真の父母経 第316話

「世界平和超宗教超国家連合」の創設

真の父母様は、超宗教的基盤を、国連を中心とした超国家的基盤と連結するため、一九九九年二月六日、「世界平和超宗教超国家連合(IIFWP)」を創設された。超宗教超国家のビジョンは、既存の国連に代わる機構創設へと続き、二〇〇三年十月三日には「超宗教超国家平和協議会(IIPC)」二〇〇五年九月十二日には「天宙平和連合(UPF)」が創設された。

9   父母様は、一日も休める日がありません。国連まで消化しようと思います。国連NGO(非政府組織)世界連合から、万国平和賞という世界的な表彰を受けました。四十年間、彼らが見守った結果、父母様を尊敬せざるを得ないので、そのようにしたのです。ですから、彼らが自ら志願して迎えるようになったのが、二〇〇〇年八月十七日に行われた「世界平和超宗教超国家連合国連大会」でした。

「世界平和超宗教超国家連合」の超宗教とは、宗教以上の基準を立てなさいということであり、超国家とは、国家以上の国連になりなさいということです。ですから、最高の世界的な宗教者と政治家たちを集めて教育するのが父母様の願いです。そのようにして、間違いなく素晴らしい宗教者と政治家たちにするのです。

10  超宗教というのは、今までの宗教ではいけないということです。新たに、世界の宗教の行くべき道を提示しなければなりません。超国家というのは、今までの政治風土や国連を中心としてはいけないということです。超国家超宗教です。そこに、今後つくろうとする超言論機関と超金融機関を中心として、これさえできれば、世界が進んでいける方向を定めてあげることができると考えたので、それを準備してきたのです。そのような意味で、国連に定着するための一つの機関をつくったのですが、それが「世界平和超宗教超国家連合」です。

今や、私たちが様々な分野のNGOを糾合して、国連を刷新しなければなりません。国連は今、私たちを消化し、リードすることができません。学術的な大会やすべての大会で、国連が私たちに付いてくるようになっているのであって、私たちを指導できる立場ではないのです。

11  国連に、下院制度としての政治圏と上院制度としての宗教圏を構成しなければなりません。この上院と下院は、野党と与党のように対決するのではなく、連合しなければならないというのです。

国連に上院と下院ができれば、宗教圏は自動的に政治圏内に入るようになります。今は、宗教と政治が分離されています。政教分離です。しかし、このようになれば、自動的に政教一致になります。これからは選挙がなくなります。教育を通して、一つになるようにしなければならないのです。超宗教と超国家です。宗教と国家は怨讐の立場ではなく、互いに愛し合い、一つにならなければなりません。

12  国連に、上院のような機関をつくらなければなりません。国連が国家主義の環境から離れることができずにいます。宗教的限界を越えることができずにいるのです。それは、真の父母の思想でなければできません。「神主義」、「頭翼思想」でなければできません。今後、国家主義的で宗教的限界を越えることができない国連は、自然に機能しなくなります。それを越えることができなければ、越えさせるのです。

ですから、アベル的な「世界平和島嶼国家連合」、「世界平和半島国家連合」、「世界平和大陸国家連合」をつくりました。これらを中心として、アベル国連をつくるのです。

13  今や「神様のもとの一つの国」ではなく、アベル国連をつくったので、「神様のもとの一つの世界」という表題を掲げて進まなければなりません。そのようになれば、自然に包括されます。「神様のもとの一つの国」は、民族主義、国家延長主義だというのです。

第二次世界大戦の勝利の覇権を中心として、制度をもって世界に影響を及ぼそうとしましたが、その制度というのは自国に限定されるので、超国家的な面では駄目なのです。それで、私たちが「世界平和超宗教超国家連合」をつくりました。私たちは、超国連を主張しなければなりません。「世界NGO連合(WANGO)」の理念は、超国連主義です。国連が一つの家庭主義、大家庭として、神様が創造理想とした家庭主義で一つになるのです。私たちの思想は、それを連結させることができます。

14  新千年紀の開幕とともに、世界は急速に一つの世界を指向しています。「神様のもとの一つの国」を越え、「神様のもとの一つの宇宙」になりつつあるのです。私が早くから説いてきた地球村大家族の世界が現実になるのです。

