父の祈り 第20話

心情を通した父子の因縁を許諾してください

お父様!
私たちに、「私」を中心としたある主義主張や
自分が感じている意識的な観念があるとするなら、
このすべてを除去させてください。

再び創造されなければならない運命に置かれている私たちであり、
復帰の恨みを晴らすことができない私たちでありますので、
堂々と天のみ前に
主張できる何かをもったと言おうとも、
それがお父様のみ前には
何の条件にも対象にもならないということを知りました。
私たちがいくら天のみ前に自分を弁明し、
自分の困難を申し立てるとしても、
お父様の無限のご苦労の前には
比較できない、物悲しく哀れな私たちの姿であることを
知っています。

今、「私」は自ら「私」になったのではなく、
「私」が「私」でないことを知ったとするなら、
「私」が「私」となれるようにした本然のそれ自体を慕いながら、
本然の心の中に「私」が染み込み、
本然の主人公のみ前に頭を下げることができるよう
お許しください。

万宇宙の絶対的な主人公がいるということを
心は知っています。
またそれが
私たちの行動一切を制御していることを知るとき、
これは無目的的な因縁の中でそうなっているのではなく、
絶対的な目的によって
制限された環境の路程を
経ていくべき運命に置かれた自分たちであることを、
心で感じることのできる息子・娘になるようお許しください。

今、お父様の栄光の宝座を心で慕いながら、
お父様のみ前に集まりましたが、
この者たちの心がどこに流れていき、
この者たちの心がどこに向かって動いているのか
分からずにいますので、
お父様、
願わくは、本然の私たち自身が
天と共に喜ぶことのできる方向に
導いてください。

私たちの面目ない顔と面目ない視線であるとしても、
お父様の心情が慕わしくて
お父様を見つめることができ、
お父様のみ前に頭を下げることのできる
この時間となるよう許諾してくださいまして、
不足なる手であっても差し出すならば、
その手をお父様がつかんでくださるという、
約束のこのひと時になりますよう
切にお願い申し上げます。

ひとえにお父様の心情をつかみ、
お父様と同居することのできるその一つの約束、
その一つの生活的な事実だけを願うものです。
そのようなことが、
永遠に永遠に誇ることのできる
栄光の標的になることを願いながら、
私たちがお父様のみ前にひれ伏しましたので、
この日私たちに足らない何かがあるとしても、
お父様、
受け入れてください。

立てようとなさる心情をお立てになり、
お父様と私たちに
切ることのできない父子の因縁を結んでくださいますことを
心からお願い申し上げながら、
すべてを主のみ名によってお祈り申し上げました。アーメン。

(一九五九・八・九)

Atsuki Imamura