですが、そこでも、サタンがどれほど反対するか分かりません。アメリカの食口たちに一次、二次と話をし、三次まで話をしても、信じなかったというのです。信じないようになっています。ですから、父母様が自ら先頭に立ち、経費を出してその基盤を築いてあげて帰ってきた路程が、第三次世界巡回路程でした。今度は伝道機動隊を再教育するために行きます。これが第四次世界巡回路程です。再教育をして強い組織をつくり、徐々に世界的な舞台に拡大していくでしょう。

17  お父様は、第三次世界巡回路程中、時間がないにもかかわらず、一週間でアメリカの上院議員十人に会いました。そして、下院議員十五人にも会いました。今や、お父様は有名になりました。「ニューヨーク・タイムズ」と、「ワシントン・ポストIの一面を使って記事が出ました。アメリカの七大都市で復興会をし、リンカーン・センターを借りて、彼らもできないことを今までしてきたので、お父様が「会おう」と言えば、上院議員も好奇心からでも会うようになっているのです。

会って、これからのアメリカの展望について話をしました。また、今後、共産党に引き込まれてはいけないと警告したことが問題になっています。上院議員百人のうち、十人に会ったのですから、十分の一に会ったことになります。その人たちに会って国際情勢について話したため、お父様の言葉は、すべてうわさになるようになっています。ですから、第四次世界巡回中にアメリカに行けば、またどのような影響を及ぼすだろうかと、あらゆる人が注目しています。

大韓民国では、国会議員を一人も門の中に入れず、訪ねていくこともしなかった私が、なぜアメリカでは、そのようなことをしなければならないのでしょうか。それは、今後の作戦のためです。大韓民国が問題ではないというのです。

18  父母様はそう遠くない将来、第四次世界巡回路程に出発するでしょう。これからニューヨークに行けば、一九七二年十一月二十三日に、「科学の統一に関する国際会議」で講演しなければなりません。それは、私が創設しました。世界的に優秀な人々を、韓国に呼び集めなければなりません。そのようにしてこそ、韓国を生かせるのです。統一教会員たちが、今後、世界に行く道も築いておくのです。

世界的な環境ができるのも、そう遠いことではありません。父母様は、世界巡回に出発すれば、何ヵ月間か滞在し、また帰ってくるでしょう。韓国を完全に離れるのではありません。アメリカに早く統一教会の食口をたくさんつくり、韓国人を家庭ごと連れてきて一緒に住みたいと思うような状況にしておけばよいのです。ですから、そのような基盤を造成しなければなりません。

Luke Higuchi