真の父母経 第333話

第一章  「世界平和統一家庭連合」の創立

第一節   「世界平和統一家庭連合」の創立とその背景

創立の背景と意義

真の父母様は、一九九四年五月一日、韓国の「世界基督教統一神霊協会」の創立四十周年を迎えて「家庭盟誓」を宣布され、続いて十月九日、「世界平和統一家庭連合」を結成すると発表された。一九九六年七月三十日には、アメリカのワシントンDCで「世界平和統一家庭連合」創立大会を開催された。そして、一九九七年四月十日から、「世界基督教統一神霊協会」を「世界平和統一家庭連合」へと名称変更することを指示された。創造本然の理想世界は、宗教を基盤とするのではなく、理想家庭を通して成し遂げられることを闡明(せんめい)されたのである。

1  「世界平和統一家庭連合」の創立は、アダム家庭で失敗した母と息子、娘を糾合し、祝福の位置に導くためのものです。祝福の家庭的時代を中心として、これから氏族的時代、親族時代に越えていくのです。「世界基督教統一神霊協会」の時代は、アダム家庭を復帰してくるための時代でした。そうして、アダム家庭を一元化して、宗親連合を求めていくのであり、宗親連合が連結されれば、国家連合を求めていくのであり、国家連合は世界連合を求めていくのです。そのような大転換期に入ったので、統一教会はなくなり、「世界平和統一家庭連合」に転換するのです。

2   今の時代は、統一教会が個人を収拾し、家庭、氏族、民族、国家を収拾する時です。一つの国を収拾すればよいのです。それが国連国です。私たちが国連機関を収拾すれば、すべて終わるのです。韓国の南北統一も重要であり、アダム・エバ国家が一つになることも重要ですが、そのような時代はすべて過ぎ去ります。

「真の父母と成約時代安着」という言葉を語るのは、世界のどこに行っても反対できない本然のアダム家庭が、世界的代表家庭として登場したからです。それによって、父母様の家庭を主体として横的に一つになる運動を起こすことができるからです。一時に地上で個人、家庭、氏族、民族、国家を編成することによって、堕落していない本然の天国が実現されるのです。

アダム家庭が失敗したことを、イエス様が国家的基準で成し遂げようとして失敗することによって、世界的に延長されました。ですから、再臨時代に真の父母様が来て、偽りの父母から拡大した世界を、真の父母の門を通るようにするのです。今まで蕩減条件を通してサタンを除去したので、この門を通して、反対に家庭を編成できる段階に入っていくのです。家庭さえ編成すれば、氏族、民族、国家、世界の編成は、一時に自動的に成し遂げられるようになります。そのような時だというのです。協会創立四十周年を越えたので、「世界平和統一家庭連合」を創立するのです。

3   「世界基督教統一神霊協会」がなくなったことを寂しいと思うのではなく、「世界平和統一家庭連合」ができたことをたたえなければなりません。今までは個人救援でしたが、これからは、家庭救援から親族救援と国家救援が成就するようになります。これは必然的な結果であると言わざるを得ません。私たちは、家庭教会時代である成約時代に入ってきました。旧約時代と新約時代は、家庭がありませんでした。ですから、家庭連合が必要なのです。高次元の宗教です。

家庭基盤が全世界人類に連結され、自動的に氏族的家庭教会、国家的家庭教会、世界的家庭教会へと大きくなりました。天国、理想家庭がここにあります。理想氏族、理想国家、理想世界、理想天宙、神様の創造理想が地上と天上で完成したのです。すべて終わりました。ついに神様まで解放されたのです。

4   小さなことから始めたとしても、天的に締めくくらなければなりません。そのようになれば、過ぎ去っていっても、損害になることはないのです。これまで「世界平和連合」と「世界平和宗教連合」、そして、「世界平和女性連合」を立てたのですが、これらの組織を編成して「世界平和統一家庭連合」に進むのです。そのようになれば、その家庭の息子、娘まで付いてきます。家庭をモデルとして、愛を中心として全体を着陸させるのです。そうして、創造理想的な定着地として、男性が定着でき、女性が定着できる定着地をつくらなければなりません。

子女たちが経ていくことのできる基盤を築いておくことによって、あらゆる闘争歴史の原理的な道を経ていきました。今まで、万民が渡るべき数多くの橋を前にして道を築いてくることによって、家庭が自然に顕現できる目的地に行って、帰着せざるを得なくなったのです。

