真の父母経 第286話

第五節   海洋指導者の養成と世界釣り大会

海洋指導者養成のための修練

真の父母様は、人類が今後開拓すべき生活拠点として海洋に注目し、多くの精誠を注がれた。特に、海洋指導者養成のために特別修練会も開催され、平和な世界を建設するために、釣り大会も主宰された。海洋訓練の目的は、一方では深い瞑想を通して信仰を成長させ、胆力を養うことであり、もう一方では、海の水産資源を開発する技術を身につけることである。特に、摂理的に母の国である日本の女性たちを海洋指導者として訓練し、太平洋文明圏時代に備えられた。二〇〇四年十一月から六十八回にわたり、清海ガーデンを中心に麗水・順天地域で四十日間行われた海洋指導者修練会には、韓国と日本にいる日本出身の女性たちが参加した。

1   海には研究すべきことが本当にたくさんあります。見える世界より、見えない世界に、より神秘的なものが多いのです。世界のどんな高い所でも、ヒマラヤ山脈のエベレスト山頂まで、今はいつでも連結されているので、頂上やその周辺の山にある草木、動物まで調査すれば、すべて知ることができますが、海はそうではありません。海にはエベレスト山の高さよりもっと深い所があるのですが、最も深い所では、世の中で価値がないとみなされる物はすべて腐ってなくなり、貴い物だけが残っているかもしれないのです。

水深一万千メートル以上の深い海の中には、エベレスト山があるヒマラヤ山脈も入ってしまいます。海の底にはそのような所が存在するのです。人は母親の腹中にいるとき、羊水の中に浮かんでいますが、それと同じようになっています。生物は海を起源として生まれたというのですが、神様が造った秘密の場所である海に、一番近くで接することができるということは、驚くべき事実です。

2   海に対する訓練ができなければなりません。訓練をして、今後、私たちが教えてあげなければなりません。アフリカや未開地域の人々が、食べる物がなく飢え死にするというのは話になりません。水がある所には魚がいて、獣がいるものです。水があれば、野菜でも何でも栽培することができ、獣もいて魚もいるので、すべての動物たちが暮らせます。万物の霊長であれば、水があり、草があり、動物と魚がいれば生きることができるのに、どのようにして生きるかという方法を教えた人がいないので、そのように飢え死にするというのです。

統一教会員たちは、発展途上国に対して、先導者としての責任を果たさなければなりません。そこに行って幼稚園の先生、小学校の先生、中学・高等学校の先生、大学の教授にならなければなりません。そうして、文化水準を上げながら、飢え死にする人を助けてあげなければならないのです。そのようにするためには、釣りをすることができなければなりません。

そのような意味で、百六十ヵ国に船を四隻ずつすべて分け与え、その準備をしようとしたのですが、皆さんの頭が目覚めず、「それが何の役に立つのか」と考えているというのです。これは、やらなければならないことです。

3   信仰生活をするのに、最も深く瞑想できるのが釣りです。早朝、川に出て、星を眺めながら釣りをするときは、真っ暗なので魚が食いついたのか食いついていないのか分かりません。そのようなときは、釣り糸をつかんだり、釣り竿を握ったりしていれば、食いついたかどうかが分かります。本格的に魚が食いついたのか、来て触っているのか、すべて分からなければなりません。そのようにすれば、真っ暗な中でも魚を釣ることができるのです。手の感覚を中心として餌を釣り針に通し、夜に明かりがなくても、いくらでも釣りをすることができます。

土砂降りの雨が降り注いでいるのに座って釣りをしていれば、狂人扱いされかねませんが、それがどれほど素晴らしいか分かりません。ぬれないようにするために、小さなレインコートにくるまって座っていても釣ることに関心をもつのです。心は釣りに行っています。釣りをするときは、その考えから抜け出すことができません。御飯を食べても、その考えを中心として御飯を食べるのです。そのような姿勢が、信仰生活に必要なのです。

4   アラスカは、夏になれば夜がありません。ここで言えば、日が沈んだあとは暗くなるのですが、そこは七時、八時くらいになってもすべて見えるのです。ですから、いくらでも釣りをすることができます。それゆえ、そこでは寝る時間もありません。そのような生活を続けたので、私が海に出ていくことに対して、「海が好きだから出掛けるのだ」と思うかもしれませんが、海のどこが良いというのですか。誰もが、そのようにならなければならないのです。もう私は、これから船に乗らないつもりですが、死ぬ前に、誰かにこれを伝授してあげなければなりません。

私が伝授できずに死ねば、すべてストップします。誰かにこれを伝授したからといって、続ける人がどこにいるでしょうか。志があるからこそ、そのようにするのです。そのような時間は多くないと思うので、忙しいのです。配置して、訓練させなければなりません。教育をしなければならないというのです。女性はやめて、男性だけしなければなりませんか。女性も一緒にしなければなりません。

