御旨と海 第42話

なぜオーシャンチャーチが必要なのか
1982年 9月 5日 イースト・ガーデン


 オーシャン・チャーチのミッションを続けたくない者、手を挙げて。今日、先生は海の摂理について話したいと思います。一九八一年六月までにマスター・マリーン百五十隻の船を造りました。そして三百隻の船を完了した時点で、工場をアラバマに移すことができます。アラバマに移動したら、そこのファイバー・グラス部門で小型と大型の漁船を造ることになります。将来全長百フィートから百二十フィートの船が造られます。アラスカで使える船を造る計画なのです。その船は、南あるいは東海岸の海で漁をする他の船をデザインするための基本になります。

 それと同時に、我々はアメリカの海岸沿いに三十のオーシャン・チャーチセンターを作る計画を最初に立てました。それから三十の大型船が「母船」という形で各センターに送られるはずでした。そして一年間で皆さんはその船の船長になれるだけの十分な訓練を積むべきでした。一九八〇年十月一日に先生は全員をグロースターに呼んで、オーシャン・チャーチのビジョンについて細かい説明をしました。皆さんはそこにいたのですか。最初の計画によれば、皆さんは主要な港に行って、そこで若者達の訓練を始めることになっていました。そしてワン・ホープ号を一隻ずつ使って、漁と海のビジョンについて若者達の関心を引き起こすことでした。もし彼らが責任を持てば、一隻につき最低五人の割合で、船をその若者達に任せることさえできました。

 最初の段階は各センターが十隻の船に責任を持ち、またそれを利用することでした。一隻につき五人の若者達とすれば、皆さんは今五十人の若者達を訓練しているはずでした。そして彼らはオーシャン・チャーチのメンバー達と一緒に働いているはずでした。我々の計画はただ漁をすることだけではなく、海にビジョンを持った人のネット・ワークを作ることも含まれています。

 問題はオーシャン・チャーチを我々がどう理解するかにあります。どうして「オーシャン」の後に「チャーチ」という言葉を付け加えるのかです。オーシャン・チャーチは一つの信念に基づいて作られ、一つの信念に従って導かれているのですから、一つの教会運動なのです。その信念とは一つの信念とは一つの哲学です。つまり我々の主な関心は内的なもの、あるいは霊的なものです。それがオーシャン・チャーチの本質です。未来はその精神を開発する者達、すなわち創造に、そして世界に本当に責任を持つことのできる人達のためにあります。

アメリカの運動の基本構造

 ベリー・タウンの神学校を通過して来る我々の運動の中核メンバー達の基本ルートというものを先生は計画しました。神学校卒業後、彼らはまずカープに行き、キャンパスで訓練を受けるべきです。それから自動的にオーシャン・チャーチに来ます。それが我々の運動の指導者を教育するための計画なのです。統一神学校からカープ、それからオーシャン・チャーチへ。そういう豊かな訓練を受けた後、神学校の卒業生達は州の指導者となります。各州がそういう指導者を持たなければなりません。

 将来、州の責任者としての資格を持ちたい者は誰でも、まずカープそしてオーシャン・チャーチの指導者としての資格を持たなければなりません。我々の運動は、現在の州の指導者のレベルを超えて成長しつつあります。これまではどんなに明瞭かつ創造的な指示が与えられていたとしても、その指示は十分に消化され受け入れられてはいませんでした。指導者から各メンバーに至る段階において、メッセージの内容が収縮してしまい、メンバーの所に達した時にはもはや意味のないものになっています。しかし、カープからオーシャン・チャーチそれから州の責任者へと移行する指導者は、先生の指示を理解しそれに応じることができます。彼らは新しい指示を受けたらいつでもそれに応じて行動に移すことができる特別対策班のようなものです。

 将来、統一教会の組織あるいは指導や指揮の方法は州レベルでなされることになります。厳密な連邦システムではなく、むしろ州のシステムとなります。各州が自らの問題に責任を持ち、自らの方向性を出していくことのできる強力な単位となります。例えば、アメリカは連邦政府がありますが、各州も自らの政府を持っています。これがアメリカの源なのですね。先生もそのシステムを我々の運動の中に取り入れたいと思います。五つの州からなるリージョンを一つのグループとして各州を分けます。そうすると十のリージョンができます。そして各々のリージョンは州の責任者の援助をする指揮官を持ちます。そこで唯一必要なことは、本部と各リージョン間の良き連絡関係です。本部の仕事は小さいものでなければなりません。本部が必要とするものは、地方センターから情報を集め、全体像を把握しておくこと以外には余りありません。そうしておけば、本部は各リージョンの仕事を中心に一般的な指示を出すことができます。各リージョンはそれぞれ一人の巡回師を持ち、その人は各州を訪問し、そこでどういうことが行われているのか、長所は何か、何か改善の余地があるか等を調べます。彼らは本部へのみ、しかも直接情報を報告します。巡回師は先生とつながっているべきであり、また我々の伝統と御旨の道、並びに教会の管理行政についても良く知っていなければなりません。巡回師の仕事はメンバー達を直接教育するために各州を訪問することです。こういうふうにして彼らはすべてのメンバーに、指導とカウンセリングを与えることができます。

