真の父母経 第268話
第一章 環境創造のための経済活動
第一節 環境創造のための経済基盤の造成
環境創造と経済基盤造成のビジョン
真の父母様は、神様の復帰摂理の基盤を造成するために、環境創造が必要であると考え、世界の至る所に数多くの企業を設立するなど、経済活動を展開された。環境創造とは、再創造の役事のために、物質をサタン世界から神側に取り戻し、神の国創建のための外的環境を造成することを意味する。
特に、世界人類がすべて等しく物質的恵沢を受けるためには、特定の個人や企業、国家の利益を離れ、資源の効率的な活用と技術の平準化が成し遂げられなければならないと考えられた。
1 神様が再創造歴史を導いていくには、環境創造をしなければなりません。環境には必ず主体と対象があります。その環境の中には、人間の堕落ゆえに、自らを再創造できる資源がありません。サタンの側に奪われたというのです。これを再び取り戻してこなければなりません。再創造しなければならないというのです。
資源がサタンの所にすべて行ってしまったので、これをそのサタンの側から取り戻してこなければならないのです。「門前乞食」(家々を回って物乞いをすること)をしながらでも、すべて取り戻さなければなりません。僕の僕の道、僕の道、養子の道、庶子の道を経て、復帰の道を行かなければならないのです。
2 天は、この地上に真の父母の伝統、王権の伝統を立てるみ業をしてきました。天がそのようなみ業をしてきたので、私たちを生かすためにその方が来たのです。真の父母がそれをしてきたので、その伝統の恨の峠が残っているこのすべての村を訪ねていき、皆さんを再創造できる資源を求めるために、三年半の間、天にすべてを捧げる心情で活動しなければならないのです。
(その間は)一銭も、自分のためだけに使ってはいけません。一銭でも加えて、天のみ前に献金しなければならないのです。三年半の間は、社会的底辺の人や、長官の家、大統領の家の門前まで行って、否定されてでも歩まなければなりません。そのようにすることによって、失われた再創造の資源を天のみ前に預け、これによって再び造られる条件を立てて蕩減することにより、入れ替えるのです。
3 愛国者は、国のために命を懸けようと考えなければなりません。死の峠に到達するときまで、すべてを投入する立場に立たなければなりません。生命を投入できなければ、愛国者としての生命を得ることはできないのです。それが真理です。適当にやってはできません。これは公式です。
環境創造をするためには、どのようにすべきでしょうか。環境には、太陽の光、水、空気、土があります。皆さんが愛と生命体をもって神様の代わりに歩むようになれば、そのような環境的条件で、必ず皆さんが主体となって投入し、対象を創造しなさいというのです。平安な所にいながら福を受けることはできません。つらくても、自分がつらさを忘れてしまえば、無限の成果が出てきます。それが再創造の公式です。
無限に投入し、また投入して、忘れてしまわなければならないのであって、「私はどれくらい投入した」と、(投入したことを)覚えていてはいけません。お金もなく、何もないので、愛の涙、生命の涙、血統の涙、良心の涙を流しなさいというのです。そうすれば、神様が同情してくれます。「私」が絶対マイナスになったので、絶対プラスである神様が共にあるのです。
ですから、何かをしながら、利用しようと考えてはいけません。そのように考えること自体が間違っています。世の中の人がお父様を利用したとしても、その人と共に復興し、共に生きるために事業をしていると考えなければならないのであって、私が利益を得ようとしてはいけません。そのようにして得たものは、いくら集めてもサタン測に戻っていくのです。
4 皆さんが大きくなろうとすれば、自分自体を投入しなければなりません。これが真理であり、すべての現象世界の発展原則です。拡張し、発展しようとすれば、投入しなければなりません。純粋な投入は、純粋な発展と純粋な拡大が可能です。いい加減に投入すれば、いい加減な結果が出てくるのであり、深刻に、純粋に投入すれば、深刻で純粋な結果が出てくるのです。
これを簡単に表現すれば、「真に犠牲になりなさい」ということです。これは、真に犠牲になる道においてのみ可能です。その犠牲とは、自分自身を投入することです。「真に犠牲になりなさい」という言葉は、投入しなさいということを意味します。
