御旨と海 第23話
基盤の拡張
今までのところ、我々は第一次産業についてしか話していません。では船舶備品のような第二次産業についてはどうでしょうか。つまりライン、網、エンジン部品、エレクトロニクス、その他漁を成功させるために船に必要なものです。第一次産業を支えるいろいろな第二次産業の分野があります。こういうものを全部、調査研究する必要があります。またこれらの分野の開発も必要です。政府は衰退しつつある水産業を心配はしているけれども、たいしたことはできないでいます。我々がこの分野で前進し実績を上げていることを知れば、政府も我々を援助したいという気になるでしょう。これらはアメリカがすぐにやらなければならないことです。もし何もしなければロシアや、ノルウェー、日本、その他の二百マイル海域内で漁をしたいと思っている国との間で問題が起こって来ます。アメリカがその漁場を活用していないということを知れば、彼らは自分達の市場のためにどうしても利用したいと思うようになります。結局、それらの船をアメリカの海域から締め出せなくなってしまいます。もし我々が魚を捕っていれば、良い値段で大量の魚を彼らに売ることによって、その圧力に応えることができます。必要な魚を捕るために遠い所まで航海しなくてもすむのですから、彼らは喜んでそれを買うし、アメリカもいい儲けになります。だからと言って、決してやましいことではありません。しかし、もし我々が魚を捕っていなければ、彼らは何度も何度も漁にやってくるし、自分達の国民に食料を供給することができないと不平を言うようになります。ある意味ではこのアメリカに対する彼らの不平は正しいのです。しかし、我々は、神様の援助の下に漁をし、その基台を造ります。そして、大きな変化が水産業界に起きることになるでしょう。これは単なる空想ではありません。今、先生が皆さんに話しているこの時でさえ、それは着実に進行しています。皆さんは、海とはどういうものであるか一旦つかみさえすれば、それを途中で投げ出すようなことは絶対にしないでしょう。それが魚釣りの精神に近づくための早道なのです。マグロは最も偉大な魚です。鯨は確かに遥かに大きいけれども、それは魚ではありません。それは全く別のものです。しかしマグロは魚です。だからそれはあらゆる魚の「王様」だと、我々は言うことができます。
世界の他の所では、既に我々の大型マグロ船が四隻操業しています。これらの船はアフリカで漁をしています。大体、百五十フィートの長さの船です。その他に南アメリカで十隻の海老漁用の船が操業しています。それは操業一年目にして、投資資本の全額を取り戻すことができました。だから人々は皆我々の噂をしており、それを奇跡とも呼んでいます。そして彼らの言うことは正しいのです。
一度海に慣れてしまえば、陸にしがみついている理由はなくなります。陸上よりも海上における方がいろいろなチャンスや、やるべきこと、なさなければならないことが多いのです。本当にそうなのです。夫が六カ月間海上に出たきりだという理由で、彼を捨てていく妻達が皆さんの中にいますか。あるいは妻が海へ行けば、夫は彼女を捨て去りますか。我々は自分の販売網を持っているのですから、魚を釣ってきても売れないで困るということはありません。また同様に、たとえ漁師達がムーニーだという理由で売るのを拒んだとしても、販売員達はそれで困ることはありません。我々は魚を捕ってそれを売ります。そしてそこからさらに発展します。まず我々は訓練が必要です。
私達のメンバーは世界のあらゆる所から来ているので、ドイツ、フランス、英国、日本その他全世界に支局を作ることができます。そして新鮮さと、質の良さを保つように魚を加工します。アメリカ人はニシンを好まないので、その値段はいつも最低です。ドイツでは人々がその種類の魚を好むので、値段は一ポンドにつき一ドルから始まります。
一年間に三百隻の船を造ることは容易なことではありません。メイコ会社ですら、そんなにたくさんは造らないでしょう。将来、皆さんの中でやる気のある人が出てくれば、彼は造船会社の支局を自分の手で設立することもできます。たいして難しいことではありません。まず鋳型から始めます。鋳型ができたならば、次にファイバー・グラスと樹脂を買って来て、適当な厚みになるまではめ込みます。それが船体になります。それから甲板を造ります。これも同じやり方で造ります。そして最後にそれを組み合わせます。覚えが良ければ、たいして難しい仕事ではありません。