 各州がそれぞれの責任分担を担うわけですが、こういうふうにして統一システムが全国に広がることになります。我々の教育は何を中心にすべきでしょうか。伝統。ではその伝統とは何でしょうか。その伝統はカープの伝統、オーシャン・チャーチの伝統、そして州の責任者の伝統を含んでいます。我々はメンバー達を教育し、豊かでどういう状態にあっても他の人達の面倒を見ることのできる有能な者達にします。

 どうして先生はそういう組織に関心を持っているのですか。この国は三つのカテゴリーに入る人々からなっています。内陸に住む人々、海岸に住む人々、若い次の世代の人々、若い世代には高校生と大学生が含まれます。だから先生は大学キャンパス(カープ――全国大学原理研究会)運動と、高校(ハープ――全国高校原理研究会)運動の両方を行う必要があります。

 考え方が古く、自分の生活様式に凝り固まっていて容易に動こうとしない、変化を好まないそういう人達を取り扱うことは不可能なことです。だから我々は将来に目を向けて、冒険を好む若者達と共に新しい世界を開拓しなければなりません。若者達は世界中で最も建設的で生産的な人達です。しかしそれはいろいろなグループに分かれています。真剣な人達もいれば、フリー・セックスや麻薬、あるいはあらゆる種類の放縦に身を任せている人達もいます。

 我々は、道徳的に清い若者達を作り上げることに力を注いでいます。彼らを清め、彼らに挑戦し、彼らの才能の開発をしてやらなければなりません。それがカープの使命です。一九七八年以来、州レベルの教会活動にほとんど力が注がれませんでした。カープのメンバー達は強力なカープ運動を作り上げるように今まで急き立てられて来ました。カープのメンバー達には多くの敵がいます。彼らは力が強くしかも喜んで対決して来ます。アメリカのほとんどの大学に強力な共産主義と左翼のグループがいて、彼らは何年もの間、活発に活動を続けています。先生は皆さんが怒り狂った連中と対決しなければならないことを知っています。そういう左翼達が、あるいはもっと暴力的な団体が、多くの大学をまさに乗っ取ろうとしています。それは今までずっと頭の痛い問題だったし、今からもそうでしょう。カープのメンバー達はそれと対決しなければなりません。そして大学キャンパスにいる共産主義関連団体の、思想や戦術に打ち勝つ精神を示さなければなりません。一九七八年にアメリカのカープは始まったけれども、キャンパスでの実際の活動は、その一年後までは始まりませんでした。全国ネット・ワークを作る前、我々はしっかりとした勝利の伝統を打ち立てなければなりません。一九八二年末までのカープの目標は、三百のキャンパスを開拓することです。先生は皆さんの国を救いたいと思っています。皆さんはどうなのですか。もしアメリカを救えば、全世界が救えます。アメリカは世界の縮小体であり、世界の人々は今でもアメリカに目を向けて、その例に倣おうとしています。

 一九七八年以来、我々はキャンパスで数多くの共産主義団体と対決して来たし、その中に多くの団体が後退して行きました。彼らを打ち負かすことのできるという絶対的確信を先生は持っています。第一段階は大学キャンパスです。それは、将来の指導者達が準備されているのが大学であるし、そこから各国との接近を開始することができるからです。アメリカを出発点として、カープ運動は全世界に拡大します。このようにしてカープが広まるのを、特にドイツで活動する姿を先生は見てみたいと思っています。もしカープの若者達が一緒になって、武力を一切用いずにベルリンの壁を崩して国を再統一することができるならば、それは最も素晴らしい光景となることでしょう。先生は「女性達の力」と名付けているのですが、その「女性達の力」を通してそれが達成されるのを先生は見たいと思っているのです。女性達が先頭に立ちます。女性達が前進すれば、敵も立ち向かうことができません。そうなります。分かりますか。

Atsuki Imamura