真の父母経 第147話
強行軍の中で世界の食口を激励
真の父母様は、第二次世界巡回の期間を強行軍で歩み、各国の宣教師と食口たちを激励して新たな指針を下さった。特に、第二次世界巡回の期間にアメリカ、ドイツ、日本において、十ヵ国、四十三双の祝福結婚式を主宰された。
9 世界を巡回しながら外国の食口たちに、「願いは何か」と尋ねてみると、皆が「韓国に送ってほしい」と言いました。実際は、父母様が送ってあげるのではなく、自分たちで、自ら来ればいいのですが、来るときは、ただ来るのではなく、条件を備えていなければなりません。その条件とは、韓国語ができなければならないということです。今は英語が世界共通語になっていますが、これから見ていなさい。父母様が生きている間に伝統を立てておけば、今後、世界語は間違いなく韓国語になるでしょう。
第二次世界巡回路程中、ドイツで十一ヵ国の宣教師を集めて会議を行いました。少なくとも一九七〇年四月までには、聖地を選んだ四十ヵ国に宣教師を派遣する計画です。そして、三年後には百二十ヵ国にまで宣教師を派遣するでしょう。今や私たちの時が近づきました。皆さんは、私たちの思想が途方もないものであるという事実を知らなければなりません。また、私たちの民族がこれから世界的に誇り得る民族になることを知り、統一教会に入ったことを誇りに思わなければなりません。
10 世界各地を回るたびに、外国の人たちがお父様にすがって涙を流すのを見るとき、うれしい反面、悲しい心情にもなりました。数多くの人々の中で、彼らが私を慕い、私が行ってしまうといって涙を流すその絆は、どこから出てきたのでしょうか。六千年前から出てきたというのです。
アダムとエバが罪に対して全責任を背負って神様の懐を離れるとき、(絶望の)涙を流していったので、そのときの絶望によって分かれていった人類が、歓喜の希望の中で出会うためには、この地上に涙の海ができなければなりません。そうでなければ、それを蕩減復帰することができないのです。
民族と国家を越え、東洋と西洋の文化を超越し、その方が涙の交差路を行くとき私も行き、その方が死ぬとき私も死ぬという決心をしなければなりません。そうすれば、たとえ自らが滅んでも、自分は勝利者であるということを感じるでしょう。
11 私が数十ヵ国を巡回しながら、数多くの民族に願ったこととは何でしょうか。その人々は、韓国人のことを取るに足らないものと思っていました。それなのに、韓国にいる私という人の何が良くて、従わなければならない運命に置かれているのかというのです。私が願うことは、私に従うのではなく、神様に従うことです。私を愛そうとするなら、神様を愛してから愛しなさいというのです。
このような人々と向き合うとき、私が責任者として、一つ忘れないことがあります。それは、彼らに負債を負っていくのか、負債を負わせていくのかということです。私は絶対に負債を負いません。彼らが夜を徹して精誠を捧げたとするならば、私も夜を徹するというのです。ですから、眠気に襲われ、疲れていても、それが問題ではありません。この国を経てきた数多くの恨多き霊人たちが、私を仰ぎ見ているとすれば、彼らのために悩まなければならないのです。彼らの心情とどのように一致するかが問題です。絶対に負債を負わないというのです。ですから、私が行った国で与えたものに対しては、蕩減しなければなりません。
12 父母様は、第二次世界巡回をしながら、各地にいる私たちの宣教師に指示をしました。そうして「一九六九年六月一日から四ヵ月間は、全世界的に信仰の祖国である韓国のために精誠を捧げなさい」と言ったのです。世界の食口たちが、朝になれば韓国に向かって切実に祈っているというのです。
