自叙伝・人類の涙をぬぐう平和の母 第68話

とめどない涙と共に歩む、神国家、神大陸、神統一世界への道

二〇一九年十一月十八日に始まった「天一国安着のための天宙的カナン四十日路程」は、十二月二十八日、アメリカで「世界聖職者指導者会議(WCLC)」を創立し、大団円を迎えました。この路程はまさに、空を巻物にし、海を墨汁にして書いても書き切ることのできない、涙の路程でした。肉体の限界を克服し、身が砕けるほど歩き続け、苦難と苦痛の中で希望と願い、祝福の花を咲かせた、勝利の路程でした。

こうして、文総裁の聖和以後における七年路程の中で、七ヵ国の国家の復帰の基準が立ったのです。さらに進んで、国家の復帰による「神国家」創建はもちろん、大陸復帰による「神大陸」創建への驚くべき摂理的跳躍が可能になりました。ついに摂理史において、後にも先にもない「神国家、神大陸時代」を迎えたのです。

このような実体的勝利の土台の上で、私たちが歩むべき最後の路程である「神統一世界」に向けて前進することを決意し出発する、歴史的な一日を迎えることになったのです。

 

キリスト教は、西暦三一三年にローマで公認された後、イタリア半島から出発し、ヨーロッパ大陸を経て、島国であるイギリスにまで広がりました。イギリスは、のちに「太陽の沈まない国」と言われるほど、世界各地に植民地を広げ、繁栄しました。彼らは宣教という名目で、世界を席巻しようとしていたのです。

イエス様は、「自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ」(マタイによる福音書ニニ章三九節)とおっしゃいましたが、彼らはこの本来のみ旨を捨てて、自分たちの利益だけを考えたため、結局は略奪する文化だけが残ってしまったのです。経済的には豊かな強国を築きましたが、霊的な面では多くの人々を傷つける歴史を生み出しました。キリスト教はそれ以上、発展することができなくなったのです。するとその中で、信仰の自由を求めた清教徒の人々がアメリカ大陸に移住し、彼らによって、今日のアメリカが誕生しました。

一九八一年十月、文総裁はアメリカの一部の指導層の索制を受けて脱税の容疑で訴えられ、一九八四年の七月から獄苦を味わうことになりました。その背後には、アメリカに大きな影響を与えていた私たち夫婦に対する、共産主義者の妨害もありました。

すぐにアメリカの多くの聖職者が、文総裁の投獄に抗議するデモを起こしました。さらに一部の聖職者は、ホワイトハウスの裏庭に即席の監獄を用意し、「獄苦同志会(同苦の会)」を結成して、自発的にその中に入ったのです。

彼らはまた、文総裁が無念な獄中生活を余儀なくされていることに対し、これは宗教の自由を侵害する反宗教的行為であるとして、マスコミやアメリカ政府に向かって問題提起をしました。当時、延べ七千人以上の聖職者が宗教の自由のための集会に参加し、さらに、文総裁の生まれた信仰の祖国である韓国を訪問したのです。

その後も、私たちは「米国聖職者指導者会議(ACLC)」を結成し、アメリカの五十州で巡回講演を行いながら、宗教間の葛藤や白人と黒人の間の人種問題の解決のため、平和運動の先頭に立ってきました。

 

私は二〇一九年六月、ACLCの大会で宣布しました。

「私は、天の父母様と人類のために来た独り娘です。私と共にみ旨を成し遂げましょう」

すると、多くの聖職者が歓声を上げて応えてくれました。

「このような真実を、なぜ私たちは今になって気づいたのだろう!こんな当然のことを、なぜ今まで考えることすらできなかったのたろう!」


彼らは感慨深く、自らの思いを吐露しました。私は改めて、ACLCの大会に参加した一千人以上の聖職者に尋ねました。

「二十一世紀、真の父母の時代において、選民とは誰でしょうか?」

そして、このように宣言したのです。

「皆さんこそ、まさに二十一世紀における、真の父母を中心とした選民です」

さらに私は、選民の責任とは真の父母に侍ることであると話しました。

同年の四月にはアメリカのロサンゼルスで祝福式が行われ、六月にはラスベガスで希望前進大会が行われました。オバマ元大統領のメンター(助言者)を務めたシティー•オブ•レフュージ教会のノエル•ジョーンズ牧師が、私を「平和の母」として証ししてくれました。

「神様は特別に、韓鶴子、真のお母様を送ってくださり、人類が一つになれるようにしてくださいました」

彼は自分の教会の五千家庭以上の信徒を、祝福結婚に導きました。その後、シティー•オヴ・プ・レフュージ教会は、家庭連合の旗と看板を掲げるようになったのです。

同年十月三十一日には韓国のソウルで、アメリカから来たACLCの聖職者約四十人と韓国のキリスト教聖職者約四百人など、総勢七百人以上のキリスト教関係者が集まる中、「韓国聖職者指導者会議(KCLC)」の創立大会を開きました。

このような基盤の上で、アメリカにおいて思いを一つにし、WCLC創立に向けて準備を進めたのです。「夫の遺業を完成する」という私の決意は、まずキリスト教をはじめ、諸宗教を一つにすることでした。

二〇一九年十二月二十七日、WCLC創立大会を翌日に控え、アメリカの聖職者約四百人と世界七十ヵ国以上から集まった聖職者約六百人、合わせて一千人以上の聖職者が、天の父母様を中心とした「神統一世界」を実現するための会議の場を持ちました。韓国からは約百六十人が参加し、日本、中南米、アジア、アフリカなどからも、著名な聖職者が大勢参加しました。キリスト教出発の地であるヨーロッパからは、キリスト教界で最大の協議機関である世界教会協議会(WCC)の著名な聖職者たちが参加しました。

会議では、まずアメリカのドナルド•トランフ大統領のメンターでもあるポーラ•ホワイト牧師が、私に対する感謝とアメリカ政府の進むべき方向性について述べました。続いて、各大陸を代表する六人が登壇し、基調演説を行いました。そのうち、アメリカの代表としてはジョージ•スターリングス大司教が、韓国の代表としてはKCLC共同議長の金スマン牧師が、アフリカの代表としてはハデべ預言者が、それぞれ演台に立ちました。

Luke Higuchi