御旨と海 第79話
海は将来のための我々の基盤
サンフランシスコのここへ来てから、先生はこの家で非常に多くの御馳走を出されているので、全部食べるのが大変でした。刑務所では、食べる時になると食べたいと思わなくても食べなければなりませんでした。そこにいる者はそこのスケジュールに従わさせられます。ところが、ここサンフランシスコでは、一日のいつでも食べ物が出されました。
いずれにしても、これまで先生の話を聞いて、皆さんはどんな印象を持ちましたか。先生がそれでもなお、統一教会のメンバーを愛していると思いますか。多分そうではないでしょう。先生はこの「多分(maybe)という言葉は、刑務所にいる時に非常に役に立つということが分かりました。「はい(Yes)」言いたい時も「多分」と言いました。また「いいえ(No)」と言いたい時にも「多分」と言いました。これは非常に便利な言葉です。刑務所にいる間、先生は刑務所の制度を詳しく研究しましたが、とてもその制度を尊敬することができませんでした。それを注意深く見た後に、先生はその制度は本当の目的には役立っていないと結論しました。なぜならば、その制度は大変多くの時間を浪費し、受刑者の間に、政府に対する復讐の思いを起こさせているだけだからです。そのようなことでは良くありません。
受刑者の中の多くの人達が、外へ出る時に、先生に電話したり先生を訪ねることを望みました。彼らの多くが、そうしても良いかと先生に訪ねてきました。先生は「イエス」ということはできませんでした。なぜなら、彼らは先生の生活とか仕事をそれほど良く理解していないからです。しかしまた「ノー」と言うこともできませんでした。なぜならば、彼らの心を傷つけたくなかったからです。そこで先生は「メイビー」と言わざるを得ませんでした。なぜ先生がそうしたか、皆さんは分かるでしょう。しかし皆さんに対しては、そのような「メイビー」と言うことはありません。先生は「メイビー」という言葉は好きではありません。また皆さんも、そのような言葉を好きであってはなりません。我々の生活においては「イエス」、または「ノー」であるべきです。我々は明確でなければなりません。だから皆さんは「イエス」という人間であるか、あるいは「ノー」という人間であるかの、どちからでなければならないということを理解しましたね。「メイビ」という人間であってはいけないのです。
皆さんに会うことは本当に良いことです。しかし、ここは段々寒くなってきました。場所を変えませんか。ここにいると少し寒すぎるから中に入りましょう。皆さんはここに先生と共にいます。では一緒にべることも良いことだと思います。しかも先生は生の魚、寿司を食べるつもりです。皆さんは寿司を食べたくないでしょう。ちょっと聞きますが、皆さんは寿司や生の魚を食べますか、それとも売りますか。我々の運動の中では、今やオーシャン・チャーチというのがありますね。我々がそのプロジェクトを始めたのはいつですか。もうすぐ五年になります。皆さん、統一食口達がどの仕事を一番好まないか知っていますか。妻達は夫達に対して「オーシャン・チャーチへは行ってはいけませんよ。そこの人達は寿司を食べなければいけないし、私はそれが好きではないからです」と言います。先生は、そんなことを言う女達は好きではありません。
皆さんはオーシャン・チャーチの基盤がどのようにして造られたかを知っていますか。先生がその基盤を造ったのです。先生はそれを自分でしなければなりませんでした。最初のうちは、先生は全く一人でした。今は、我々は海老やロブスター、ハリバットを捕まえています。多くのアメリカ人がそのようなシー・フードを好んでいます。先生はそれを知っていましたから、先生が一人であらゆることを開拓し、開発したのです。それから食口達を説得しなければなりませんでした。先生は多くの食口達が過去五年間の内に、オーシャン・チャーチから逃げ出すのを目撃しました。しかし、先生はそれを続けたのです。今や我々は、カナダでロブスターの養殖をしており、またアラスカでもフィッシングをしており、アラバマでも海老を捕っています。東海岸でも漁業を発展させています。誰もこの仕事をしたいと思った者はいませんでした。こういう仕事は、誰も好きではありませんでした。この基盤を造るため大 たった一人で先生は働きました。
