真の父母経 第278話
第二節 アメリカを中心とした海洋摂理
グロスターのマグロ釣り
真の父母様は、アメリカでグロスターとアラスカ、ハワイを中心に海洋摂理を展開された。特に二〇〇〇年六月十七日、「海のすべてのものを神様に還元する」という意味の「海洋還元」をアラスカのコディアクで宣布するなど、アメリカを中心とした多様な海洋ビジョンを発表された。グロスターは、世界的に有名なマグロの漁場である。その漁場で真の父母様は、自らお造りになった「ニューホープ(New Hope)」という船に乗り、早朝から海に出て、マグロ釣りをしながら多くの精誠を捧げられた。そして、「レバレンド・ムーン・システム」という卓越したマグロの釣り方を開発され、マグロ釣り大会を開催された。
1 グロスターのマグロ釣りは、世界的に有名です。アメリカにいる資産家で豪華なボートをもった人は、一度はマグロ釣りをしているので、私たちの「ニューホープ(New Hope)」を知らない人がいません。「ニューホープ」がニュージャージーに行けば、そこに船をもっているすべての資産家たちが訪ねてくるようになっているのです。フロリダやニューオーリンズなど、どの港に行っても、船を見に訪ねてきます。ですから、友人になるのです。
今から三年前の一九七七年でさえ、マグロ一パウンドが十セントだったのですが、今は一ドル七十セントに上がりました。私がそのように、マグロの値段を上げたのです。五ドルまで上げるつもりです。このようになれば、マグロ一匹で五千、七千ドルになるので、アメリカにいるお金持ちたちは船を買い、マグロ釣りに総出動するでしょう。それにより、グロスターとハーバータウンの人々は、これからお金持ちになるのです。今から、数千、数万隻が押し寄せるでしょう。ですから、私たちが造船所を造ろうと、今準備をしているのです。
2 私は先頭に立って、「ニューホープ」という船に乗り、マグロ釣りをしながら七年間、グロスターにいましたが、その間、私が誰なのか分かる人は一人もいませんでした。私のことを、王冠をかぶり、絹の服を着ている人だと思っていたのです。飛行機に乗って空中から視察して巡回すると思っていたのであって、「ニューホープ」に乗って真っ黒に日焼けした姿をしているとは夢にも思いません。
ですから、「ニューホープ」にいる人に、「なせレバレンド・ムーンは来ないのか」と尋ねるのです。それは素晴らしいことです。周辺にいる人々が七年間、私がレバレンド・ムーンであることを知らなかったというのです。私が横に立てば、生臭さがプンプンし、服を見れば漁夫以上(に漁夫らしいの)です。それはどれほど素晴らしいことかというのです。
3 釣りをするとき、大きな船でするより、小さな船でしなければなりません。一般大衆は、大部分が釣りに関心をもっていますが、網を用いて魚を獲る漁業には関心がありません。未来においては、大きな船を使って網で魚を獲ることには関心がなくなるというのです。それで造ったのが「ニューホープ」という船です。
「川でも魚を釣ることができ、海に出て釣ることもできる船を考案しなければならない」と考えて造った船です。今、私たちの「ニューホープ」が有名です。釣りをしたり、海で案内をしたりするとき(の船として)有名だというのです。
4 船に乗り、海に出て、マグロ一匹を釣るために、一日中、待たなければなりません。それでもマグロが釣り針に掛からないときがあり、ある時は三週間も掛からないときがあります。そのように、数百隻の船がマグロを待っているのです。ところが、釣れるマグロは一日に十匹ほどです。こうなるので、百隻だとしても十分の一しか釣れないのに、数百隻が出ているのですから、五十分の一、三十分の一しか釣れません。
しかし、私の乗る「ニューホープ」というマグロ釣りの船はどうでしょうか。餌からすべて科学的なデータによって私が研究し、開発した「レバレンド・ムーン・システム」によってマグロを釣るのです。ですから、他の数百隻で釣るマグロの三分の二を、私たち「ニューホープ」が釣るのです。
5 私は、船に乗ることにおいても一番です。また、魚を釣ることにおいてもそうです。マグロを釣る方法を私が開発しました。今まで何十年と釣ってきた人々は、「自分たちが一番だ」と言うのですが、その方法では駄目だというのです。それで、結局、私が三年間研究して、新たな方法を開発しました。そのようにして、マグロ釣りに「レバレンド・ムーン・システム」ができたのです。
