御旨と海 第61話

新たに始めましょう
1984年 2月 8日 ワールド・ミッション・センター


 先生はオーシャン・チャーチから非常に多くのことを期待していましたが、それらの期待は幾分裏切られてきました。きょう新たに出発し、新しく始めましょう。皆さんはオーシャン・チャーチの基盤を造るということが、この国にとっていかに重大か、理解できずにいます。オーシャン・チャーチがアメリカにとって、いかにすばらしいものであるかを皆さんは知らないでいます。皆さんは海洋摂理における重要な一部分なのです。先生はこのアメリカにおいて造るべき基盤について、何よりも多くいつも考えています。そして、このことを考えることに、自分の時間の大部分を費やしてきました。先生は、われわれがどこから出発して行くべきかを考えてきました。この国ではあまりにも多くのものが無駄になっています。先生はまず、われわれがアメリカでスクラップの金属やひどくさび付いた部品を集めて、それを再生処理すべきだと考えました。われわれはこういったものを回収して、それらを良い目的のために使えるようにしなければなりません。それからまた、非常に多くの紙が使われては捨てられています。そういうものもまた、再生処理することができます。この国ではだれかがそういうことをしなければなりません。しかし、現在のところ、われわれがそのようなプログラムを設立することは非常に難しいでしょう。

 皆さんはどのような生活をしたいと思いますか。今日の世界では、多くの人々は生計を立てるのに安易な方法を探しています。彼らの中には、一晩で財産を作りたいと思っている者もいます。従って、毎日毎日出かけて行って、困難な環境の中で一生懸命働くことは、彼らにとって負担が大き過ぎます。先生はこのことを考えた時に、皆さんの性格をより良く訓練するのみでなく、より良い生活を与えてくれるような場所はないかと探しました。そういう意味において、海における生活こそがわれわれにとってより良い生活の方法です。

 先生は、海に関係がある都市について研究し、アメリカを助ける最も良い方法は、これらの都市を助けることであると悟りました。非常に多くのものがこれらの都市を通して入ってきて、そしてそこから国の中に入っていきます。もしわれわれがこれらの都市を開発し、その都市を奇麗にするならば、この国の次の世紀のための方向性を定めることができるでしょう。この点において沿岸警備隊は非常に重要です。彼らは麻薬の流入から国を守ろうとしています。しかしマフィアは、コカインその他の麻薬を何千ポンドとこの国に密輸しています。もしわれわれが海の生活に入ろうとするならば、この沿岸警備隊に協力して彼らの仕事を助けなければなりません。そのようにしてこの国がその麻薬問題を解決するのを助けると同時に、またアメリカの漁業を助けることすらできるのです。これらの都市が、マフィアの支配の下におさえられるかもしれないという危険性があります。先生がアメリカに来るずっと前に、韓国で先生は海の可能性をいろいろと探求しました。そしてアメリカでは、一九七四年以来、海に対する摂理のための基台を打ち立てようとして来ました。皆さんはどれくらいの間、海にいますか。皆さんの中には一九八〇年から始めた者もいるでしょうし、あるいは八一年から始めた者もいるでしょう。八〇年に皆さんは海に面した多くの都市へ出かけて行って、復興会を通して、それらの都市を復興するようにという指示を与えられました。皆さんはそれらの都市の市長とか、あるいは沿岸警備隊の指導者といった、主要な指導者を招待すべきでした。

 先生はワン・ホープ号を設計しました。その船は強くて高速で走る船です。若者たちは大いにこの船に引き付けられるだろうということを先生は分かっています。この船はそういった若者を念頭において設計されています。先生は若者がこの船を用いて、皆さんとともに仕事をしてくれることを望んでいました。海の都市では若者たちには希望がありません。彼らは何もすることがなくただ街頭でぶらぶらしているだけです。彼らは麻薬によって侵されるままになっています。彼らは魚釣りに出かけるにしても、魚釣りの装備がなく、魚を捕まえたとしてもどうしたら良いか分からずにいます。そして彼らは自分自身に対する誇りも、自尊心を得る方法も、何も持っていません。