アラスカには自動的に魚を加工するシステムを持っています。このようなシステムがなかったならば、それを経営するには余りにもお金がかかり過ぎたでしょう。先生はそのための計画を立てなければなりませんでした。工場をどのような段取りにするかの設計もしなければなりませんでした。最初のうちは、誰もそれに興味を持ちませんでした。先生は、どれくらいの魚を一度に取り扱うことができるかを考えなければなりませんでした。そしてあらゆる細かいことを考えなければなりませんでした。自動制御システムを設立するために、我々は大きな赤字を出しました。しかしそのような投資をすれば、いつの日か、事業に成功するであろうということを先生は知っていました。
シアトルでは、我々はどんな種類の魚からでも、擦り身を作ることのできる工場を造らなければなりません。そのような種類の工場があれば、どんな種類のシー・フードも作ることができます。そういう種類の基盤は非常に重要です。最初のうち、先生はこのプロジェクトに自分自身で取り組まねばなりませんでした。今や、皆さんはこのことを理解するようになり、それを相続することができます。だから先生は、皆さんに両方の手で生きた魚をつかみなさいと言っているのです。それは、皆さんか熱意をもってその摂理をつかむということです。そのことに心を興奮させなさい。なぜならば、それは味もとても良いし、健康にもとても良いからです。
それは本当です。動物の肉は、いつも食べる物としては必ずしも最善のものではありません。医者達がこの点を証明しつつあります。彼らは人々にもっと魚を食べるようにと言っています。健康のためにアメリカ人はもっと魚を食べるべきです。そういう理由で、我々は日本レストランを作り、また新鮮な魚を配達する制度を作らなければなりません。ムーニーがこういう仕事をしていることに、多くの人は腹を立てるかもしれません。しかし我々はこのような努力によって、漁業を救いつつあるのです。彼らもそれを理解するようになるでしょう。
皆さん、グロースターについて知っていますね。先生が初めてそこに行った時には、マグロの値段は一ポンド当たり十セント以下でした。今やマグロは一ポンド四ドル五十セント以上です。先生がそれに参入した時、マグロの買い付けをしている人々は先生に反対する声を上げました。しかし先生は気にしませんでした。それは良いことだからです。先生も自分の声を高くして、そういう仲買人が漁師を搾取しているということを言いました。それは本当なのです。そこで漁師達は先生の本当の動機を理解し始めたのです。
その後しばらくして、先生がニュー・ホープ号に乗って出かけると、無線を通して「レバレンド・ムーン、私はあなたが嫌いではありません。良い一日でありますように」と呼びかけてくるのを何度も聞きました。それは本当です。漁師達は余り多くのお金を稼いではいないのです。彼らは惨めな立場にいます。海に出ていく費用について考えてみてください。海の町は惨めな状況にあります。なぜですか。それは若者達がそういう町から逃げてしまって、内陸へ移動しているからです。彼らは海で仕事をしても、余りお金を稼ぐことができないのです。彼らも一度やってみたかもしれませんが、海に出かけていって、嵐に巻き込まれたりしました。それは惨めな経験であり、多くの人々はそういうことは繰り返したくないのです。特に彼らにとって益となることがない場合にはなおさらです。若者達はそういう町を離れて、もっと容易な仕事を陸地で探そうとしています。青年は将来を象徴します。それは単純なことです。これらの海の町にとってみれば、そこの人々はいずれは衰退し滅びるであろうということです。彼らにとって、それは深刻な問題です。先生はこのことを考え、どうしたら若者をこれらの町に引き戻し、海の生活に引き戻すことができるかということを考えました。これが先生がマグロ釣りを選んだ理由です。アメリカの若者がマグロを釣る経験を持てば、彼はその時の経験を決して忘れないでしょう。