今回の世界巡回の期間は、父母様にとって本当に大きな闘いの期間でした。疲れも限界に達しました。彼らは数年間、父母様が来るのを心から待ち望み、ようやく会ったのですから、時間制限というものがありませんでした。夜十二時になろうと、一時になろうと、父母様が少しでも長くいてくれることを願う彼らの気持ちが分かるので、それを無視して、疲れたからといって思いどおりに休むことはできませんでした。アメリカから、ドイツをはじめとするヨーロッパ、日本を経て帰ってくるときには、それこそ精神力で持ちこたえることができたのであって、そうでなければ倒れていたでしょう。本当に無理をしました。
13 第二次世界巡回路程中にも、父母様はアメリカと日本とドイツで、多くの人を祝福してあげました。祝福家庭でも他の家庭でも、男性と女性が一緒に暮らすのは同じです。それでは、何が違うのでしょうか。一番貧しい人と一番のお金持ちの人を互いに比較してみると、何が違うのでしょうか。同じように目があり、鼻があり、口があり、耳があるというのです。韓国で一番のお金持ちでも、乞食の服を着せておけば、乞食と変わらないように見えます。乞食ではなくても、乞食の振る舞いをすれば、乞食に見えるというのです。しかし、たとえ乞食の服を着たお金持ちが死んだとしても、世の中の人々は「お金持ちが死んだ」と言うのであって、「乞食が死んだ」とは言いません。
このように、表に現れた姿は同じだとしても、その内容が違うのです。これと同じように、統一教会が違うのも、その内容が違うというのです。神様を中心とした家庭は貴いのです。
第三節 第三次世界巡回
世界的宣教基盤を築いた第三次巡回
真の父母様は、一九七一年十二月五日から七二年五月八日まで、十五ヵ国を対象に第三次世界巡回を行われ、この期間、特にアメリカ、イギリス、ドイツの三ヵ国の主要都市で講演会を主宰された。真の父母様は、アメリカのビザの問題で日本とカナダを経由し、十二月十八日、紆余曲折の末、アメリカに入国したのち、巡回講演をされるなど、目覚ましい活動を展開された。そして、一九七二年三月十六日にイギリスのロンドンに到着し、二十日から二十二日まで巡回講演を行われ、三月二十三日にはドイツのエッセンに到着して、二十八日から三十日まで巡回講演を行われた。三月三十一日、オランダに到着された真の父母様は、フランス、オーストリア、イタリア、ギリシャ、イスラエル、イラン、インド、タイ、台湾、日本などの地を経由して、帰国の途に就かれた。真の父母様は、第三次世界巡回を通してアメリカに滞在しながら、その間、個別的に行われていた宣教活動を組織化し、食口たちを直接、教育することによって、宣教の新しい時代を開かれた。
1 第三次七年路程が一九七五年から出発するので、三年前から基盤を築かなければなりません。その基盤を築くことができなければ、世界的な第三次七年路程で、有効かつ適切な勝利を収めることができないのです。それで、一九七二年から三年間を準備期間に定めたのです。三年の間に、この峠を乗り越えなければなりません。
父母様は、第三次七年路程を通して、大韓民国を世界に連結させる責任を果たさなければならないので、今まで大韓民国で築いた基盤を中心として、一九七二年にアメリカなど、世界の重要な国家に相対的な基盤を築いて帰ってこなければならないのです。その基盤を築くのが第三次世界巡回路程です。
2 一九七〇年、十ヵ国が参加する中、韓国で七百七十七双の祝福結婚式が行われました。それは、第三次世界巡回を準備するためのものでした。また、韓国で築いた基盤をその国々に連結させるためのものであり、その基盤を他の国々に横的に拡大するためのものでした。したがって、この祝福結婚式に参加した人々は、韓国に来なければならなかったのです。
3 お父様は、第三次世界巡回路程において世界的な計画を立てています。今までは韓国のキリスト教を救おうとしましたが、これからは韓国のキリスト教よりも、世界のキリスト教とアメリカを救ってあげなければなりません。ですから、新しい角度に方向を定め、国際的な活動を準備しようと思います。そのようにするためには、相当な資源が必要です。そして、講師たちや若い人々を準備しておかなければなりません。