しかし、ここに深刻な障害物があります。それは、人種間の差別と宗派間の葛藤、対立です。これは、神様のみ意ではありません。特に、人類が平和世界を目指していくに当たって、宗教間の葛藤はより深刻な現実です。神様は教派や宗派をつくりませんでした。宗教自体が堕落の副産物です。

私が国連で既に明らかにしたことのある、世界平和を目指す各種の国境線撤廃運動が活発に展開されています。「世界平和超宗教超国家連合」が先頭に立ち、NGO連合団体である「世界NGO連合」を中心として、国連本部から急激に五大洋、六大州に拡大しつつあるのです。

15  世界に、どれほどたくさん非政府組織があるか分かりません。多い所では一国で三千を超えるといいます。ですから、数万に上る団体の総会を結成して、「超宗教超国家連合」を中心として活用するのです。「世界NGO連合」は超国連です。「世界平和女性連合」をはじめ、四大団体の名前で二〇〇〇年に教育を行いました。それで、「世界NGO連合」、「世界平和超宗教超国家連合」、「世界平和女性連合」、「世界平和統一家庭連合」が行く所には、反対する国がありません。百六十ヵ国を超えたというのです。そのような幕を張ったのでそれを誰も否定することはできません。


第三節   中東平和のための努力と超宗教祝福結婚式

シリアのイスラーム指導者四十日修練と平和大行進

一九九〇年八月十六日、アメリカのサンフランシスコで開かれた第二回「世界宗教議会」において、真の父母様は、世界の宗教の内的結束のため、連合教育を提案された。その一環として、一九九〇年十二月二日から九一年一月十日まで、アメリカ、ニュークのニューヨーカービルにおいて、シリアのイスラーム指導者四十数人が参加する中、四十日修練が開催された。真の父母様は、ユダヤ教とキリスト教、イスラーム間の長きにわたるわだかまりを解き、中東地域における平和実現の先頭に立つことを彼らに願われた。そして、真の父母様のみ意に従い、世界の宗教指導者など二万人以上が、イスラエルとパレスチナ地域の平和安着を祈願するため、二〇〇三年十二月二十二日、エルサレムに集まり、歴史的な平和大行進を行った。真の父母様は、前日の二十一日、平和大行進のために精誠を尽くされる中で、第一、第二、第三イスラエルが一つの勝利圏において統一定着したことを宣布する「一体統一式」を挙行された。

1   一九五四年に統一教会が出発する前から、私は、共産主義が七十三年以上はもたないと教えてきました。共産主義が問題ではありません。共産主義が終わったあとは、イスラームを含む宗教圏が問題になるというのです。ユダヤ教とキリスト教の争いを誰が止めるのかという問題について、既に五十年前から話してきました。これを防ぐための準備を、その時から始めたのです。

聖書に「平和をつくり出す人たちは、さいわいである、彼らは神の子と呼ばれるであろう」(マタイ五・九)とあります。人類歴史が始まって以来、このような宗教圏、国家圏、民族圏をすべて網羅して、迫害を受けてもこれらを和解させようと努力し、一生を捧げて闘った人は、私一人しかいません。

しかし、私は一人ではありません。今まで神様と共に、宗教界一致運動のためにその基礎を築いてきました。そうして、宗教統一の結実をもたらしたチャンピオンになったのです。これは観念ではありません。これは訓練課程ではなく現実です。歴史的事件なのです。

2   アメリカのサンフランシスコで開催された第二回「世界宗教議会」において、私たちが連合して教育をすることにしました。内的結束を固めなければならないという趣旨で、そのようにしたのです。それを私が中心となって行いました。そのようにするための内容を、あらゆる教団の代表たちが手を挙げて決意しました。そのように決意したならば、行動しなければなりません。

その最初の事例が、シリアのイスラーム圏の代表を教育することです。一九九〇年十二月二日から、ニューヨークで四十日修練を受けています。これは、イスラームの約千五百年の歴史を中心として見るとき、途方もない事件です。イスラーム圏の国家を代表する重鎮指導者たちが、世界が反対する統一教会に来て教育を受けているというのです。彼らは私に向かって、「ファーザー・ムーン」と言います。私はそのように教えてはいないのですが、「ファーザー・ムーン」と言うのです。統一教会員たちよりも優秀です。教育を受けるために来た彼らに、「皆さんが教育を受けるに当たって教理的なことは問題ではない。み旨が問題なので、皆さんがもし統一教会の教えを聞いて感化され、私の弟子になるとしても、歓迎する」と言いました。

Atsuki Imamura