父の祈り 第11話

悲しみの歴史を清算する本然の姿とならせてください

お父様!
暗闇の権勢と闇と深い眠りから目覚めるべき人類ですが、
目覚めようとしないでいます。
どのような障壁が私たちの前途に立ちはだかるとしても、
新しい光明の旗に向かって走ることができるように、
お父様の哀れみのみ手を私たちに表してください。

お父様!
幼い私たちのためにご苦労された、お父様の歴史的な苦労を
私たちは知っていますし、
闇の根性が潜在している自分たちを見るとき、
悲しまなければならない私たちであるということも
知っています。
お父様が地を眺めて悲しまれたように、
きょう私たちも
自分を眺めて悲しまなければならないのでございます。
ひいては
私たち自身を越えて、
悲しんでいる万物に対する負債を清算し、
悲しまれるお父様の心を慰労してさしあげるべき責任が、
私たちに残されているということを心では知っていますが、
この責任を成し遂げられないまま、
きょうこの場まで出てきたことを受け入れてください。

お父様は喜びの歴史と喜びの実体を立てようとなさいましたが、
悲しみの歴史を悲しみでもって継承し、
悲しみの実体をつくってしまいました。
恨みと嘆息の結実体となったので、
これがどうしてお父様の悲しみにならず、
これがどうしてお父様の心情の曲析にならないでしょうか。
きょう、このような悲惨な姿、
再分析され再創造のみ業でもって再び造られることを
願わなければならないかわいそうな立場にいる私たちを、
お父様、一層哀れにお思いになり、
お父様のものとしてお取りくださり、
お父様の理念でもって
再び造られ得る実体としてお取りください。
願われるみ意のままに
私たちが天の本性の美を備えることができるように、
本然の創造の法度によって
私たちの心と体を再びお造りください。
わがお父様、切にお願い申し上げます。

悲しみの障壁を切り開いて
新しい朝の光明を望み、
ハレルヤの凱歌を歌い、
万宇宙の主人を探し出した喜びを歌うことができ、
万宇宙を創造されたお父様に侍ったことを
喜ぶことができるようお許しください。
そうして、
お造りになった万象に対して本然の慕わしさを感じることができ、
本然の誇りをもつことができるようお許しくださいますことを
切にお願い申し上げます。

人間の堕落以後、
万物まで悲しみ嘆息してきたということを知っていますし、
真の息子・娘の手によって
本然の被造物の立場に近づくことを願っているということを、
私たちは知っています。
お父様を慰労してさしあげ、
万物を本然の立場に復帰させてあげるべき使命が
私たちにあることを考えるとき、
きょう不足な私たちであることをお父様のみ前に申し上げ、
再び
お父様の苦労を待ち焦がれなければならない
事情に置かれていることを
受け入れてください。

このようにしてでも、お父様の願いと
お造りになった万物の願いを成就して、
誤った六千年の嘆息を終結し、
恨みを晴らさなければならない責任が
私たち各自にあるということを知っていますので、
哀れみ深いお父様、愛のお父様、
私たちの心がお父様と遠い距離で動かないよう
お許しください。
お父様の性相、形状と遠い距離で動く
私たちとならないよう
お許しください。
お父様がお遣りになったがゆえに
お父様と心も通じ、
体も通ずることのできる創造の因縁があることを
知っていますので、
ちりにも劣り微物にも劣る私たちを
お父様、
本然の能力の権限圏内に導いてくださり、
本性の姿として再び立ててくださいますことを
切にお願い申し上げます。

そうして、お父様のみ前に誇ることができ、
天的な威信を立てられる一人の息子として、一人の娘として、
暗い世の中に光明の光となるようお許しください。
また、暗いこの地の上に
新しい天の喜びを伝えることのできる、
東方の光の身代わりとして現れることのできる
小羊の群れとなるよう
お許しください。

このすべての使命と責任を私たちが引き受けられるよう、
力を許諾してください。
主のみ名によってお祈り申し上げました。アーメン。

(一九五九・二・一五)

Atsuki Imamura