餌をどのように通すかということに関する方法です。それがまた経済的です。すべて組み立て式になっています。マグロ用の糸が一本切れると、百五十ドルが飛んでいきます。釣り糸が引っ掛かったといって切れば、そのように損害が出るのです。ところが、準備された物を組み立てて使うので経済的です。良い釣り糸が一本あれば、長い間、使えるのです。
6 お父様がグロスターでマグロ釣り大会に出て、一等を取りました。マグロ釣りに新しいシステムをつくり出したのですが、それが「レバレンド・ムーン・システム」です。
雄牛よりもっと大きいマグロを釣るためには、一・五ミリメートルの釣り糸では駄目です。そのように大きいものはロープで釣らなければなりません。私が構想して作ったものでマグロ釣りの記録を立てたので、現地の漁夫たちがそれを学び、最近はみな、そのようにしているのです。
7 グロスターやボストンの海域で釣れるマグロには、ジャイアント・ツナ、ブルーフィン・ツナ(クロマグロ)があるのですが、私が釣ったマグロの記録は、千二百七十二パウンド(約五百七十七キログラム)です。長さが十八フィート以上ですから、五メートルを超えます。虎は七百パウンドぐらいになり、雄牛は千パウンドになりますから、それよりも大きいのです。
私たちは普通、二百パウンドのものを釣るのですが、私の記録はその六倍です。それくらいやれば、かなりすごいことです。そのようなマグロを釣るのは、第二次世界大戦のときに、何かの将軍になって勝利するよりもっと素晴らしいことです。それこそ、男として生まれて、釣りにかけては王者になった気分ですが、(それは)やってみなければ分かりません。
8 「グロスターでマグロ釣り大会をしてそこで釣ったマグロを売り、十万ドルずつ預金しなさい」と言いました。そうして、そのお金をアフリカのかわいそうな人々のために使わなければなりません。この運動を全世界的に行わなければなりません。お父様を中心として何十年もそのようにして、預金した金額が何百万ドル、何千万ドルになればなるほど、世界を救うことのできる道が生じると考えるのです。
最近は、早朝、海に出るとき、若者たちが数人出てきて、「五時に出なくても大丈夫です。六時、七時に出ても大丈夫です」と、私を説得しようと一生懸命に口をそろえて話します。しかし、魚を釣るには精誠が必要なのです。海に出れば、魚が私にたくさん付いてきます。他の人には付いていかないのです。
アラスカの自然環境と開発
真の父母様は、アラスカでも海洋摂理のために多くの精誠を注がれた。アラスカは、世界的漁場として、魚類と資源が集中しており、世界的な交通の要衝である。真の父母様は、「国際アラスカ水産会社(ISA)」を立ててアラスカを開発し、人類の食糧問題を解決しようと努力された。また、アラスカで釣りを通して、海について食口たちを教育し、訓練された。
9 海に勝つ人が、世界を支配します。海は陸地の三倍になります。すべての金銀財宝が海に埋まっています。それが、主人を待っているのです。海を占領して克服しようというのがアラスカ精神です。
10 アラスカ精神とは何でしょうか。早朝五時に起き、御飯を食べて海に出て、夜十二時に帰ってくるのです。深夜の一時や二時に帰ることもあります。責任量を果たせなければ、帰ってくることができません。
事情を酌んであげるのではありません。修練過程では、責任を果たせなければならないのです。魚を釣るのを見物するのではなく、訓練するのです。魚釣りの訓練をするのは、これから世界のどこに行っても働ける指導者にするためです。誰でも魚が釣れるのではありません。専門的でなければできません。多くの経験をして学んでこそ、魚が釣れるのです。
11 お父様はコディアクで、早朝五時から夜十二時まで、雨が降っても風が吹いても、いくら天候が悪くても海に出て、精誠を尽くしました。それと同じように、韓国人の代表、日本人の代表、アメリカ人の代表たちに、「精誠を尽くしなさい」と言いました。ここを修練場所として、今後、世界のすべての若者たち、世界の統一教会の精鋭部隊が、コディアク精神を相続するための修練を受けるのです。各国の代表を選んで教育します。
お父様が今までやってきたように、雨が降っても雪が降っても、修練しなければなりません。人々の胆力を鍛えるのに一番良い所は、山ではなく海です。山は、風が吹いても、千年たっても、その姿、その形のままです。陸地では、道にさえ沿っていけばいつでも思いどおりに行けますが、海はそうではありません。
きのうまでは穩やかな湖のようで、そこに毛布を広げて寝たいと思うほど静かな海だったのに、けさは、見るのも恐ろしい姿に変わるのです。千変万化です。それを、静かな海や湖のように感じられるようにするための訓練が、男には絶対に必要なのです。