一度、二度とそのような経験を持てば、もはや若者は海から逃れることができません。海におけるそのような経験に心を奪われてしまいます。だから先生は、若者に夏中海に出かけてもらいたいのです。そして彼らに、こういうすばらしい経験をしてもらいたいと思うのです。先生はすべての多くの漁業の町を訪ねてみました。漁師達は自分の捕まえた魚について自慢するのが好きです。彼らはお互いに「自分はこんな種類のストライプバスを捕まえて、それはこれ位の重さがあったのだ。自分がハリバットを捕まえて、これのために二十分間も戦った。それはこれ位の重さがあったんだ」ということをお互いに話します。彼らはお互いに話して非常にやかましいのです。
しかし、そういう所へある若者歩いていって、自分の捕まえたブルー・フィンのマグロの写真を見せ、静かに「これはたった千ポンドの重さでした」と言ったとすれば、彼らは気違いのようになります。彼らはそれを信じないでしょう。彼らはその若者の口を開けて見て、「本当かな」と思うでしょう。若者はこういう瞬間の誇りというものを持ちたいでしょう。先生は若者がこういう種類の誇りを感じてほしいと思います。
多くの漁師は、彼らが魚を釣る場所を他の誰にも決して言いません。しかしそのようなマグロを釣った後に、皆さんが一緒に漁をしようと彼らを招待すれば、彼らはやってくるでしょう。そうすれば、彼らは皆さんに彼らの漁をす場所を見せて、そしてどうやって異なった種類の魚を釣るかを教えたいと思うでしょう。そうでしょう。もちろん、そうです。人々はそういうものです。もし、皆さんが美しい船を持っていて、彼らに一緒に漁をしようと招待すれば、彼らは皆さんの友達となるでしょう。小さな町でもし皆さんがワン・ホープ号のような美しい船を持っていて、人々に皆さんがそれを造るのを手伝ったんだと言えば、彼らは皆さんを自動的に尊敬するようになるでしょう。皆さんはワン・ホープ号についてはそれほど知らないかもしれませんが、それを見れば、それがいかなる種類の船であるかが分かるでしょう。先生はいろいろな異なった種類の魚釣りをしました。そしていろいろな異なった漁場を研究しました。それから、先生の頭はそれほど悪くありません。実際、先生はかなり頭の良い人間です。先生はこんな細かいことが分かり、それを連結することができます。
そのような考えで、先生はワン・ホープ号を開発し、設計しました。この西海岸にいるメンバーの皆さんは、ワン・ホープ号を見たことがありますか。皆さんの多くはまだ見たことがないのですね。それでは皆さんは都会の子供ではなくて、田舎の子供のようなものです。皆さんは現在起こっていることを何も知らないからです。皆さんはそのことを見つけて、他のメンバーに追い付かなければなりません。
先生はその船を設計し、その船の経験からどんな種類の船も造ることができます。先生はもっともっと大きな船を設計する方法を学びました。だから今や、先生にとって問題になるような船は一つもありません。我々はいかなる種類の船も造ることができます。ということは、またいかなる種類の魚をも釣ることができるということです。我々はこうでなければなりません。もし我々がいかなる種類の魚でも釣ることができるとすれば、我々はどんな魚でも売ることができるということです。ニューヨーク市には、巨大で有名な卸売りの組織があり、そこでは世界中の魚を売っています。ここに来た日本のメンバー達の多くが非常に一生懸命働きました。彼らは誰のためにそんなに一生懸命働いたのでしょうか。彼らはアメリカのために、そして皆さんのために一生懸命働いたのです。この国が彼らを迫害し、ムーニーを迫害するというのは悲しいことです。皆さんはそれについて心の中で深く感じなければなりません。さもなければ、誰がこのような状況を変えるのですか。
先生は皆さんがどういう状況を通過しているか良く知っています。皆さんは先生が持っているような責任は持っていません。先生は統一教会の指導者であり、先生の関心は皆さんのための基盤をいかに造るかということです。いわば、先生は皆さんが住む家を準備するために、地下に下りていっているようなものです。