真の父母経 第251話




第四節   韓国の「世界日報」

創刊目標と理念

真の父母様は、一九八九年二月一日、韓国のソウルで総合日刊紙「世界日報」を創刊された。「世界日報」は、「愛天・愛人・愛国」を社是に、「祖国統一の正論、民族の気概の発揚、道義世界の具現」を理念に掲げ、保守正論新聞としての地位を確立した。また、「世界日報」は創刊以降、世界の主要地域に特派員と通信員を置くなど、国際的ネットワークの構築を通して、国際ニュースに強い側面を見せてきた。

1   「宗教指導者が何ゆえに莫大な資金を投入して言論事業に力を注ぐのか。その本当の動機は何なのか」などと気にかけている人々が多くいます。それに対する答えを一言で要約すれば、今日の世界が平和か戦争かを決定するのに、言論の責任があまりにも重大であることを、私がよく知っているからです。

二十世紀の後半は、言論によって支配されている時代です。ですから、言論の力と責務が、原子爆弾や軍事力よりさらに大きくなっています。したがって、言論が一貫した真の価値観に立脚して正論を展開するとき、その言論は世界平和の旗手になり、無責任と誤導と扇動によって国民を幻惑するとき、その言論は世界平和を破滅させる道具になるでしょう。

2   私は、韓国を宗主国とし、世界百六十ヵ国に宣教基盤をもっている統一教会の創始者です。宗教指導者である私が、宗主国の韓国で総合日刊紙「世界日報」を創刊したのは、私たち人類すべてが理想とする平和と自由、そして、神様の創造理想が実現した、真の愛が花咲く人類共栄の世界を建設するために、言論の役割が必要不可欠であることをよく知っているからです。

3   「世界日報」が、産声を上げてこの地に誕生しました。「世界日報」は、自由言論の表象であり、責任言論の鑑になることを闡明して、皆さんの前に現れました。「世界日報」は、正義には多くの涙を流し、不義には赦しがないでしょう。「世界日報」は政党を超越し、ある特定の宗派のために存在するのではなく、国民と国家と世界のために、血と汗を惜しまないでしょう。

一言で言えば、「世界日報」は韓民族の矜持であり、世界の人々の誇りになるでしょう。「世界日報」は、アメリカの「ワシントン・タイムズ」と共に、東西にそびえ立つ真理の灯台となって、真実と偽りを明確に区分する知性紙、真の自由民主主義の灯火(ともしび)となるでしょう。「世界日報」は、正に皆さんの新聞です。皆さんの声であり、皆さんの代弁紙です。「世界日報」はすなわち、皆さんの良心宣言なのです。

4   統一教会は、神様の摂理を立てようとするところです。人類を救おうとするところです。私たちは新聞を作りますが、統一教会の機関紙を作るのではなく、神様のみ旨における機関紙を作ると考えなければなりません。神様のみ旨を中心とした摂理史的機関紙だと考えなさいというのです。統一教会の機関紙として考えてはいけないというのです。そのような観点をもってはいけません。ですから、毎日のように教育しなければなりません。み旨は、世界的なみ旨であって、統一教会の中のみ旨ではありません。これは、神様のみ旨です。

5   「世界日報」が私の話を聞けば、早く発展するでしょう。今まで言論人たちがもってきた、「言論人はこうでなければならない」という習慣性は、絶対的なものではありません。知識のために絶対性があるのではないというのです。今後、「世界日報」が発展するためには、どのようにすべきでしょうか。発展の根本動機とは何でしょうか。団結しなければならないというのです。上から下まで団結しなければなりません。

「世界日報」は、誰の会社でしょうか。自分の会社です。共通分母は何でしょうか。国を生かすことが共通分母です。国を生かすための自分の会社だというのです。ですから、職員たちは、愛国者たちが国のために一つになった以上に、ここで一つにならなければなりません。国と人類を中心として、そのようにならなければなりません。そうすればすべて終わるのです。

6   私が「世界日報」を創刊した目的は、会社の理念で明らかにしたとおり、「祖国統一の正論、民族の気概の発揚、道義世界の具現」にあります。これは、国家的立場から、誰もが願わざるを得ない内容です。さらには、人類文化史的な観点から、「世界統一の正論、人類の気概の発揚、平和的道義世界の具現」となるでしょう。私は天意に従って、国家と世界が平和世界になるように努力してきました。

7   食口たちが早朝三時、四時に新聞を持って家々を回りながら、大韓民国統一のために祈っています。そうでない食口は、(それぞれの立場で)先頭に立って、彼らに手本を見せてあげなければなりません。新聞によってたたかれ、新聞で損害を被った恨をもつお父様であることを知らなければなりません。「世界日報」の理念を見てください。お金を稼ぐために造ったのではありません。お金を奪い取って稼いでいる人たちをこらしめようと思います。歴史の伝統と未来の希望の行路には、このような誤ったすべてのものを清算してこそ、進めるようになっています。そのようにしなければ、連結されません。

世界の問題を早く解決しなければならない責任が、私たちにあります。そのようにすることによって、皆さんの生きる道を模索するのです。

8   私たちは、「世界日報」を越えて、大韓民国の言論界で社会の道義的な面を鼓舞し、未来の世界に希望を懸けた民族精神を見つめて、道義の刀を振るうことができる人にならなければなりません。

言論人として、正義の筆を手にすれば、刀よりも恐ろしいのです。刀で勝敗を競えば、敗者と勝者が早く決定しますが、文章はそうではありません。甲論乙駁(こうろんおつばく)して、何世紀も、何千年も正否を判断できないのです。ですから、皆さんは出発から終わりまで、はっきりとした姿勢で、責任的立場、深刻な立場に立って文章を書かなければならないというのです。「世界日報」の職員たちは、内外を一つに合わせるために、深刻な人々にならなければなりません。

9   南北統一をしようとすれば、隠れた人材が必要です。新聞を出すのは簡単なことではありませんが、民族を代表する新聞社を造らなければなりません。南北を統一しようとすれば、新聞社がなければならないのです。これから各市と道に月刊誌を作ろうと考えています。それで、今その準備をしています。この国をこのまま放っておいてはいけません。

私が千辛万苦の末に、これほどの基盤を築いてきたのは、天理を仰いできたからです。ですから、私はただそのまま歩んでいくことができません。南北統一に向けた正論紙として創刊された「世界日報」を、皆さんがいる村ごとに普及させなければならないというのです。商売をするための新聞ではありません。お金のために闘う新聞ではないのです。

10  韓国統一ができる雰囲気をつくらなければなりません。津々浦々、家ごとに出入りしなければならないのです。「世界日報」という新聞を持って、そのようにしなければなりません。「世界日報」を持っていく人は、天宙日報の主人です。愛の日報を持っていくのです。愛の安息所に運んであげるための天の国の使者たちです。そのような意味で、門前で迫害を受けても、沈黙しなさいというのです。口を開いてけんかをするようになれば、その次は(そこに再び)行くことができません。沈黙して自分の使命を果たすために一〇〇パーセント以上投入すれば、真の愛のひもは次第に太くなって縄になり、縄が集まって縄の束になります。このようにすることによって、韓半島は韓民族の始祖が成し遂げられなかった本郷になるのです。したがって、沈黙し、忍耐しながら、黙々と前進しなければなりません。そこから、み旨は自動的に完成するでしょう。

Luke Higuchi