イエス様の生涯と愛 第1話
はじめに
文鮮明先生は、世界の宗教界、学界、政界など各界の指導者から、八つの分野について最もよく知るチャンピオンであると言われています。八つの分野とは、以下のとおりです。
(一)神様
(二)サタン(悪魔)
(三)人間
(四)霊界
(五)イエス様
(六)聖書および各宗教の経書の核心内容
(七)人類歴史
(八)真の家庭の価値
本書は、文先生が今日まで語ってこられた説教(『文鮮明先生御言選集』)の中から、イエス様の生涯に関連するみ言を抜粋し、編集した『イエス様の生涯と愛』(二〇〇二年、韓国・成和出版社発行)を翻訳し、整理したものです。
二千年前に人類救済のためにイエス様が、どのような心情と事情の中で歩まれたのかを理解することができるとともに、自分自身があたかもその場にいたような錯覚すら覚えることでしよう。また、聖書に登場するマリヤ、ヨセフ、洗礼ヨハネをはじめとするイエス様の周りの一人一人には、どのような使命があり、どのような責任を果たさなければならなかったかについても明確に記されています。
一般的に、キリスト教の信仰を受け入れることの妨げになっている理由の一つに、マリヤが聖霊によってイエス様を身ごもったことや、イエス様が十字架にかかったとき奇跡が起きずに亡くなられたことが挙げられます。今日まで誰も明確に解くことのできなかったこれらのことについても、文先生は聖書の記述に沿って詳しく述べておられます。
文先生は、一九四一年から二年半、日本に留学されました。その後、再来日されたのは一九六五年一月のことです。約二十一年ぶりに日本の地を踏まれた文先生は、日本統一教会の青年たちに多くのみ言を語られるとともに、教会員と交流の場をもたれました。そのとき、ある青年がイエス様の人物像について質問をしました。
そのとき文先生は、天井を見られてからすぐに下を向かれました。そのときボタボタと水滴が畳に落ちる音がしたのです。それは、イエス様の心情をよく御存じである文先生が、悲しい孤独な道を歩まれたイエス様を思って流された涙でした。
イエス様は、三十三歳で十字架にかかって亡くなられました。一般のキリスト教では、イエス様は十字架で死ぬために来られたというのが定説です。ところが本書で文先生は、イエス様は死ぬために来られたのではなく、結婚し、神様を中心とした家庭を築き、地上天国を創建しなければならなかったと説かれます。それだけでなく、イエス様は十七歳、二十七歳、三十歳のときに結婚したいと家族に告げたと、文先生は語られています。
文先生が解かれた内容は、今までのキリスト教の教理と異なる点があるため、文先生は世界的に迫害の道を余儀なくされました。しかし現在、世界の多くの有識者が文先生の人格と教えと活動に感動し、神様を中心とした世界的な運動と基盤が築かれつつあります。
本書を通じて、神様がイエス様と文先生に託された神様の理想(神様のもとの一つの家族)が、一日も早く、世界に実現されることを祈るものです。
二〇〇九年六月吉日