自叙伝・人類の涙をぬぐう平和の母 第43話
第七章
青春の苦労は明日の太陽です
胸躍る夢に向かって青春を捧げる
今日の若者は多くの傷を抱えています。他の人と比べて自分が劣っており、見せられるものがないと嘆くことが多くあります。そうして、自暴自棄になったり、あきらめてしまったり、他人のせいにしたり、さらには今の時代を恨んだりするのです。しかし、直面している状況が厳しく、困難であればあるほど、自らを省みなければなりません。
青春時代には誘惑も多く、悩みも多く、欲求も多くあります。それらに克つ方法は、志を立てることです。青春時代に志を持つことは、非常に重要です。また、若さはいつまでも続かないということも、知らなければなりません。
胸躍る夢に向かい、自分の青春を何の未練もなく完全に捧げなければなりません。その際、どのような志を持ち、誰と共にその志を果たしていくかが大切です。一日一日、人生を開拓し、能動的に生活することができなければ、悲観と落胆の沼にはまって抜け出すことができません。
ある青年はいつも不平不満をこぼしています。
「努力すればよい、と大人たちは言うけれど……。努力していない人なんていますか?努力してもうまくいかないからさっさとあきらめるんです」
「私は悪くありません。社会が間違っているんだと思います」
悲観的な青年たちの不平不満は、常に自分自身ではなく、他者に向かっています。しかし、社会のせいにする前に、自分は燃え尽きるほど努力したことがあるのか、謙虚に振り返ってみなければなりません。青年が歩むべき道は、不平不満の道ではありません。犠牲と奉仕、愛を実践する、純粋な道でなければなりません。
私は韓国の大学生や青年を正しい道に導くため、大学巡回講演を何度も行いました。特に一九九三年の秋、大学四十力所を巡回して講演をしたのですが、その路程は非常に長く険しいものでした。•いくつかの大学では、反対する学生たちによって校門で追い返されることもありました。しかし、最終的に四十力所すベての大学で講演をして、青年時代の志をどのようにして成し遂げていくのかについて、大学生に話したのです。
また、モスクワ、北京、ワシントンDCなどで青年大学生セミナーを開いたり、韓国と北朝鮮の大学生および教授たちを参加させて互いを理解し、統一を模索する意義深い場を持ったりもしました。
私は何より、人材育成を大切に思っています。未来の指導者を育てるために全世界の情熱的な青年たちを集め、「グローバルトップガン」という名のもと、人類の救いと世界平和に貢献するよう教育しています。
私は聖書に出てくる人物の中で、ヨシュアとカレブが好きです。二人とも名家の出身であり
八十歳を超えても天の前に忠誠を尽くした人物です。特にカレブは、不自由なものなど何一つない恵まれた境遇にありましたが、ョシユアに謙虚に侍って一つとなり、国と民族のために忠誠を尽くしました。私は、グローバルトップガンの人材をョシユアとカレブのように、天の前に精誠を尽くすことのできる人材となるよう育てています。
新羅は国の将来を見据えた上で、指導者を育てました。指導者層の子女たちで構成された「花郎徒」という団体を組織し、国のリーダ—となる人々を育てたのです。「花郎」という言葉には、「花のように美しい若さ」という意味が込められており、「忠節」、および「未来に向けた挑戦」を象徴しています。
花郎徒では、青少年に学問や武術はもちろん、自然の中に入って心を治める術まで教えていました。彼らは階級間の葛藤を調整する役割を果たすとともに、戦に出れば絶対に退かず、最後まで戦い抜いたのです。このような潔く誇らしい花郎徒精神により、新羅は三国を統一することができました。
未来を担う人材を育成するためには、時を逃してはいけません。自分の両親よりもさらに大きく天の前に忠孝を尽くす人になるという覚悟のもと、勉強はもちろん、熱心に信仰生活に励むように導かなければなりません。そこで私は、「天宙平和統一国(天一国)」を建設する未来の人材を育成するため、花郎徒を凌駕する「孝情郎」という名で、特別教育を行っています。
未来の主人は、青少年です。どのような困難が迫ってきても、自分を磨いて必ず勝利し、自
らの置かれた場所で心身の限りを尽くして、天の父母様と歴史に末永く記憶される孝子、孝女、忠臣となる青年を輩出しなければなりません。今、経験している苦労は、明日の揺るぎない礎石になるということを、しつかりと伝えなければならないのです。