真の父母経 第245話
第三節 「世界平和教授アカデミー」
「世界平和教授アカデミー」創設の目的
真の父母様は、世界的な碩学たちを中心に、平和世界建設のための各分野の研究と活動を支援するため、「世界平和教授アカデミー(PWPA)」を創設された。「世界平和教授アカデミー」創立総会は、一九七三年五月六日、教授招請「統一原理」セミナーや大学原理研究会の活動などを通してつながった教授など、百六十三人が参加する中、ソウルで開催された。「世界平和教授アカデミー」は各国に支部を置き、各国の会員は「世界平和のための学問的寄与」という共同目標のもと、相互交流および協力をしている。特に、世界平和をテーマに多様な学術セミナーを開催し、一九八六年一月二十一日には、真の父母様の指示により、「世界平和教授アカデミー」の付設として、韓国各地の百ヵ所以上で郷土学校が設立され、恵まれない青少年たちの教育を支援するなど、対社会的な活動も展開してきた。
1 私たちは、統一科学という問題を中心として、全世界的に教授たちを招請し、年次行事を行っていますが、みな、ここにどれほど多大な関心を寄せているか分かりません。最初は批判もしましたが、最近になって、「レバレンド・ムーンが取り組んでいることは、すべてが深刻な問題だ」と言っています。このような段階に入って、推し進めていくのです。ですから、何としてでも教授たちを一つに糾合しなければならないと考えました。そのように教授たちを糾合するための作戦を韓国で展開しなければならないので、「世界平和教授アカデミー」を結成したのです。
言い換えれば、「全世界の教授たちが、この平和世界の建設のために、各分野で実際に行動することはできなくても、頭を使い、文章を書いて、方向を提示することにおいて先頭に立たなければならない」と言って、「世界平和教授アカデミー」という集まりをつくったのです。韓国では、既に成功しています。今後、韓国と日本と台湾を中心として、世界的に「世界平和教授アカデミー」が結成されるでしょう。
2 「世界平和教授アカデミー」の名で、「広場」という月刊誌を作っています。これを全世界の大学に発送したので、韓国でこのような運動を行っていることを、既に名のある教授たちはみな知っています。ですから、アジアで著名な教授たちを糾合し、「アジア平和教授アカデミー」を発起さえすれば、これがヨーロッパにも連結されるのです。それだけでなく、アメリカの東部と西部の重鎮となる教授たちを、「世界平和教授アカテミー」の核心要員にすることができます。この人たちは、お金を払っても心を動かせる人たちではありません。
このように、世界的に組織を編成して、何をするのでしょうか。父母様はこの「世界平和教授アカデミー」を中心として、ノーベル賞受賞制度のような制度をつくる計画をしています。ノーベル賞以上の賞金を設定して、世界記録を破る表彰制度をつくろうとしているのです。
3 世界を動かすのは、学者たちです。政治家たちが動かすのではありません。その国の政策を樹立するすべての分野で、主導的な頭脳の役割を果たす人は、有名な教授や学者たちです。その国の政策を遂行する人たちは、彼らの頭脳によってつくられたプログラムに合わせる人々なのです。
学者と大学生を見れば、学者たちは先頭に立ち、大学生たちはこの時代の後ろに立っています。彼らを連結させてこそ、中枢になります。背骨です。ですから、今まで統一教会は、反対を受けても彼らを連結させようとしました。ところが、そうするのは簡単なことではありません。ましてや、統一教会を指導しているお父様が世界的に論争の対象になっているので、彼らを連結させるというのは、簡単なことではないのです。
そのようなことを見ながら、私はアメリカで活動する将来のことを考えたのです。このことは、お金があるからといってできることではなく、それこそ、精誠を尽くして世界を愛する心をもたなければ、できないのです。
4 人間個人の体と心が分かれることにより、人類歴史はサタンの版図と天の版図に分離され、闘争の歴史を経てきました。個人から分かれて、家庭、氏族、民族が、歴史時代を経てきながら数多くの戦争をしたのです。歴史的に見るとき、宗教圏と政治圏が争ってきましたが、いつも政治圏が宗教圏を打ちました。また、科学世界と宗教圏が争ってきましたが、科学世界がいつも宗教圏を打ってきました。しかし、父母様の時代には、政治圏と宗教圏、また、科学世界と宗教圏の一体を成し遂げなければなりません。ですから、父母様が世界の学者たちを糾合してきたのです。
今まで科学者たちと宗教圏が、怨讐になっていました。これを統一しようとすればまず世界の学者たちを糾合しなければなりません。ですから、「科学の統一に関する国際会議」と「世界平和教授アカデミー」を編成したのです。これらの学者と統一教会が一つにならなければなりません。そうしてこそ、宗教圏と政治圏が統一されるのです。
5 私たちは、学界を収拾しなければなりません。学界を収拾するために、「科学の統一に関する国際会議」を開催してきました。この会議は、世界的な学者を一つにまとめるための、唯一の集まりになりました。また、世界の有名な学者たちを中心として、国家と国家を連結する「世界平和教授アカデミー」があります。二重作戦を行うのです。
世界的な一つのモデル型と国家的な一つのモデル型をつくることによって、国家的に成果のある人は、世界に行くことができるようになります。世界に進出できる道が開かれるのです。世界の有名な学術機関に影響を与えることのできる足場を整えようというのです。ノーベル賞受賞者を選定するときにも、私たちが背後で推薦します。頂上の位置に上がっていけるように支援するのです。