5   「世界基督教統一神霊協会」から「基督教」を抜いてしまい、「世界平和統一家庭連合」をつくりました。旧約と新約を中心としてこそ、成約が成立します。イエス時代に完成できなかったことを、再臨主がこの地に来て、再び型をすべて整え、旧約時代と新約時代を中心にサタンが讒訴できない条件をつくっておき、その上で成約時代が出発しなければならないからです。キリスト教が反対する中で、それでも仕方なく、キリスト教を背負って歩んでこざるを得ませんでした。

6   アダムとエバが堕落する前は、その体も神様のものであり、愛も神様のものであり、所有も神様のものでした。心情圏も、今後、天を中心としてもつようになっています。したがって皆さんは、結婚する前に、血統復帰、所有権復帰、心情圏復帰をしなければなりません。そのようにしたあとに、結婚するのが原則です。

それを今から四十年前に話したとすれば、「文総裁は洗いざらい、丸ごとのみ込もうとする」などのうわさが立つので、今まで保留にしていたのです。それで、家庭連合をつくることができませんでした。今では世界が信じることができ、何を話しても理解できるようになったので、家庭連合を通してこれをすべて譲り渡そうと思うのです。ですから、「世界平和統一家庭連合」をつくらなければならないということを知らなければなりません。

祝福家庭のすべての人は、家庭連合要員にならなければならないのです。「家庭盟誓」に引っ掛からないよう、もう一度姿勢を正さなければなりません。それは、父母様もできず、神様もできません。皆さん夫婦、それぞれの責任です。アダムとエバの家庭自体を収拾して復帰の勝利圏を形成し、天の国の血族圏に加入しなければなりません。これは、堕落した人間として復帰していくべき原理的な結論です。

7   家庭は根です。根がすべての原則にならなければなりません。家庭を平面的に見れば、サタン側の(天使長)家庭と天の側の天使長家庭があります。(このままなら)地獄に行く天使長家庭と天の側に戻ることができる天使長家庭の形態があるのですが、これがアダム家庭に伝授されなければなりません。ですから、これからは家庭連合に加入することが、堕落した人間としての希望です。また、真の血統を伝授される祝福の基盤をもつことが、堕落した人たちの最高の希望なのです。何代目にその位置に立つかということは、皆さんの公義の基盤を通して決定されるでしょう。

8   人類は、歴史時代を経てきながら平和時代を探し求めてきましたが、「統一」を知りませんでした。「平和」だけができてもいけません。中心がないのです。ですから、「平和統一」にならなければなりません。それで、「世界平和統一家庭連合」が出てきたのです。

その家庭は、世界を代表し、天地を代表します。平和という水平だけができても、中心をつかむことができないのです。中心というものは、九〇度に合わなければなりません。そのような全体の内容の複合的な結論が「世界平和統一家庭連合」です。

平和だけでは何の評価も出てきません。主体がなければなりません。ですから、愛する孝子の道、忠臣の道、聖人の道、聖子の道を行かなければならないのです。これを成し遂げなければ、父母が解放されず、国が解放されず、世界が解放されず、天地が解放されません。その上に水平が形成されてこそ、そこから解放が始まるのです。

9   今、争いをしているすべての国、先進国と発展途上国の間には、とても大きな国境線が存在します。東洋と西洋には、文化の違い、精神文明と物質文明という違いがあります。南北間には、貧富の差があります。この違いによって谷間ができました。谷間ができたので、こちらと向こうに分かれたというのです。谷間と言えば、この山であるとかあの山であるとか、必ず二つの山を中心として谷間ができます。ですから、その谷間をどのように水平線にするのかというのです。また、山は大概、国境線になっているのですが、これをどのように平地にするのかというのです。統一教会では、「世界平和統一家庭連合」を語っています。世界を一つにしようとすれば、まず平和が成し遂げられなければなりません。「平和」は、平たくなって和することを意味します。北方に暮らす人、南方に暮らす人、東方に暮らす人、西方に暮らす人はもちろん、先進国であれ発展途上国であれ、優れていようといまいと、老若男女を問わず、すべて水平にならなければなりません。水平から始まるのです。

そして、水平になるだけではいけません。平和世界になるだけではいけないというのです。必ず相対がいなければなりません。平和の世界と統一の世界にならなければならないのです。世界は、平和を願い、統一を願います。世界平和統一をして、行くべきところは「家庭連合」、すなわち、家庭に定着しなければならないというのです。

Atsuki Imamura