5 原理は非常に膨大です。原理を通して考えれば、世の中に解けないものはありません。世界万有の百科事典のような内容を備えています。天倫の根本的なものを中心としているので、公式と同じです。このようにすべてに当てはまるのが原理です。この原理は、現代哲学や心理学にも当てはまります。また、物質世界の原則にもすべて当てはまります。企業を発展させようとすれば、経営と施設と技術の三大要素が一つにならなければなりません。すべて、このように三大原則になっています。
6 今後、世界の経済圏を誰が握るのでしょうか。それは、原料をもっている国でもありません。生産国でもありません。皆さんが知っているように、石油を中心として世界情勢を見れば、石油の生産国が完全に首をつかんで引っ張っています。発展途上国、消費国、販売市場国も、世界経済圏を握ることはできません。ですから、これらの国々が共同体制を構成しなければならない時が、遠くない将来に来るというのです。
原料を世界的に共同管理するよになれば、生産も共同管理しなければならず、販売も共同管理しなければなりません。結局は、これを全世界の人々にどのように平等に補給してあげる組織基盤をもつかによって、これからの世界経済が左右されると考えるのです
今までは、先進国や生産をする国が主導権を握ってきました。しかし、今や生産が問題となる時代は過ぎました。生産は誰でもみなできます。科学技術の、発展によって、生産が平準化されました。今に至っては、資源の供給が問題になります。生産国が全権を握って動いていた時代を越えて、今では資源が(主導権と)結びついているのです。どこもたくさん生産しようとするので、資源を中心とした体制になりました。ですから、石油問題が深刻なのです。
それでは、生産と資源、そして、供給市場の三大原則から見るとき、今後、経済の権限をどのような国が握るのでしょうか。生産国でもなく、資源をもっている国でもありません。これからは、市場を掌握する国が、経済圏を掌握するというのです。
8 国々が互いに争い、民主主義と共産主義が闘う立場にあれば、世界の経済圏を誰が握るのでしょうか。生産国でもなく、消費国でもなく、原産地国でもありません。販売組織を世界化して、思いどおりにコントロールできる思想的な団体や国家、宗教が、世界経済園を握ることのできる時が来るというのです。
今後、全世界にそのような組織が出てくれば、この組織を管理する人には誰がなるでしょうか。これには、不変の理念運動を通して歴史を動かし得る思想的な団体がなり、民族がなるでしょう。
「科学の統一に関する国際会議」を開催して世界科学者協会をつくり、その次に、世界経済人協会をつくろうと考えています。それで、今まで新しい理想世界、理想的な経済世界を夢見てきたある経済学者にお父様が会い、これからの世界経済全般の問題点について話しました。
彼らにとって最も難しい問題の骨子は、人権問題と思想問題、すなわち人の問題と思想の問題をどのように扱うかということです。国と国が競争すれば、互いに自国が主導権を握ろうとし、利益を取ろうとして権力闘争をします。
ですから、自国を中心とした立場をどのように超越するかが問題です。その問題は、新しい思想でなければ解決できないのです。
真の父母様の経済観
真の父母様は、物質というものは、神様が子女である人間に下さった贈り物であり、人間の生活に必須の要素であると考えられた。そして、人間は、誰もが差別なく、神様の下さった物質を等しく使用しながら、物質の真の所有主となるべきであり、特定の国家が科学技術と経済力を独占して、他の国を隸属させてはならないと予見され、経済的平準化を主唱された。このような経済観に基づいて、神様を中心とした共生、共栄、共義の人類共同体ビジョンを提示されたのである。
10 お父様が事業をしてお金を稼ごうとするのは、そのお金を貧しい人々が豊かに暮らせるように使うためです。それで、経済的な基盤を中心として、お父様が築いた最高の科学技術を世界の万民解放のために分け与えるのです。それが平準化です。
先進国が弱小国を自国の下に引き入れようとするのですが、そのようにしてはいけないというのです。横に連れてきて、くっつけなければなりません。平らに連結しなければならないというのです。このようにするので、先進国の人々は、お父様に対して「先進国を破壊しようとする者」という烙印を押して、反対するのです。お父様は、世界の平準化を主張している人です。私がすべての国を対等な位置に立ててあげようというのです。
今までヨーロッパはアフリカを搾取し、万年にわたって僕の立場に立てるための政策を展開し、またアメリカも、南米を隸属化するための政策を用いてきました。これを私が打破してしまおうとしているのです。