12 イエス様はぺテロに、「人間をとる漁師にしてあげよう」(マタイ四・一九)と言いましたが、魚は人を象徴しています。ですから、魚を釣って海洋圏を握れば、陸地圏まで握ることができるというのが摂理観です。
したがって、アラスカを占領すれば、すべての海洋圏を占領することになります。アメリカの水産資源の八五パーセントがアラスカで獲れます。一〇パーセントは太平洋で獲れ、それから、五パーセントは大西洋で獲れるのです。
13 魚たちは、寒いアラスカ地方になぜ訪ねていくのでしょうか。暑い所にいた魚が寒帯地方に訪ねていくことは、陰陽の調和と言うことができます。主体と対象が和合する所に行って卵を産もうとするので、すべて流動するのです。
また、淡水にいた魚は、塩水を飲んでこそ、卵を産むことができます。中国藻屑蟹のようなものがそうです。理想的な姿になって、繁殖するためには、プラスとマイナスが和合しなければなりません。
14 アメリカの人々も、アラスカのことをよく知りません。これからは、ツンドラ平原の時代が来ます。ツンドラとは、北極とアラスカ、カナダ、ロシアの草原地帯のことを言います。その時代に、誰が主役になるのでしょうか。これが問題です。このアラスカは、海を中心としてすべてのものが連結されています。海の資源や魚類が集中している所がアラスカです。多くの水産資源がアメリカにあるのですが、アメリカの水産資源の約八割がアラスカにあるのです。次の資源の獲得地は、このツンドラ平原しかありません。アラスカから飛行機でモスクワ、ロンドン、ニューヨークまで行けます。ですから、ここは交通の要地です。
今後、人間の力でアラスカの平原に農作物を栽培することは問題ありません。今も温宋栽培をしていますが、バナナもそこから収穫できるのです。それが可能な時代が来ます。食べて暮らすための産物がアラスカから出てくるようになれば、どのようになるか考えてみなさいというのです。面積はカリフォルニア州の四倍だと言いますが、それほど膨大な地域です。そこには無尽蔵の資源があります。そこの主人は、ロシアでもなく、アメリカでもありません。これからは、誰が資源を支配するかが問題です。お父様は、それを準備しているのです。
15 アラスカは、観光客を誘致すれば世界的な名所になります。一九九四年の韓国はとても暑かったのですが、そのように暑い時には、お金があればアラスカに行くのです。
アラスカは、韓国から飛行機で約六時間かかります。夕方に飛行機に乗り、飛行機で一晩寝て朝降りる、一日生活圏内に入るのです。金曜日の夜に飛行機に乗って行き、土曜日と日曜日に釣りをして、夕方、帰ってくれば、月曜日の朝に出勤できるのです。その地方に行けば、周辺の山の頂上には雪がかぶさっています。雪をかぶったその丘の下に、青々とした緑地帯があり、そこには花園があります。花が咲いているその下には、青い海、美しい湖のような海があって、釣りができるのです。どれほど仙境のような所か、考えてみてください。四方を見れば、塀風のように高い山に囲まれていて、まっすぐに伸びた木で山林が生い茂っています。その下の茂みの中には、見たことのない花々がたくさんあります。それが、湖の近くにあるのです。また、水辺を中心に、獣たちがたくさん棲んでいます。
16 お父様は、北極地域を訪ねていきました。北極は、水が凍りついた地です。アラスカのコディアクを中心として、アメリカの海洋事業の中心地に行ったのです。「国際アラスカ水産会社(ISA)」を中心に、南極を連結するのです。人類の食糧を確保するためです。今後、食糧問題は、海と水を中心にしなければ解決されません。今も、一年に十五平方キロメートル以上、土地が砂漠化しています。木が次第になくなることにより、水が浸透できず、だんだんと土地が砂漠化しているというのです。これは現実的な問題です。
ですから、砂漠を克服しなければなりません。砂漠を克服するのは、力ではできません。これは水で克服しなければならないのです。ですから、海水や淡水を確保しなければなりません。アメリカは、アラスカの油を数千マイルのパイプを通して移送しています。同じように、海水を数千マイル運ぶこともでき、淡水を数千マイル運ぶこともできます。地球星の砂漠にパイブさえ設置すれば、海洋世界に生えているすべての草をいくらでも培養することができ、それを開発して、養殖場を無限に造ることができます。人々が農業に使う土地が三千坪であれば、この三千坪の十分の一である三百坪でも、養殖をして暮らせるのです。人類の食糧問題と生活問題の解決は、必ず水を通さなければなりません。ですから、海洋事業を始めたのです。