6 私たちが「科学の統一に関する国際会議」を主導しているので、教授たちに「このような世界的教授アカデミーがあるので、あなたたちもここに加入してください」と言えば、嫌だとは言いません。そうすれば、世界の十ヵ国なら十ヵ国の科学界の重鎮と手を結ぶことができます。
教授アカデミーに世界的な学者たちを加入させなければなりません。今後、アジアから始めて、世界の学者たちを教授アカデミーに連結させるためです。世界的な教授たちを一つに束ねてあげれば、今後の世界のために世界政策を樹立したり多方面の専門分野で世界的に影響を及ぼしたりすることができるのです。
そのようにするために、分野別に世界にない刊行物を作ろうというのです。そうして、経済分野、農業分野、科学分野など、各分野の雑誌は世界的に有名な人々が作るので、世界的に知られるようになっています。今後の世界政策を決定するときに影響を及ぼすことのできる、首脳部のようなものをつくっておこうというのです。
7 世界的な教授アカデミーを構成するようになれば、その名声が広く知られることになるでしょう。そのようになれば、どこに行っても私たちの基盤があるので、そのような人々を招請し、巡回教授団をつくろうと考えています。一つの大学だけで講義していてはいけないというのです。世界的に有名な大学を中心として、六ヵ月であれば六ヵ月間、巡回講演をさせます。その費用は、私たちが出そうというのです。このように世界的な巡回教授団をつくって、世界を一周させます。
そのようにしたあとは、どこの大学に行っても、関わりのある学者や学生たちが関心をもって押し寄せてくるでしょう。有名な人の主管のもとで学位をもらえば、その門下生たちも世界的に有名な人になるのです。そうして、約五、六年後に、一回りしながら学位を与えるようにするのです。このようになれば、この大学にノーベル賞を受賞した教授をはじめ、専門家たちが押し寄せるようになっています。
8 今後、世界的な教授アカデミーをつくって、約五百人の教授たちが大韓民国に入ってきたとすれば、大学が動くようになります。
これから私たちが世界的な大学を造れば、教授アカデミーから推戴を受けた世界的な大学教授たちを、私たちの学校に連れてくるのです。そのようにして、世界的な碩学たちを一ヵ所に集中させれば、世界的な大学になります。そうして、その大学を動かし、社会制度がそこに相対的な基盤を備えるようになれば、この国は世界的な文化国家になるのです。アメリカが近代に世界的な主導権を握るようになったのは、世界的な人材を抱くことのできる大学があったからです。そのような大学が民主世界で主導的な役割を果たせる人材を育て、各国で長官や局長になるようにしたので、アメリカが世界的な主導国になったというのです。
9 アメリカで大学を包摂するための間接的作戦を行うために、「世界平和教授アカデミー」をつくりました。この平和教授アカデミーを日本にもつくり、台湾にもつくったのですが、それをなぜつくったのか分かりますか。世界的にこの平和教授アカデミーを連結させ、今後、世界大学連盟をつくろうと考えています。世界的な大学を建てて、国際的な人材を養成しようとしているのです。
10 「世界平和教授アカデミー」をつくる時のエピソードがたくさんあります。当時、情報当局では、「政府の力で総力を注いで動いても十三人の教授しか集まらなかったのに、文某が教授アカデミーをつくるというのか」と言いました。それで、私は、「彼らは、大韓民国という国家的見地からそれをするが、私はアジア的見地からするのだ」と言ったのです。
それを準備するために、多くの人々が縦横に往来する基盤をすべて備え、韓国で「世界平和教授アカデミー」の編成を始めました。その次に、日本までは可能でしたが、アメリカはその当時、まだ基盤ができていませんでした。それで、アメリカを中心として「科学の統一に関する国際会議」を足場にして、ヨーロッパ諸国で「世界平和教授アカデミー」を段階的に編成したのです。
11 教授の皆さんは、「世界平和教授アカデミー」に籍を置いています。その間、多くの迫害も受け、ありとあらゆる困難な環境を経て働いてくださったことを、有り難く思います。しかし、それで終わってはいけません。今から、韓国を代表する学者たちを日本の学者たちと連結させる運動をしなければならないのですが、学者たちがそれをしなければなりません。日本がその運動をする段階に入り、アメリカがその段階に入り、イギリスがその段階に入ってきました。ですから、これを早急に連結させて、韓国を救い、共産陣営から防備しなければなりません。
このような巨大な連結体をつくり、韓国が今後行くべき道、すなわち南北統一をしてアジア諸国に影響を及ぼせる領域を標準として動かなければなりません。そのようにするために、学者たちが動員され、経済人たちが動員され、政治家たちが動員され、各分野が動員されて、結集できる基盤を編成しなければなりません。それは、学者たちしかできないのです。
12 韓国最高の知性と権威をもった学者の皆さんは、今や、この国が進む方向を教示してあげなければなりません。そのために研究をしなければならないのですが、個人の研究時代は過ぎ去りました。これからはグループ研究時代です。それも、国家内のグループ研究時代は過ぎ去り、アジアの学者たちを糾合したグループ研究時代、ひいては世界の学者たちを中心としたグループ研究時代が到来したのです。このような方向を備えなければ、世界に方向を教示できる道がありません。
ですから、大韓民国の風土ではできません。アメリカが絶対に必要だというのです。このような背後の基盤を築くために、私が韓国人の一人として、このようなことをしたのです。このような事実は夢のような話ですが、私は天意によって今後の世界が行くべき方向性をはっきりと知ったので、そこに少しでも役に立てることを願いながら努力してみると、このような結果が成し遂げられたのです。これは、全世界の知識人たちが一つになってすべきことです。