 その船はどこにありますか。今なお倉庫に眠ったままです。各海洋都市毎に、少なくとも十隻の船がなければなりません。もし皆さんが、船一隻につき五人の人々でその船とともに学び、船の面倒を見るようにすることができるならば、もっと大きな大洋を走る船を用いることができるようになります。そして五十人の人々の中から、皆さんは船長や乗組員を訓練することができます。もし皆さんが先生の指示通りに海洋都市へ行って、計画通りにしていたなら、今までに強固な基盤を打ち立てることができたでしょう。そして今までに信じられないくらいの勝利を既に経験していたことでしょう。しかしながら、皆さんが何かを達成する前に、まずいかにして霊的基台を達成するかを考えなければなりません。

 先生はまず霊的基盤のことを強調しました。皆さんはまず都市の指導者と一体化し、それから若者を抱きかかえるようにしなければなりません。このように公式に従いさえすれば、成功したでしょう。どのようなことであれ、どんなに難しくても、皆さんはこの町の、この地方の指導者の人たちと友情と信頼を勝ち得るようにしてほしいのです。牧師やあるいは町の指導者たちは非常に重要です。今でさえ、皆さんはこの原理的な道を通過して行かなければなりません。

 地方の若者なくしては皆さんは成功しないでしょう。皆さんは、ただほかのメンバーからの助けを求めるのではいけません。自分自身の心を込めた努力によって、若者から支持を得るようにならなければなりません。皆さんは苦しい戦いを通過しなければなりません。皆さんは正義を代表するためにそこへ行くのです。最初のうち人々は“ムーニー嫌い”という船団を組織するでしょう。しかし皆さんはそういった迫害や人々からの反対が必要です。それは皆さんを清めるための過程であり、それを通して、皆さんが支持を獲得する方法でもあるのです。皆さんが正しいことのために立ち上がっているがゆえに、沿岸警備隊や市長たちが皆さんを支援に来るでしょう。皆さんの船を用いて、麻薬のパトロールを助けるようにしなさい。これは非常に高価な船であり、そのようなすばらしい船が彼らの仕事を助けるのに使われることを知って、沿岸警備隊の人たちは驚くでしょう。皆さんが人々にその船を使わせてあげ、彼らに皆さんの理想を分かち合うようにするならば、皆さんは彼らの尊敬を勝ち得るでしょう。皆さんに対する迫害は、町のことを心配している善良な人々を皆さんに注目させるでしょう。

 先生はそのような完全な基盤を築くために、三年もあれば十分であると信じていました。三年経った後には、皆さんはもっと大きな船を持つことができるだろうと期待していました。そして皆さんのそれぞれの地方の人たちが、先を競ってトロール船の操作方法を、皆さんに学びに来るようになることを期待していました。そうすればどうなっていたでしょうか。そうすれば、皆さんはそのプログラムに対する援助を、政府から得ることができたことでしょう。そして皆さんはその町や沿岸の地域のために船団を作ることもできたでしょう。理論的には五十人の船長たちを訓練することができたことでしょう。そしてその沿岸の地域が全く新しい漁船団を創設することができたことでしょう。

 市長や沿岸警備隊が皆さんを推薦し、そして政府はそれらの人たちの推薦に基づいて、皆さんを援助したことでしょう。皆さんの目的はこのアメリカにおいて漁業を助けることでなければなりません。このアメリカの魚業を行う人たちの目的は、皆さんなくしては達成できないのです。このような関係を築くことが極めて大切です。沿岸警備隊や地方の指導者たちの援助を受けることによって、海洋の摂理が成功し、アメリカにおいて強力な仕事となることは疑いありません。ところが、皆さんの誰一人としてこのような先生の期待に応えた人はいませんでした。皆さんの誰一人として市長と仲良くなったり、沿岸警備隊と関係を結んだ人はいません。一人もいません。

Atsuki Imamura