真の父母経 第256話

第二節   主要な教育機関

統一神学校と鮮文大学、清心神学大学院大学

真の父母様は、一九七二年四月三日、京畿道九里市水澤洞の中央修練所に統一神学校を開校され、大学設立の基礎を据えられた。そして、一九八五年十二月、政府から四年制の各種学校として成和神学校の設立認可を受け、一九八六年三月、神学科の学生四十人を募集して開校した。その後、一九八九年十月に、政府から成和大学への改編認可を受け、一九九四年三月一日、校名を鮮文大学に変更した。真の父母様は、建学理念を「愛天、愛人、愛国」と定められ、「天地開闢鮮文学堂」という揮毫で鮮文大学の設立精神を標榜された。特に、一九九八年十月十九日、純潔学科を新設されるなど、特化された教育を通して、摂理の主役と世界的指導者を養成することに、学校運営の焦点を合わせられた。二〇〇四年一月二十八日には、清心神学大学院大学の設立認可および奉献式において、「奉徳訓行萬福興盛萬歳」という揮毫を下さった。

1   韓国の主要な人士たちが日本を訪問しました。彼らが日本の原理研究会と統一教会の人たちに会ったのち、大変感動していました。この前、私たちが神学校を建てようとしたとき、その人々が反対したのです。ところが、今回彼らが日本に行って感動し、私たちの責任者たちに、「神学大学を早く造れるようにしてあげよう」と約束しました。その約束を取りつけてきたのです。これから、四年制の神学大学が設立されます。哲学科や社会事業科、農業科の系統もつくることができます。そして、物理や工科の大学などに拡大すれば、総合大学になるのです。総合大学を造らなければなりません。

2   これから、韓国では若い青年組織や、大学の学生たちを中心として活動しなければなりません。これが今まで、中枢的な組織の編成から抜け落ちていました。ですから、私たちは、二世を育てることにおいて莫大な損害を出しています。大学を建てて二世たちを養成しようとしているのですが、政府が今まで阻んできたのです。様々な言い訳をして反対してきましたが、今や、そのような時代は過ぎ去りました。韓国の学校の中で、一番の施設を造るのです。今後、この学校には誰でも入れるのではありません。世界で有名な碩学たちが来て教えるのです。

3   「成和神学校の学生たちを、夜十二時以前に寝かせてはいけない」と言いました。「二年生からは英語で講義しなさい」とも言いました。私が彼らに、「聞き取りなさい!聞き取れなければ、落第だ」と強調したのです。英語が分からなければなりません。最低限、三ヵ国語ができなければならないのです。私は今も英語の勉強をしています。外国語を勉強しているのです。勉強をしなければなりません。

4   鮮文大学は知性世界の殿堂ですが、世界的な知識人たちの立場から見るとき、後れていてはいけません。ですから、私は、徹底して教育しなければならない責任を感じました。そのような意味で、徹底的に教育しなければならないというのです。そのような基準を中心として、今後、大学を建てるに当たり膨大な資源を投資するつもりです。その資源を教会に投資すれば、どれほど発展するでしょうか。それを私はよく知っています。

いずれにせよ、教会というものは長い期間を通じて発展します。急速に発展するよりも、長期的な発展をするほうが、質的な面や内的な面で強固になると考えるのです。しかし、教育は、変遷する社会で、全体が統一された知識基準をどのように立てるかが問題です。そのように変遷する社会に後れを取らない基準を立てることが、今後、大学が発展できる原動力になると考えるのです。

5   私が一九五〇年代に、「世紀末的な時代になれば、一日生活圏内で世界が動く」と話したとき、誰も信じませんでした。「コンピューターシステムが構築され、電話も座ってどこにでもかけられ、遠く離れた所とも会議をすることのできる一日生活圏内で、世界が同化し得る時代が来る」と話しました。

統一教会がその水準に上がっていくのですが、天は、発展的な相対世界を連結してくれているというのです。ですから、鮮文大学が停止していてはいけません。二十一世紀を踏み越えて進み、二千年、三千年、五千年の歴史を立てていける基盤を築かなければなりません。そのような準備をしようとすれば、皆さんの考えや方向が一つにならなければなりません。

6   造船所に行ってみれば、小さな鉄のかけらでもすべて使い道があります。そのようなものをすべて細分してもってきて、合わせるようになっています。人の体のようなものを作るとすれば、手を別に作り、足を別に作り、目や鼻を別に作り、持ってきて組み立てるのです。それが大変です。溶接が一ミリメートル違っただけでも、全体を捨てなければなりません。これから、そのような世界になります。