5   私は、一九九二年にコディアクで行われた世界指導者教育の期間、朝は五時に起き、夜は十二時前に眠ることができませんでした。修練生たちを昼に連れて出ていき、夜まで訓練しました。訓練をするときは、海に出てしたのです。海は堕落した世の中を意味し、魚は人間を象徴します。そのような訓練を、雨が降っても、雪が降っても行いました。

そうして、あることが言われるようになりました。私たちの責任者に、その日の天気を調べてくるように言うと、風が吹くことはチェックしても、雨が降ることはチェックすらしないのです。それで、「なぜ雨が降ることはチェックしないのか」と尋ねると、「いくら雨が降ることをチェックしても、もう何年も、それによって船を出すかどうかが左右されることはなかったので、チェックしてもしなくても関係ありません」と言うのです。そのような伝統を立てました。

雨が降るなら降り、やむならやみなさいというのです。風速の強弱は、船に乗るに当たって問題になりますが、降雨量は問題になりません。台風が吹くと大きな船は出られませんが、私たちの小さな船は出ていくのです。「私たちは出掛けよう!」と言うのです。そこで約一週間だけ過ぎれば、魚を釣ることに味を占めます。一度その味を覚えれば、再びやってみなければ気が済みません。それが魅力的なことなのです。

6   船に乗って、修練生たちを太平洋の広い海に連れていき、延縄(はえなわ)漁をしながら教育します。朝出れば、昼食の時間を越えるまで同じ速度で走っていき、釣り針を垂らすのです。このように準備して、訓練させています。そこに鮫(さめ)でも何でも、どんな魚でもすべてかかります。目梶木(めがじき)でも鰆(さわら)でも鮪(まぐろ)でも、かからない魚がありません。その餌を何にするかということで、私が餌を研究しています。

魚の獲れない海はありません。アフリカのケープタウンは、一番波の強い所です。そこにも船を送って訓練させています。歴史に記録し、後代の資産として、海洋産業の伝統的教科書を作ることができる資料として残してあげなければならないと考えるのです。

7   太平洋文明圏時代に入ったのですが、ハワイとオーストラリア、インドネシア、フィリピン、台湾、日本まで束ねるのです。第二次世界大戦のとき、南太平洋の島国で日本の軍人がたくさん死にました。そこで生き残った人々の中で、妻を迎えて子女をもうけた人もとてもたくさんいます。彼らを日本の国が救ってあげなければなりませんか、放っておかなければなりませんか。日本の国がそれをしないので、統一教会の人が行って助けてあげなければならないのですが、日本の統一教会の人々を送らなければなりませんか、他の国の統一教会員たちを送らなければなりませんか。

お父様はそれを知っているので、日本の食口たちを動員して、お母様の代身として教育し、助けてあげなさいと命令するのです。それで、日本の賢い女性たちを選んで、海で訓練させるのです。日本の女性たちが海の勇士となり、その息子、娘たちを救ってあげるための活動をするなら、どれほど良いかというのです。日本の人たちが捨てた自分の同族を救ってあげることが、神様の愛です。怨讐を愛しなさいという神様のみ旨があるので、日本の女性たちを動員するのです。動員されて、学校の先生をし、船に乗って出掛けて魚を獲るチャンピオンになって、食べて暮らせる自主的な生活圏をつくってみなさいというのです。

8   日本の若い女性たちをハワイに投入し、ハワイと日本を中心として、世界の六十二の島嶼国家を連合する運動をしています。船を造って訓練をしているのです。日本の女性たちは、船の訓練をはじめ、万全の準備をして、今後、島嶼国家に行って、大統領や国会議員たちを指導しなければなりません。お母様の代わりに、その国の大統領と地位の高い人々を教育すべき責任があります。ですから、日本の女性たちをたくさん配置したのです。

9   韓国人は冒険を好む性格をもっているので、ケープタウンのようなアフリカの南端も開拓し、世界の最先端に立つようになりました。その代表者がお父様です。

今、麗水と順天で、日本の女性食口たちに対して、海洋圏を愛する最高の訓練を始めました。そこに参加する人々は日本の女性食口たちであり、それがエバ国家の解放に最も近い道であることを忘れてはいけません。

アメリカや世界宣教に出た日本の女性食口も、すべて麗水に来て訓練を受けるように、お父様が措置を取りました。韓国にお嫁に来た日本の女性食口たちだけではありません。日本で熱心に活動していた統一教会の女性食口たちがこの麗水と順天の海に来て、韓国の海と山野を愛さなければなりません。韓国人よりももっと愛さなければなりません。そのような女性食口たちが精誠を尽くすことにより、日本民族の未来の解放圏が韓国と連結されるのです。

韓国を連結し、夜の世界を昼の世界にしなければなりません。そのような使命があるので、お父様は生涯にわたって、日本を愛さざるを得ないというのです。昼の世界だけでなく、夜の世界に対しても太陽が地球を照らすように、日本の国がしなければなりません。

Atsuki Imamura