真の父母経 第313話
第二章 超宗教平和運動と超宗教祝福結婚式
第一節 「国際宗教財団」と「世界宗教議会」
「国際宗教財団」の創設と「世界宗教議会」の活動
真の父母様は、一九八三年四月二十五日、世界宗教の統合のために「国際宗教財団(IRF)」を創設されたのに続き、一九八五年十一月十五日から二十一日まで、「国際宗教財団」の主催でアメリカのニュージャージー州にあるアメリカーナ・ジョージ・グレート・ホテルにおいて、「世界宗教議会」の創立総会を開催された。この日、真の父母様は、「急変する世界の中で人類を正しい方向に導くためには、宗教が互いに和合し、神様のみ旨を地上に実現するために努力しなければならない」と語られた。
1 一ヵ国体制時代は過ぎ去りました。連合国家体制を取らなければ生存することができません。宗教も同じです。また、社会は科学技術を中心として急変しています。このような急変する社会に対して、一つの教団の教理では到底歩調を合わせることができません。どんどん落ちていくというのです。様々な教派が垣根となって、東西南北に大きく重なり合っていてこそ残るのであって、そうでなければ、変遷する社会に押され、立つ位置がなくなります。ですから、宗教界が連合戦線を組まざるを得ないのです。
世界の趨勢がこのように流れています。いくら一番だと自分を主張し、伝統的教派、教団だと主張しても通じません。どんどんと若い人々や知識人たちが雛れていくのです。宗教をしきりに追い出すというのです。ですから、退廃思想除去問題や共産主義の侵略からの防衛問題のような世界的な諸問題を前にしている立場で、連合戦線を組んで新しい方向の路線を取らなければ、生存できない段階に追いやられていくのです。それゆえ、連合せざるを得ません。それで、私が「国際宗教財団」をつくったのです。
2 私たちは、宗教世界を収拾しなければなりません。それで、「国際宗教財団」をつくり始めました。それを見て、人々は「狂ったことをしている」と言いました。「世界が数千年間、キリスト教一つすら統一できなかったのに、レバレンド・ムーンは宗教をどのようにして統一しようというのか」と言って、ありとあらゆる悪口を言いましたが、その結果は驚くべき出来事として現れました。
これは、世界的事件です。ところが、言論機関がこれを聞き流してしまいました。これは、糾弾されなければなりません。今から、皆さんは宗教連合運動を大学から始めなければなりません。教授たちから大学生、中高生たちを中心として、この運動をしなければなりません。
今や、二世時代です。私たちが二世を中心として宗教連合運動の烽火を上げなければ、今後のすべての宗教が、世界的な基盤をもち、人類に貢献できる道を失ってしまいます。ですから、(彼らを)抱えるための大きな垣根は、他の教団が提示する目的よりもさらに明確でなければなりません。それでこそ、その目的に向かって宗教が進むのです。
3 私が強調してきたことは、世界平和のための必須条件が、正に宗教間の和睦だということです。今までどれか一つの宗教が、神様を完全に代弁することは不可能だったので、各宗教がもっている多様な見解は必然的な産物です。しかし、私たちはみな、唯一なる天の父母の子女であるがゆえに、一つの大家族の中の兄弟姉妹です。したがって、宗教間の葛藤と憎悪は不要なのです。
私は早くに、霊的探究の道で神様と何度も対面し、世界宗教の創始者たちとも霊的に会いました。今も続けて、神様の臨在と、そこから来る霊感による交信を生活の中で体恤しています。神様がいらっしゃらなければ、抑圧され、搾取されてきた弱小民族の地にある僻村に生まれた一人の人間が、どのようにして無理解と迫害の中、世界的な霊的基盤を築くことができ、世界の宗教指導者たちのこの高い水準の会合を主催して、このような演説をすることができるでしょうか。統一運動の目標と手段は、神様が下さった指針によって設定され、採択されてきました。私が明らかにした内容や活動は、私的なものではなく、正に神様に由来したものなのです。
「国際宗教財団」は、一九九三年に「世界宗教議会」を開催しようと計画しています。この行事は、一八九三年にシカゴで開かれた「世界宗教議会」の百周年を記念するためのものです。この行事は、世界的に超宗派の広場を整えるように準備されており、その目的は、すべての生命体に内在している普遍的な原理を明らかにして、その原理の多様な発現を十分に促そうとするところにあります。「世界宗教議会」は、全人類が希求する世界平和の成就も模索するでしょう。