鮮文大学もそうです。伝統を中心として計画を立てなければなりません。実務に責任をもった人々は、計画を引っ張っていく人にならなければなりません。そのようにしてこそ発展します。現在、責任をもっている所で(あらゆる面で)際立っていなければなりません。学生たちを教えることにおいて模範になり、生活的な面で模範になり、教授たちからも公認を受けられる基盤を確保しなければなりません。

盲目的であってはいけません。思想的な基準で、価値観の基調がなければならないのです。根があってこそ木が育ちます。思想武装をしなければ何もできません。中心の根は、まっすぐに下りていかなければならないのです。

7   「愛天、愛人、愛国」という鮮文大学の建学理念で標榜したように、私がこの大学を設立するようになった動機は、神様を愛する愛天理念でした。愛天で意味する神様は、特定の宗教や宗派の教理の中に閉じ込められている神様ではありません。生きた根源者でいらっしゃる神様は、真の愛の本体であられ、人類にとっては無形の真の父母であられ、天道とすべての教えの根源であられます。私は早くに、生きていらっしゃる神様を知ってから、一時もその神様の願いを忘れたことがありません。

神様の真の愛の理想である平和世界を実現するために、一生を献身的に歩んできた私は、未来を導いていくビジョンある人材の養成を、重要な宿願事業の一つとして感じてきました。今後、近づいてくる地球村時代、人類大家族社会を導いていく人材は、まず天と人類、国、世界、万象を愛する人でなければなりません。真の父母、真の師、真の主人の三主体の人格は、神様に似た愛の実践の中で形成されるからです。大学は、創意力の啓発を通した専門家を養成する教育機関です。しかし、普遍的真理の根源である神様とつながった人格教育を通して、三主体人格者である健全な指導者を養成する普遍教育は、何よりも優先されるのです。

8   鮮文大学では、天理に従う愛の実践と体恤の手本になる教授と指導者たちが、全体の学生に真の父母、真の師、真の主人の人格を教育しなければなりません。人類が念願する自由と平和、統一と幸福は、知識や力、あるいは物質の豊かさだけでは実現されません。人間の道徳性と霊性の啓発が前提にならなければならないのです。

新たに到来した二十一世紀は、摂理完成の世紀として、人間が不可避的に霊界と近く通じ合いながら生きなければなりません。鮮文大学は、私の行跡研究とともに、世界の碩学たちが押し寄せてきて、霊界について研究するセンターになるでしょう。また、本大学は、人間の知性と専門性の啓発だけでなく、心霊の啓発を通して人格を完成する大学、すなわち道徳的で霊的に完璧な指導者たちを育成する世界一の大学になるでしょう。

9   鮮文大学は、世界の碩学たちと世界を導く指導者たちが最も喜んで訪れる共同研究と討論の場になり、未来の理想実現に連結されることを確信しなければなりません。これから鮮文大学には、世界から天才的で最も優秀な若者たちが、雲霞のように押し寄せるでしょう。

この大学は、韓国人たちだけのための大学ではありません。世界の人々はもちろん、天上にいる霊人たちの願いまで包括する摂理史的な大学です。世界の志ある若者たちが、摂理の祖国である韓国を知り、世界平和のための真の愛のビジョンを共に分かち合う国際化教育の揺籃です。

ここで学ぶ学生たちは、世界市民、ひいては天一国国民としての素養を備え、善民となり、未来世界の指導者になることができる品格を備えなければならないでしょう。そして、教授と役職員の皆さんは、この大学を、専門的な知識と技術はもちろんのこと、知恵と道徳性、そして、霊性を研磨しながら、真の愛の人格を形成する学堂にしなければなりません。

10  鮮文大学は、神様と天意に従った設立者が願う、清く高尚な二世たちが学ぶように準備された所です。ですから、純潔教育の世界的な揺籃にして、国と世界が信じて任せられる訓育、および実践の場となり、明るい未来に連結されなければなりません。

真の愛の心で隣人のために何でも分かち合い、施すことができる奉仕の人格を研磨する、金の卵たちとして育てなければなりません。天宙が願う、超国家、超人種、超宗教的に開放された教育を通して、あらゆる人種の人たちが一つの兄弟の理想を学ぶ、和合の学舍にならなければなりません。世界を健やかに、美しく育むことのできる、多様な知識と技術の専門家の養成所として育つことを願います。鮮文大学が世界の若者たちに真の愛と平和の生きた知識を悟らせ、奉仕し、研究する教育機関として、日々発展することを願います。

Luke Higuchi