遠くない将来に、韓国を代表する世界的な復興団が出現する時が来るでしょう。全世界を代表する復興団が世界を歴訪するでしょう。そして、国家を代表する復興団が世界を歴訪できる組織を、遠くない将来につくります。そのようにして、何ヵ国かの復興団が一つのチームとしても活動し、あるいは何ヵ国かにおいて同時に活動する作戦も実施しようと思います。
4 今からは、世界的な基盤を築くための準備をしなければなりません。国内外で統一教会が追われる時は過ぎていきます。私たちが世界に旋風を巻き起こさなければなりません。共産党が新たな整備をして世界進出を夢見るのと同じように、これに備えて天の側も新たに整備し、外的な世界に影響を及ぼしていかなければなりません。ですから、世界本部を建てよと汝矣島の土地を買い、世界的な修練所を造らなければならないので、清平の土地を買うのです。世界的な大学を建てるためにも土地を買いました。外的に備えて世界に進軍しなければならない時になったので、このような準備をしてきたというのです。ですから、今回、世界巡回に出れば、少なくとも四十ヵ国以上に宣教部を設置して帰ってこなければならないという使命を感じています。そして、数年以内に百二十以上の国に宣教部をつくらなければなりません。
5 「六・二五動乱」は、北朝鮮が韓国を打つことによって起きた戦争です。この時、民主世界が韓国を支援し、北朝鮮の侵攻を防いでくれたため、韓国を守ることができたのです。ここには十六ヵ国が参戦したのですが、これは四数に四数を掛けた数です。それでは、なぜ民主世界の代表国家が韓国に来て戦ったのでしょうか。摂理的な次元から見るとき、韓国は彼らの祖国のような立場なので、彼らが祖国光復のために血を流さなければ、民主世界が生き残る道がないからです。それによって、民主世界がお父様を助けてくれたことのようになり、国を助けてくれたことのようになりました。
言い換えれば、お父様が獄中から出てくることができるようにしてくれ、国が滅びるところを助けてくれたので、その両方を助けてくれたのと同じ立場になったというのです。ですから、民主世界が再び福を受ける道が開かれるようになったのです。
今、アメリカも落ちていき、イギリスも落ちていっています。このような時に、私がその恩を返す活動をしているのです。アメリカも引き上げてあげなければならず、イギリスも引き上げてあげなければなりません。統一教会が神霊を中心として、霊的基準において勝利できる完全な内外の基盤を築いたという立場に立ってこそ、霊的民主世界のキリスト教圏を協助しこのように引き上げることができるというのです。統一教会がそのような立場で世界を連結させるためのものが、第三次世界巡回路程です。
6 一九七一年は、第二次七年路程の中間の年です。この年に父母様は、第三次世界巡回をしているのですが、これには大きな意味があります。韓国を出発して日本に行き、カナダに寄つてアメリカに来ました。アメリカに来るまで多くの障害物と闘わなければなりませんでしたが、そのような困難は次第に減っていくでしょう。
カナダは、アメリカに対してエバの立場にあります。カナダはエバの立場にあるイギリスの延長だからです。父母様は、韓国で収めた勝利的な基盤を、日本、カナダ、そして、アメリカに連結させようとしていました。カナダを経由してアメリカに来たのですが、カナダがアメリカに対してエバの立場にあるので、そのようにすることができたのです。
父母様がアメリカにその勝利的基盤を連結させようとしたので、サタンはそれをさせないようにしようと全力を尽くしたのです。ここに来るのに多くの困難があった理由が、そこにあります。また、アメリカの国務省もじっとしてはいませんでした。そのような条件を打破することによって、天が韓国で復帰した勝利の基盤を皆さんが相続できるようになったのです。
アメリカの次は、ドイツに行く予定です。イギリスを経由して行かなければなりません。それが成功すれば、そのような条件はなくなるでしょう。復帰摂理は、公式なくしては成し遂げられません。徹底的に公式に従わなければならないのです。