4 シリアのグランド・ムフティ(イスラーム律法解釈最高権威者)であるアフマド・クフタロは、既に四十年前からユダヤ教とキリスト教とイスラームを一つにするために努力してきました。その中で、反対を受けて何度も監獄に行きながら、志を果たせずに落胆していたところ、私が宗教議会を中心として活動しているのを見て驚き、私を訪ねてきました。
そして、面会したあと、「この方が先頭に立てば成し遂げられる!」と言ったのです。そうして、イスラーム圏の指導者たち二万五千人が集まった場で、「私が四十年間努力してきた宗教統一の方案を、レバレンド・ムーンが既に実践躬行しているので、私に従うすべての人々は、レバレンド・ムーンを協助するために、私と共に立ち上がりましょう!」と発表してしまいました。世の中がそのように変わりつつあります。
5 ユダヤ教とキリスト教とイスラームが一つになるのは、簡単なことではありません。一つになろうとすれば、どのようにしなければならないのでしょうか。イエス様、ムハンマド、ユダヤ教のモーセとアブラハムよりも、さらに大きな愛の心、父母の心情をもって耐えることができなければなりません。そのように耐えられるか、という問題が重要です。
あとから、「ムハンマドも愛し、イスラームも愛した。イエス様も愛し、キリスト教も愛した。モーセも愛し、イスラエルも愛した」と言うことのできる結果的存在が出てこなければなりません。そのような存在が出てこなければ、一つになれません。
一九九〇年八月十六日、第二回「世界宗教議会」を開催しましたが、私はいったい何ゆえに宗教議会をつくり、宗教界に問題を起こすのでしょうか。一つの教派でも一つになれないのに、超宗派的な面で一つにしようというのは正気を失った話です。いくら統一教会の責任者としてそのように步んでいるといっても、世界に散らばっている統一教会の人々が、そのようにできるのかというのです。ですからそれを教えてあげなければなりません。
一つになるためには、理論的にこうでなければならず、思想的な面と宗教的な面で一つのキーポイントはこうでなければならず、出発点はこうでなければならず、内容はこのようなものを備えなければならないという理論を整えて、実践舞台で困難を克服できる信念をもたせてあげなければなりません。このような準備をしながら、お父様は思想的な面で王座に上るようになりました。
「新超教派研究協会」と「神様会議」、「世界宗教青年セミナー」
真の父母様は、世界的な超教派運動のため、一九八一年一月、著名な宗教学者と神学者二百八十人をアメリカのニューヨークに招請し、「新超教派研究協会(NewERA)」を創設された。また、同年十二月、ハワイにおいて百六十四人の神学者と宗教学者、哲学者が参加する中、「神様会議」を開催された。「神様会議」には、正しい神観が確立された土台の上で、初めて宗教一致運動が成功し得るという真の父母様のみ意が反映された。そして、真の父母様は、各教団の二世圏を教育し、教団間の理解と和合を増進させ、宗教連合運動の新しいブームを呼び起こすという趣旨のもと、一九八二年から十二の教団を代表する青年たちを招請し、「世界宗教青年セミナー」を開催された。また、一九八五年には、各教団の若い指導者たちによって構成された「世界宗教青年奉仕団(RYS)」を通し、世界の各宗教の聖地を共に巡礼しながら、奉仕活動を展開するように導かれた。
6 アメリカでは「新超教派研究協会(NewERA)」という組織をつくり、運動をしています。それこそ、超教派運動です。そうして、有名な神学者たちを集めてみると、数えることもできないほど大勢いるのです。彼らをすべて活動させなければならないので、千人ほど集めておいて、選別しています。
アメリカには、アメリカ全体の神学者大会があります。一九七五年と七六年には、そのような大会に統一教会の学者たちが顔を出すこともできませんてした。そのような舞台の上に、既に統一教会の神学が定着し、数十冊の本を販売できる基盤ができているという事実を、今日、反対する韓国の神学界の人々は、知る由もないのです。なぜこのようなことをするのでしょうか。
この宗教界について、神様に「あなたの願いは何でしょうか」と尋ねるとすれば、「争う神学者たちをすべて一つにして、私のみ旨に一致する道に進むように収拾してくれたら有り難い!」と返答せざるを得ないのです。そのような事実を知ったので、異端と言われて、追われ、追い出されても、このようなことをしてきました。これを連結する道を開放する人間が、神様の必要とする人だというのです。