教会の仕事もまた皆さんの仕事であり、カープの指導者であるとか州の責任者であるとか、皆さんは何でもやれます。一方ビジネスはまた別の領域です。だから船を造ったら、トロール船で魚を捕ったり、バンで魚を売りに行ったりすれば良いでしょう。そうではないですか。州の責任者達はこれが分かれば、州の教会センターを内陸部から海岸近くへ移動することになるでしょう。
グッド・ゴーはどのくらい良い漁船ですか。それは本当に素晴らしい船なのです。メンバー達の中で、今年一番の漁師はゲーハートでした。彼はワン・ホープ1を使っていましたが、それは美しい船なのです。またそれは我々の最初の船なのですが、彼はそれを運転していました。最初ゲーハートはそういう美しくて、頑丈な船は私達の手によっては造ることができないと思っていたのですね。ワン・ホープ号と他の船とは天と地ほどの差があります。
(ゲーハート・ビーモラーのワン・ホープ号についての証)
「この船は極めて特別な船です。お父様は真の人ですが、この船はちょうどお父様のようです。だから私はこの船のことを『メシア』船と呼んでいます。本当に真の船なのです。この船が水の上を走っているのを見た時、私は非常に驚きました。私が初めて操縦したのは夜だったのですが、とても扱いやすくて信じられないほどでした。同じくらいの大きさのメイコに比べて、この船は水の上では遥かに安定しています。
この船は優秀な船です。海上で波が小さな船に押し寄せて来る時、船はそれにぶつかって激しく揺れ動きますが、この船はたいしたもので、波を切って進むのです。水はしぶきを上げて船から散って行きます。まるで波にはぶつかっていないみたいに、滑らかに切って進みます。この船はメイコよりも約二千ポンドも重いのです。ということは二千ポンド分安定し、しっかりしています。それを考慮に入れた上で、その船がメイコと同じエンジンを使い、しかもメイコほどには燃料を食わないことを知れば、その秘密は一体何だろうと不思議に思うに違いありません。
メイコの二倍の重さがあり、同じエンジンを付けていたとしても、二倍の燃料を食うことはありません。少々多くの燃料を食うことはありますが、それほど多くではありません。大体同じなのです。この船には何か特別なものがあり、それはデザインの仕方に多少関係しています。人々はこの船が水上にいる時や、水から揚がった時を見ているので、本当にこの船が素晴らしいものだということを知っています。この船を操縦するのもまた素晴らしいことです。それと比較し得るどんな船よりも安定しているのです。
この船は同じ種類、同じ大きさの船とは比べものにはなりません。水の上で安定しているのです。メイコあるいはそれと類似の船に乗ったことがある人ならば、即座にその違いに気が付きます。船全体もそうですが、どのようにデザインされたか、どのように調和しているかが他と違っているのです。多くの漁師達がやってきて、それを見て買えるものかどうかを聞くのです。その気さえあれば簡単に売ることができます。本当に『真の船』なのです」
ワン・ホープ号についてのゲーハートの話を聞くにつれて、先生は「一目ぼれ」という表現を思い出しました。一度この船を見さえすれば、その意味が分かります。特に走っている時の姿はとても美しいのです。美しいという点においては何ら疑問の余地がありません。ファイバー・グラスでできたこの船は、何年も何年ももつのだということを考えてみなさい。とても長い間もったからこれで十分だと言えるような船は、今までに一隻もありませんでした。将来番号が若ければ若いほど、より価値があることになります。ワン・ホープ4や10はワン・ホープ3000よりも遥かに価値が高いのです。だから皆さんの船を大切に扱いなさい。そうすれば四十年か五十年後、それは極めて価値の高いものになっています。それはまた皆さんの州全体の誇りにもなります。
人々がこの船を見さえすれば、統一教会を信じなさいと言う必要がなくなります。何も言わなくても信じるようになります。どうしてそうなるのか分かりますか。各家庭がこれらの船を一隻買いたいと思うようになります。こういう船を持った家に住むことが、マンションに住むよりも誇りとなります。皆さんはその船の上で休んだり生活したりして、その船の素晴らしい歴史を作り出すべきです。
各統一家庭はこれらの船を一隻買うべきです。そのようにこの船は歴史的なものであり、そして貴重なものです。そういう船を持ちたい者、手を上げなさい。先生の話とゲーハートの証だけで確信を持ったのであれば、実際に自分の目でそれを見るまで待ちなさい。我々が船もトレーラーもバンもエンジンも、自らの手で造り出すまで待つことです。皆さんは信じられますか。こういうアイデアに好奇心をそそられ、全力をそれに投入したいと思う者は手を上げなさい。